106日間北海道一周!自転車&キャンプ旅行(5)


黄金道路

海沿いの険しい地形に伸びる
国道336号線「黄金道路」。
黄金道路(10/3)
 昭和7年に完成した国道336号線の広尾-庶野間は難工事で、黄金を敷き詰めた道路を造ったかのごとく費用がかかってしまったので「黄金道路」と呼ばれている。滞在中、ラジオで天気予報を聞いていると「黄金道路は悪天候のため通行できません」と何度も聞いたのは、かつての難工事を彷彿とさせ、通る前からも印象的だった。
 道路は片方には海が、もう片方には急な崖がずっと続いていて、当時の技術なら難工事でお金が掛かったのだろうと察せられる。天気は悪くはなかったが、曇り空で少し強めの風が吹いていて波は強く、道路は所々海水で濡れていてた。岸壁に当たった波が砕け散り飛沫(しぶき)となって、ベダルを踏む私に何度も降りかかってきた。


静内町、サラブレッド牧場の風景

サラブレッド牧場が広がる風景(静内町)
ナリタブライアン(10/6)
 競馬の事は全然知らないけど、競走馬の牧場が集まる新冠町のサラブレット銀座や静内町の風景は大好きだ。
 静内温泉のキャンプ場に連泊してそれらサラブレッド牧場を自転車で巡った。静内の牧場見学で間近に馬を見た後、新冠のサラブレット銀座に向った。
 新冠のCBスタッドと言う牧場にナリタブライアンという往年の名馬いるのは、キャンプ場のチャリダーから聞いて知っていた。
 CBスタッドが見えると、併設されているい売店に立ち寄り、ソフトクリームを買った。その時、売店の人が「もうすぐナリタブライアンが出てきますよ」と教えてくれた。ナリタブライアンを見るために寄ったつもりではなかったが、幸運と思い、折角だから見ようと足を向ける。柵の前で待っていると、係員に引かれてゆっくりとナリタブライアンが出てきた。厳しいレースから開放され、種馬として、また時々このように観光客の前に姿を現し、のんびりとを過しているようだ。
 だがこの数年後、彼は多くの人に惜しまれながら天国に旅立ってしまった。

余生を送るナリタブライアン

名馬ナリタブライアン。新冠の
サラブレッド牧場「CBスタッド」で
隠居中の写真。


金山峠

紅葉が始まった金山峠を越え富良野へ。
雨の日の峠越え(10/10)
 昨晩は日高町のライダーハウスに泊まった。秋の気配が徐々に色濃くなり、朝夕は寒く、ライダーハウスでは一晩中ストーブを焚いていた。今日の目的地の富良野では、数日前に初雪があったという。秋どころではなく、冬ももうすぐそこに迫ってきている。
 今日は峠を二つ越えなければいけない。まず最初は標高500mの日高峠だ。知床峠みたいに海抜0mから上がった訳ではないが、秋の気候を忘れる程、体が熱くなりながら越えた。
 占冠で休憩している時に、徐々に雲行きが怪しくなり天気が崩れるのではと、不安に思いながらも2つ目の峠の金山峠を目指した。こちらは標高490mで、緩々とした坂を黙々と登り続ける。沿道から見える山々の木々は、黄土色やオレンジなど秋の色が奇麗に色付き始め、見とれながら走った。
 空からポツリポツリと雨が降ってきて、レインコートを身にまとい、荷物にはレインカバーを掛ける。金山峠を下り、南富良野町を走っている時、益々雨足が強くなった。雨はレインコートを叩き、覆うものが無い顔にさえも無情に雨が入り込み、身をすくめるように走り続けた。まるで苦行か荒行をしている心境だった。


黒板五郎石造りの家

「北の国から」黒板五郎の石の家。

麓郷の森(10/12)
 富良野はTVドラマ「北の国から」のロケ地として有名で、主人公黒板五郎の初代の家が展示されている麓郷の森は富良野有数の観光地で連日賑わっている。
 麓郷の森を2km程奥に行った所に、黒板五郎が手造りした石の家がある。麓郷からそれほど離れていないのに、皆時間がないのか、なぜかここまで来る人は少なく静かで落ち着いている。売店の店員も手持ち無沙汰だ。
 訪問時もセットとして使われていたので、ロープの仕切りがあり、離れた所からしか見られなかったが、五郎手造りの風力発電の風車や水道なども見え、まさに「北の国から」の風景が広がっていた。純平や蛍が出てきそうな雰囲気で、遠くから彼らの生活の息吹を感じた。


美瑛の風景(10/14)
 私は美瑛が大好きだ。初めて訪れたのは1989年の夏で、それ以来、パッチワークのような畑、複雑な地形で波のようにうねる地にある畑、背後にそびえる十勝など、美瑛の美しい田園風景に魅せられ何度も訪れている。今回の旅でも、2日間、ライダーハウスを拠点にし、身軽になった愛車で美瑛の丘をあてもなく巡った。私が思うに美瑛は、人間が切り開き耕した畑を彩る作物などの人工物が、木々、複雑な地形、取り囲む山などの自然と融合した美のような物だと感じている。
 だけど、この何年かで美瑛の人気は急上昇し、訪れる度にお土産屋、ペンションなど観光客を意識した建物が増えている。初めて訪れた1989年、観光客を意識した建物はまだ非常に少なかったと記憶していて、そういう施設が増えすぎ違和感を覚える。仕方のない事なのかも知れないけど、美瑛の素朴な美しさはいつまでも無くならないで欲しい。
波打つ美瑛の丘 美瑛の風景

美瑛の丘の“ほんの”1場面。春夏秋冬、天気、時間帯により無数の瞬間に出逢える。

TOP旅の写真館

106日間北海道一周!自転車&キャンプ旅行
[1]
-[2]-[3]-[4]-[5]⇒[6]-[雑記帳]

my旅BOX-鉄道旅行と旅 Copyright(C) 2003 solano, All rights reserved.