北海道フリーきっぷ,グリーン車鉄道旅行-4〜北海道鉄道旅行記〜


■三日目(2),(7/3)

夜行特急まりも(釧路-札幌)

釧路-札幌間の夜行特急まりも。かつての
同区間の急行時代の名称が2001,7月1日
から復活した。



特急まりものB寝台

特急まりものB寝台は4号車の一部
が女性専用席となっている。
鉄道旅行中の欧米人親子
 北浜駅から16時36分発の釧路行き4739D列車に乗って釧路に向う。釧網本線は沿線に観光資源が多く夏になると学生などの観光客で立客が出るほどの賑わいだが、この時期はまだ落ち着いている。夕方で地元の学生などの帰宅時間で席は埋まっていて、何とか車端のロングシート部に席を確保する。

 車両中ほどに欧米系の父親と男の子3人という親子連れがいる。休暇を利用して親子で旅行を楽しんでいるのだろう。動物が線路を横切ったのか、突然列車がピーッ!と警笛を鳴らして停車しそうになった。するとその警笛の音に合図に、欧米人親子揃って先頭に雪崩れ込むようにダッシュする。沿線に動物が出るのを知っているのだろう。また警笛が鳴ると、ダッシュする。その姿が妙に息が合っているので笑え、親までも童心に帰っている様が面白かった。普段なら迷惑とも感じる親子の行動がこの時は何故か微笑ましいく思えた。

特急まりも
 20時に釧路駅に着いた。寒さに慣れたのか、気温が上がったのか寒いとは感じなくなった。特急まりもの時間まで、まだ時間があるのでセイコーマートで弁当を買ってくるなどして時間を潰す。それでも時間を持て余すとつい釧路駅構内にあるミスタードーナツに入ってしまう。このミスタードーナツはまりもの出発時間に合わせるように23時まで営業していて、急行まりもやおおぞら14号を待つ時によくお世話になった。

 出発の約20分前に特急まりもは入線してきた。ヘッドマークは2日前に乗った「北斗星まりも」と同じデザインだった。釧路-札幌間では唯一の183系気動車利用の特急で、間にB寝台客車2両を挟んだ5両編成だ。私の席は4号車B寝台にある女性席で、1区画に女性席というピンクのシールが貼ってある場所がそうだ。

 自分のベットに落ち着くと早速車掌が検札にやって来た。早朝の追分で下車するので念のため起こしてくれるように頼んでおいた。寝過ごしたら楓駅を列車で訪問し損ねてしまう。

 4時51分追分着と朝早いので、出発前早々にカーテンを閉め、眠りに入った。

■4日目(7/4)
特急まりも)4:51追分5:47(2621D)6:18新夕張6:45(2691D)6:54楓…
夕張線登川支線跡…新夕張13:00(特急スーパーとかち6)13:30南千歳13:45
特急北斗14)14:00苫小牧14:32(462M)15:34東室蘭15:40(4468D)15:44輪西
15:53(480D)17:35旭浜17:39(491D)17:52小幌19:07(482D)19:24長万部
20:26(特急北斗20)21:45函館 

早朝の追分駅
 寝過ごす事無く4:00に起きられ、4:51分追分駅に到着した。降り立ったのは私1人だ。有人駅だが、この時間は無人時間帯で、待合室は開放されているものの、窓口のシャッターは下ろされている。だが室蘭本線、石勝線が交わる地点で、運行の業務があり、窓口の向こうの広い事務所から人の気配がする。

 7月で太陽が昇るのは早く外はもう明るい。ぶらぶらと外に出て橋を渡り駅前を歩いても、街は人の気配が無く静まり帰っている姿があるだけだ。駅前で面白いものを見つけた。駅前の橋の欄干の端がSLを模していて、動輪まである。SLに散りばめられたような黒い石は石炭をイメージしているのだろう。

SLを模した物の横には簡単な説明書きがあり、追分の歴史について「明治25年鉄道で拓け」と書かれている。かつて追分は空知と夕張で採れた石炭を運ぶ貨物列車が合流する所で「鉄道の町」として栄えた。今でも現在の列車本数に比し、広い構内から当時の賑わいが察せられる。そして、追分駅構内の入替仕業で、国鉄で最後までSLが活躍していた町でもある。そのような町の成り立ちを記念する追分町鉄道記念館にはD51蒸気機関車が保存されている。
 
SLと石炭を模した追分橋欄干の端部分(追分駅)

追分駅前の追分橋の欄干の端が、SLをと石炭
を模したものだった。動輪は黒影石、石炭も
何かの鉱石で出来ている。
 夕張行きの普通列車は3両で入線していた。だが後ろの2両は新夕張で切り離され楓、千歳行きの普通列車になるための回送扱いで、先頭の1両にしか乗れない。結局、乗客は私1人で、他に楓、千歳行きの運転手を乗せ新夕張に向け出発した。

 2つ目の川端駅で10代後半〜20代前半の男性2人組が乗ってきた。学校か何かと思ったのだが、何とママチャリをそのまま乗せて乗ってくる!駅寝でもした旅人か地元の人かは知らないが、あまりに非常識で驚く。後ろに座っている楓行きの運転手さんもその様子を見て「自転車持ってきた」低い声で驚きの言葉を発していた。だが、非常に空いてる時間帯ということか、運転手さんは黙認していた。その後は誰も乗って来ないで新夕張に到着した。(この続きはこちらでどうぞ!楓駅訪問記夕張線登川支線廃線跡

秘境駅・小幌駅を目指して
〜室蘭本線普通列車でのんびりと〜

 楓駅と夕張線登川支線跡を見て、新夕張からスーパーとかち6号で南千歳まで行き、その次に北斗14号に乗り苫小牧に着いた。ここから日本一の秘境駅の小幌に向う。

 今回のプラン作成の中でいちばん悩んだのが鉄道以外ではほぼ訪問不可能な秘境駅、小幌への訪問プランだった。小幌駅は普通列車でも通過する列車が多く、一日で下りが3本、上りが5本という少ない上に、上下の本数がアンバランスだからだ。それで検討を重ね、上記の行程のように、東室蘭発の小幌駅を通過する列車に乗り、小幌を一つ行き過ぎた旭浜駅で下車。旭浜駅から室蘭方面行きの下り列車で折り返し、小幌駅に到達。そして、上りで小幌駅を去るという行ったり来たりの複雑なプランを編み出した。特急で行くと、早く着き過ぎ結果は同じなので、ちょうどいい時間に着ける普通列車で行く事にした。また、室蘭本線といえば、特急北斗や寝台特急に乗車して通るばかりで、思えば普通列車で通った事はほどんど無かった。普段は急ぐように通る路線を、普通列車でのんびりと行くのもまた良いだろう。

 苫小牧駅ホームで室蘭行きの普通列車を待つ。夕張で楓駅や登川支線を見ている時は晴れていて寒く、歩き続けた身にはむしろ暑い位だった。しかし、山を越えて海沿いの町の苫小牧に着いた途端、空気の冷たさを感じた。霧がほのかに出て、空気は白く霞む。距離はそれ程離れていないが、山側と海側でこうも気温が違うものなのだ。

 711系電車に乗り1時間で東室蘭に着き、列車を乗換え室蘭寄りの輪西駅まで行く。東室蘭方面行きホームで待つと15:53分に長万部行きの2両の気動車がやって来た。

 黄金駅辺りから内浦湾(噴火湾)が車窓に開け、海を眺めながらのんびりと走る。天気が良ければ対岸には渡島支庁の町や駒ヶ岳などが見られるのだろうが、雲に隠されて見えない。

 下校時間で途中の駅で学生が入れ替わり乗降していたのだが、それでもどんどん乗客は減って車内は閑散としている。豊浦でスーパー北斗の通過を待つ間に、後ろの車両を切り離し1両になっても、乗客は数人と寂しい車内だ。どんどん秘境駅に行くムードが高まっていく。

 大岸を過ぎると、険しい山の斜面のような海側の地形を避けるように、右に90度内陸に向けてカーブする。この辺りは海沿いだが、地形は複雑で、413mの幌扶欺山が海に沿うようにそびえる。車窓は一気に山の中の景色となり、すぐに険しい地形をショートカットするトンネルに入った。そう言えば、4年前の自転車旅行で、この近くを通る国道37号線を通った時はアップダウンが続く道路に、息を切らしながら走ったものだった。

 このトンネルを抜けると小幌駅があるはずで、トンネルを抜けるタイミングを逃さないように車窓を注視した。トンネルを抜けた瞬間の景色を捉え小幌駅があったと思ったら、またすぐにトンネルに入ってしまった。

 定刻に旭浜駅に到着し、反対のホームに移り東室蘭行きの列車を待つ。駅は交通量が多い国道37号線沿いながら、近くの建物は廃ドライブインの民家があるだけで、他は駅から遠巻きに民家が立っているのが見えるだけで、利用者がいるのかと思ってしまう。小幌駅のインパクトに隠れて目立たないが、ここもなかなか存在が不思議な駅だ。

 数分待ち、下りの東室蘭行きの普通列車が旭浜駅に入ってきた。キハ40の2両編成だが、空席ばかりが目立つ寂しい車内だ。先程通ったばかりのトンネルに潜り、いよいよ小幌駅に到達する時が近づいてきた。
普通列車(711系)

普通列車を乗り継ぎ小幌駅を目指す。
まず苫小牧から711系の普通列車で
東室蘭へ。
北舟岡駅。内浦湾の眺めがいい

内浦湾(噴火湾)の眺めがいい北舟岡駅
に停車。目の前には海が広がり眺めがいい。
かなり海に近い駅で海に近い駅20以内
には入っていそう。
豊浦でスーパー北斗の通過待ち

豊浦駅で「スーパー北斗」を先に通すため
約10分停車。ホームに下りてちょとした
気分転換が出来るひと時。ここからはさらに
乗客が減る。
旭浜駅

小幌駅を通り過ぎ一つ隣の旭浜駅へ。
駅前の人家は元ドライブインの民家
だけで、ここもなかなかの秘境駅。

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