No。090
2001年を振り返る(2)
2001.12.31
by Y.Tomizawa

いよいよ大晦日です。
ということで、先週からの続きで、今年の振り返りです。

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吉野家の牛丼。
http://www.horae.dti.ne.jp/~tmt/column/060.htm

このネタを書いたのは7月。
この時には、まさか牛肉業界が、その後、あ~んなことになるとは、思うはずもなく。
吉野家の「280円への値下げがアカン」という風に書いておりますが、全然違う方向に進んでしまってます。
でも、まず申し上げますと、短期的には「成功」でしたね。
話題的にも、マクドナルドとともに、「値下げの双璧」として取り上げられていましたし。

たぶん、あの値下げのミソは、「大盛の価格設定」にあったのではないかと思っています。
「並盛=400円→280円」「大盛=500円→400円」という、この微妙な価格差。
吉野家の需要の4分の1、もしかしたら3分の1くらいは「大盛」だったのでは?

あと、これは自分でも、値下げ後に吉野家で食べてみて思ったんですが、「玉子」とか、「みそ汁」とか、サイドメニューを注文することが多くなった気がします。
他のお客さんを見ても、何となくそんな感じ(あくまでも感じですが…)。
「玉子」は、何しろ物価の優等生といわれているくらいですから、仕入価格は知れているはず。
さらに、吉野家の「みそ汁」は「粉末」です。
原価は、それこそタダみたいなもんでしょう。
これらサイドメニューの価格設定は変わっていないので、これを注文させることで、利益を稼ぐ算段もあったのかな~と思いました。
注:「けんちん汁」は値下げしましたね。サイズを小さくして。これも正解だと思います。

それにしても、狂牛病の騒ぎがなかったら、一体どうなっていたんでしょうか?
マクドナルドは、一足早く「平日半額」(私に言わせりゃ「休日倍額」)を撤回するようです。
吉野家どうする? でも、個人的には頑張って欲しいです。
だって好きだから…。

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花王のWiLL。
http://www.horae.dti.ne.jp/~tmt/column/073.htm

結局発売されたのは、「ココヤシゆらす風の香り」でした。
ちょっと気になるのが、3つの候補のうち、「最初」のものだということ。
(写真見えますでしょうか?)

しかも、書いている時は気付かなかったんですけど、この3つの候補、「A、B、C」で順序づけられています。
こういうとき、調査などでは、「Aの方がよい商品と思われがち」になることを避けるため、「P、Q、R」と順序づけたりします。
このキャンペーン、インターネットでも受け付けていましたから、「安易な投票者」が安直に、商品欲しさに、とりあえず「Aに投票」していないでしょうか?
うーん、正直ちょっと不安です。
でも、ま、WiLLは相変わらず流行っていないから、結局のところ、どうでもいいって感じなんでしょうか?

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「新プロダクトライフサイクル」なんて生意気なことも書いてます。
http://www.horae.dti.ne.jp/~tmt/column/074.htm

あらゆるマーケットで、一人勝ち、二人勝ちが多くなった現状を、都合よ~く説明できると思うんですけど…。
うーん、これはまあいいや。
時期が来たら、何かあるでしょう。

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で、最後に「同時多発テロ」。
http://www.horae.dti.ne.jp/~tmt/column/075.htm

年末ということもあって、特集番組で改めて映像を見ますが、でもどこか遠い昔のことのようにも思えてきます。
それもこれも、自分が当事者とはなっていないからか?
あの被害者の中に、自分の知り合いが一人でもいたら、あれから人生は変わってしまっていただろうし、いやもしかしたら、どこかですでに変わっているのかもしれない。

少し気になるのが、この手の特番で、ビンラディンの映像の取り上げ方が、一時のオウムの教祖様に似ていること。
正直言って、見ていると、ブッシュよりも、よっぽど格好良く見えてしまう時があります。
まだ確定しているわけではありませんが、彼、大量殺人の首謀者でしょう?
テレビ局は、少し気を遣って欲しいですよね、映像表現に。
オウムの時も、事件が本格化する前は、視聴率を稼ぐために、平気で関係者を登場させたりしていた罪の重さを忘れてしまったのでしょうか?
とはいえ、アメリカも、アフガンの人を殺しているということを忘れてはいけませんね。

そして、これ、テロ直後にアメリカの友人に送ったメールにも書いたんですけど…。
結局、何人の方が亡くなったのか、確定すらできないということですよね。
あれだけひどい状況だったら、それもそうなんでしょう。
でも、日本の広島では、1945年8月6日に、一瞬にして「約14万人」が亡くなっているんですよね。
なんでしょう、この「約」というのは?
しかも、「誤差±1万人」らしいです。
なんすか、人の死に「誤差」ってのは?
さらに、90年代中頃までに、合計で25万人くらいが、後遺症などで亡くなっている。
こういう事実を伝える役目をになって欲しいです、広島の方などに。

日本も、この「広島」の前に、アジア各地で悪さをしてきたみたいですから、あまりアメリカのことも悪くいえません。
でも、どこかで誰かが止めなきゃいけない。
悪魔の連鎖を断ち切る努力を少しはして欲しいです。
「来年は戦争の年」なんていっているみたいですけど、早くその無益さに気付いて欲しいです。
そして、本当に平和になって欲しいですね。
じゃないと、やっぱりマーケティングなんて、暢気なことに思えてしまうんですよ。

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ということで、皆様、本年はこんなメルマガ、HPにおつきあいいただき、誠に有り難うございました。
来年も引き続き、おつきあいいただければ幸いに存じます。
それでは、よいお年をお迎えください。