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8月28日(日)「富士登山その2」


前回の続き・・・7合目の鎌岩館で宿泊をした。
正確に言うと夜中に登山を開始したので半日ほどの滞在だ。
横になってゆっくりしたおかげで高山病対策になったのだろう
あまり頭痛にならずに行動することができた。

夜中の3時だが周りは結構登山者がいる。
真っ暗な中ごつごつの岩肌を照らすヘッドライトの明かりが頼りだ。

幾つかの山小屋で金剛杖に焼印を押してもらい休憩しながら登山を続ける。
東の空が少しずつ明るくなってきたが夜明けにはまだ時間がある。

より高いところでご来光を見たい一心で上り続けているといつしか雲の上に出ていた。
すでにヘッドライトは要らないほど明るくなってきている。

いよいよご来光の直前に広い山小屋の地点まで到達したのでここで日の出を待つことに。

太陽が雲の地平線から出てきたときは美しい瞬間だった。
金色の光が小さく光りそれがどんどん大きくなってやがて太陽の形になっていく。
はるか上空はまだ薄暗い蒼の残った空に太陽の明かりが広がり
山は朝焼けの色に染まった。

この瞬間は見られて本当に良かった。

引き続き登山を続ける。
9合目の鳥居がはるか遠くに見える。
あと何時間であそこまで行けるのだろう。

それにしても8合目はかなり長く感じる。
7から8の岩壁を登るような感じではないだけマシなのだが
本8合目を過ぎても長い緩やかな登りが続き、
空気が薄くなって深呼吸が増えてきた身体にダメージをもたらす。


それでも9合目の鳥居を過ぎ頂上の鳥居と狛犬が見えてきたら気持ちは高ぶる。
結局夜明けから3時間以上経って頂上に到着した。
最後の瞬間は感無量というより早く楽になりたいキモチが大きかった。

朝食の前にお鉢めぐりをすることに。
富士山の本当の最高地点は剣が峰。
観測所の建物がある目の前にその石碑があった。

一周した後楽しみにしていたポテトチップをかばんから出すと気圧の差が大きすぎて
パンクしてしぼんでしまっていた。
8合目まではキンキンに張り詰めていたのに残念なカンジ。

頂上で持ってきたバーナーで湯を沸かしインスタントラーメンとコーヒーを作った。

下山開始はちょうど昼の12時。
砂利道をえんえんと下る。

登りと違う筋肉を使ってブレーキをかけながら降りるのでやはり足が痛い。
それでも下りの方が身体は楽だ。

7合目を過ぎるとかなり呼吸が楽になってきたのを感じる。
酸素が身体に行き渡っていくようだ。

5合目のスタート地点には16時前に到着した。
長い砂利道のおかげで下半身は砂で真っ白。
しかしようやく帰れるから気分は最高だ。


この富士登山で色々考えながら歩いた。
子供の荷物を持って登った瞬間もあった。
振り返ることも考えることもたくさんあった。
けれど最後まで到達して残ったのは自分で歩かないと帰ってこられないということだ。

自分の足で登って下りる。
足場を選択する。
人生も一緒。
心に刻んだ数万歩の歩み。

さあ前に進もう。

















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