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ここでは、私が考える、ゲーム製作におけるタブーについて書いています。
簡単に言うと、ゲームを製作し発売する上で「これはやっちゃいかんだろう」という事についてです。

もちろん、あくまで私が考える上でのタブーなので、そこをお忘れ無く。


・続編で突然雰囲気やジャンルを変更する

人気の出たゲームは必ずと言って良いほど続編が製作されます。
ですが、たまに続編なのに雰囲気やジャンルがガラリと変わってしまい、ユーザーが戸惑い、結果として衰退してしまったタイトルもあるようです。 

続編で雰囲気やシステム、ジャンルを変更する場合、それが番外編というような位置づけだと大きな問題は無いような気もしますが、逆に「2」とか「3」みたいな続編ナンバーが振られたタイトルでそれが行われた場合、かなり厳しい気がします。 では、例をいくつか挙げてみましょう。


・ファンタシースターオンライン Ver.3 C.A.R.Dレボリューション   ゲームキューブ / ネットワークカードゲーム
まずはPSOとしてお馴染みのファンタシースターオンラインのVer.3からです。
初代のDC版及びGCのVer.2は私も相当熱中しましたし、このゲームがコンシューマハードにおけるネットワークゲームに多大な影響を与えた事は間違いありません。 そしてユーザー期待のVer.3が登場したわけですが、なんといきなりカードゲームになっていました。 これにはさすがにまいりました。 待ちに待った続編が突然ジャンルが変わり、しかもカードゲームになってしまったのですから。

ここで問題なのは、「番外編」というような位置づけではなく、「Ver.3」という続編ナンバーをふられ、シリーズの完結編でもあるタイトルで突然のジャンル変更をやってしまった点です。
これがシリーズ完結後の番外編とかでやったのであればたいした問題でもなく、むしろPSOの遊びの幅が広がってよかったのかもしれませんが、続編、しかも完結編でやってしまいました。 もちろん私は買ってません。 正当な続編を期待していた私にはかなりショックな出来事でした。

PSOの展開を見てみると、チートやDCの生産中止などの数々の問題を抱えながらも非常に成功したと言える初代を除き、後はひたすらベタ移植を様々なハードに繰り返し、しかも相互接続も不可能という、厳しく言うと最悪な展開でした。
メインハードはDCからGCに移った後も、続編が突然カードゲームになり、さらに最新作の「リバース」はハードがPS2に移るなど、ハードの選定やシリーズ展開など、正直上手くやっているとは言えません。 ネットワークゲームは海外勢(特に韓国勢)が強いので、ここらでしっかりと展開の仕方を見極めないとシリーズ滅亡もありえるかもしれません。


・グローバルフォース 新・戦闘国家  プレイステーション2 / シミュレーションゲーム
シミュレーションゲームが大好きな私が非常に注目していたのがこのシリーズだったのですが、最新作である「グローバルフォース〜」から、突然ゲームの雰囲気が大幅に変わってしまいました。 2作目までは、良い意味でいかにも戦略シミュレーションてきなグラフィック・音楽・ムービーだったのですが、なぜか3作目になって、突然雰囲気がガラリと変わってしまいました。 例えるならば・・・「サイバーな雰囲気」とでも言いましょうか。 正直ゲームのジャンルや内容に全くマッチしていませんでした。
サウンドだけでも前作の物が使用できる裏技が無い物かと本気で思ったくらいです。 いったい何が起きたのでしょうか?

このショックぶりは相当な物でしたが、
「サイバー大戦略」とかよりはマシなのかも・・・


・バーチャファイター サイバージェネレーション  PS2 / ゲームキューブ / アクションゲーム
ご存じバーチャファイターの最新作でもあり、10周年記念作品でもあるこのタイトルですが、まさかこのような内容で登場するとは想像も付きませんでした。 ネット上での反応を見る限りでも、この「10周年作品」には正当な続編、つまり「5」を期待している人が多かったようです。

低年齢層ユーザーを取り込むのがこのタイトルのコンセプトだったはずですが、ここまで雰囲気やシステムが異なるこのゲームをプレイしたユーザーが、果たしてすんなり従来のバーチャファイターに流れてくれるのかは相当怪しいです。 そもそもハードも異なりますし。(最近になってPS2版も追加されましたが)

が、それ以前に、細かいバージョンアップを除いて続編が出ていなかったバーチャファイターの、それも10周年記念タイトルにこれをもってくるというのは、かなり冒険だと思います。
鉄拳が最新作を制作中で、カルトな人気を誇るデッドオアアライブもシリーズを固める中(バレーボールに関しては、全く違和感が無いのは何故だ?)、これらの競合商品とは一線を画する展開を見せるバーチャファイターですが、結果は果たして?


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・グラフィックやシステムの向上が面白さや単純明快さを阻害している場合 2005年2月20日 更新

最近のゲームは、マシンの性能及び表現技法の向上に伴い、絵的なレベルが格段に向上しているのが特徴です。
同じく進化した音響効果と組合わさり、一昔前では味わえなかったような臨場感や恐怖感を体験できるようなタイトルも増えてきました。 が、しかし、絵が向上した物の、それがゲームの面白さに結びついていないばかりか、逆にプレイしにくくなっているような場合もあります。

私はFPSが大好きでして、中でも最初にプレイした「DOOM」は特にお気に入りなのですが、この度最新作の「3」が発売されたので早速購入してプレイしているところです。 最新のグラフィックエンジンを駆使して作られたグラフィックの数々は息をのむ程の美しさで、その臨場感は既存のゲームを過去の物とするのに十分なクオリティです。(ただし、Pentium4-2GhzとGeForce4-Ti4600でも重いのが難点ですが)

長い年月を経て、劇的なグラフィックの向上を成し遂げたこのDOOM3ですが、気になる点が色々あります。
それは、グラフィックの向上が臨場感の向上に繋がった反面、ゲームのプレイしやすさという面で大きく後退してしまったという点です。 あまりにも書き込まれたグラフィックは確かに美しいのですが、それゆえに前作にあった「わかりやすさ」が無くなってしまいました。 例えば、前作ではスイッチやアイテム、武器などは、見た瞬間にそれと分かるデザインであり、また同時に良い意味で「マップから浮いていた」のです。 しかし、今回はそれらのスイッチやアイテムも非常に描き込まれており、またライティング処理などもマップに合わせて処理されているので、パッと見ただけでは、それが取得できるアイテムや操作できるスイッチなのか、それとも単に背景の一部で飾りとしての意味しか持たない物なのかが非常に分かりにくくなっています。
押せるスイッチかと思って触れてみたが、実は単に絵の一部だったというケースがよくあります。 また、倉庫などに小物が色々散乱しているようなシーンでは、どれが取得できてどれが取得できないアイテムなのかが分かりにくいのです。

また、これはゲームが進むにつれて複数の敵が同時に出現しはじめた時に強く感じる事なのですが、当然の事ながら敵はこちらを攻撃してきますし、場合によっては集中攻撃を受けて立て続けにダメージを受けるようなケースもあります。
プレイヤーがダメージを受けた時、画面が赤くなったり激しく揺れたりなどして、いかにも「ダメージを受けている!」的な演出が入ります。 が、しかし、画面が赤くなるわ揺れるわで、まともに画面が見えなくなり、はっきり言って邪魔な演出以外の何物でもありません。 完全に作り手の自己満足になってしまっていて、プレイの快適性を著しく低下させてしまっています。


これらのケースは、グラフィックの向上がもたらした弊害と言えるでしょう。
私が思うに、ゲームに求められる最重要要素は「分かり易さ」だと思うので、例え可能であっても、リアルさの向上を一定のレベルでとどめておかないといけないような場合もあるのではないでしょうか。


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・何を楽しむゲームなのか
私の考えるゲームのタブーをいくつか書いてきましたが、今回はゲームそのものではなく、ゲームが設置されている環境におけるタブーについて書いてみようと思います。

「設置」という事からも分かるように、今回はゲームセンターにおけるタブーの話なのですが、一昔前に絶大な人気を誇った「音ゲー」ですが、新たな客層も開拓したこのゲームの人気にあやかろうとするあまり、所かまわず音ゲーを詰め込んだゲーセンを多数見かけました。
言うまでもなく、音ゲーの最大の特徴でもあり、セールスポイントでもあるのは「音」です。 ですからその「音」が聞こえなければ意味がありません。 しかし、多くのゲームセンターにおいて、音ゲーを大量導入し、しかも至近距離に隣接設置してしまった事により、お互いのゲームから出る音が混ざり合ってまともに音が聞こえ無いという様な事態を数多く目にしました。
音ゲーなのに音がまともに聞こえない、これは最悪の状態です。 作曲した作り手からしても最悪ですが、お金を払ってプレイするユーザーにとっても最悪です。 しかも、音ゲーという物は他のゲームに比べて激しい動きのプレイが求められる場合が多く、隣接配置された事によってプレイしにくい事この上ありません。

そんな音ゲーもブームが去り、ようやく静かになったゲーセンで鳴り響く音ゲーの音は、まさに閑古鳥の鳴き声となっています。
音ゲーによって駆逐された他のゲームのユーザーも戻ってこず、ゲーセンの未来はお先真っ暗の状態。
アーケード業界の衰退がどうこう言う前に、まずは肝心なゲームセンターの環境を見直すべきでしょう。

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・番外編 こんな理由で就職するな! 2005年2月20日 更新

今回はちょっと番外編です。
この業界を志す人もたくさんいると思いますが、私が考える「こんな理由で就職するとたぶん後悔する」というものをいくつか。

・雑誌で見たあのクリエイターに憧れました!

あぶない! 危なすぎる!!
のっけから完全否定しまくって申し訳ありませんが、本気で危ないです。 やめた方がいいです。
おそらくゲーム雑誌とかで見たインタービュー記事とかを読んで心打たれたのでしょうが、私の今までの経験から言わせていただくと、それを信じると必ず痛い目に遭います。 人間、何事も知らない方が良いことがあります・・・

会ったことも見たことも無い人を「雑誌やテレビで憧れたから」という理由だけで「理想の上司」とか言っているくらい危ないです。
この業界に憧れるのならば、もっと他の理由にした方が後々傷は浅いですよ。 まあ、私の経験上、ですが。


・世界をリードする日本のゲーム産業に憧れました!
うーむ、これも危ないですね。 とはいえ、上記の危なさとは少々意味合いが異なります。
あなたは本当に今の日本のゲーム産業が世界をリードしていると思いますか? もしそう思っているならば少々情報不足です。
今の日本のゲーム業界、私の目には斜陽の時期を迎えているようにしか見えません。 倒産・合併・リストラなどが進み、健全な状態を保っている企業は数えるほどで、売り上げも悲惨な状態です。

また、世界に視野を広げてみると、とにかく海外勢力に押されています。 年間20本以上もミリオンセラーを生み出したEA(エレクトリック・アーツ)に勝てる企業が日本のどこにありますか? 海外メーカーが製作した「DOOM3(PC)」や「ロードオブザリング(PS2)」のような驚異的なクオリティのゲームを日本のメーカーが真似できますか?

ゲーム産業を大きく花開かせたのは間違いなく日本の企業です。 しかし、今は決して世界をリードなどしていないという事を認識すべきです。 早急に手を打たないと海外メーカーに置いて行かれるのは間違いないという状況です。
それを認識した上で「私が現状を打破してやる!」と思ったならば、ぜひこの業界に来てください。