No。119
暑い夏の日に想う
2002.7.22
1.CMもほどほどに
2週も続けて、別人のような文章を書いてしまったので、何か息苦しくって。(^-^;)
そういや、この2週は、「テキトー」とか「イマイチ」みたいな、えーかげんなカタカナも使わなかったし。
(^-^;)とか(T-T)とか(-_-;)みたいな「顔文字」も一切なかったはず。
ふふふ、でもああいう文章が、私の本当の表向きの姿なのです。
皆様、誤解なさらないように…。
ということで、全英オープンで、丸山茂樹が快進撃を続けてます。
これを書いている時点はまだ、最終日のハーフが終わった時点ですが、いちおうトップタイ。
いよいよ、夢にまで見た「日本人男子初のメジャー制覇」が、そこまで見えてきました。
で、それはちょっと横に置いといて、「日記」の方での宣言通り、「スカパー」の「ゴルフネットワーク」の生中継を見ているんです。
もちろん、丸山の方が「佳境」に入ってくると、テレ朝とチャンネルをガシガシ変えながらではあるんですけど。
(やっぱ、青木さんの解説は捨てがたいし〜)
中継については、ホント、ハデさは全くないものの、ゴルフを淡々と見たい人には持ってこいです。
ただ、唯一許せないのが「CM」。
地上波と同じように、15分おきくらいにCMが入るんですけど、これがまあ判で押したように「日本経済新聞」と「JDLの会計ソフト」のCMだけ。
JDLの方は、女優の木村佳乃を起用したもの。
こちらは初めて見ました。
木村佳乃は、別に好きでも嫌いでもないという感じなので、まあいいかと。
問題は、日経の方。
モデルの「小雪」を起用したものなんですけど、これたしか、テレ東系の「ワールドビジネスサテライト」でも、よく見かけるバージョン。
シロウトさんが、「今自分が関心があること」を一言で言っていくCMです(例えば、「税制改革」みたいに)。
その中に、一人「小雪」も混ざっていると。
これが2パターンあって、CMに入るごとに、必ず2パターン流れる。
これだけだと、「なんだよ、それくらい」とお思いでしょう。
でも、このゴルフ中継は、(これまた日記にも書いたんですけど)「夕方5時から深夜3時まで延々と生中継している」んですよ。
で、私も、初日の木曜日こそ、午後9時くらいから見たんですけど、金曜日は、子供の用事もあって、早く帰ってきて、ヒマだったので、6時くらいから断続的に見てしまいました。
人間、同じCMを3時間以上も続けて見させられると、やっぱりね、いいかげん「飽きます」よ。
このCMが苦痛になって、テレ朝の方を見たりしました。(-_-;)
これが、スカパーでしか見られないCMというなら別なんでしょうけど、ほぼ毎日WBSで見ているCMなんだもんな〜。
さらに問題なのは、人間が同じCMを何時間見続けられるかということではなくて、これが「日経のCM」ということ。
上の写真にあるように、これは「皆さん日経を読みましょうね」というCMです。
フリーダイヤルまで出したりして。
CMを見て、日経を読もうと思い立って、フリーダイヤルに電話して申し込みをする人が、どれだけいるのかという問題もあるんですけどね。
そもそも、スカパーやCATVでゴルフネットワークを見るような人って、たぶん「日経は読んでいる」でしょう。
(もちろん、私も定期購読をしております。)
仮に、自宅でとっていなくても、駅売りを買っている人が多いのではないでしょうか?
ゴルフの4大メジャーをテレビで見るような人は、30代後半から40代、50代の「男性」でしょう。
で、そんな年頃の「ゴルフ好き」の男性は、自営業かサラリーマンのはず。
しかも、それを「ゴルフネットワーク」というゴルフ専門チャンネルで見るような人は…、やっぱサラリーマンなんじゃないでしょうか。
要するに、すでに「大半が日経を読んでいると思われる層」に、こんなに大量にCMを見せて、どんな意味があるのかということです。
別に、民放のゴールデン、プライムの時間帯で流した方がいいのでは、ということではありませんが、まあねえ。
「ユーザーを囲い込むことが目的のCM」だったら、まだ許せるんだけど、CMのクオリティもイマイチだしねぇ。
スカパーは、CM料が地上波に比べて破格に安いはず。
だから、コスト的にはどうでもいいんだろうけど、視聴者に苦痛を与えるようなオンエアは避けた方が賢明だと思うんですけどね。
2.富士山と電線
で、実は土曜日に、ふと思い立って、山梨県富士吉田まで墓参りをしてきました。
こちらも日記に書いたように、川崎ICから乗って、次のICまで、なんと50分くらいかかりました。
もともと道路にアップダウンが多く、渋滞しやすい構造なところへ、新しく横浜青葉ICなんてものを作ったものだから、さらに悪化した感じ。
北海道や九州の高速道路はいいから、こういうところを改善して欲しいっす道路族サン。(-_-;)
御殿場側は、風が強くて、富士山も見えなかったんですけど、山梨県側にまわると、あらびっくりというくらいに富士山が綺麗に見えました。
で、せっかくなので、「何枚か写真を撮ったろうかな〜」と思って、撮った写真がコレ。
カミさんに車を運転してもらっている助手席から撮影したんですよ。
これ、どう思いますか?
たしかに青空をバックに、壮大な富士山が写っている。
でも、なんすか、この「電線」は。
こういうところの電線は、地中に埋めて欲しかったです。
たしか、電柱よりも、地中に埋める方が、コストが何倍もかかるし、管理も大変ということは分かります。
でも、日本を代表する「山」を観光資源とする町くらい、道路を整備したついでに、電線も埋めちゃうことはできなかったのでしょうか?
左から3枚目の写真を見ると、道路は結構新しいでしょう。
車道も歩道も、広く取ってあるし。
絶対にできたと思うんですよ。
金丸サンも、橋なんかを作るより、こういうところをよくしてあげたら、もっと「いい人」で人生を終われただろうに。
それにつけても、「電柱」というものは、今後どうするのでしょうか。
実は、私の事務所の近所も、住宅街で道路が狭いんですけど、電柱サンは、しっかりと道を占拠している。
せっかくレンガみたいなのを道路に敷いて、綺麗にしているのに、意外とクルマも通るので、余計に邪魔に感じるんですよね。
もしあの電柱がなければ、このパソコンも何も使えないということは、どこか忘却の彼方に消えているですが。
おりしも、NTTに対抗して、IIJとパワードコム、それに東京電力とクロスウェイブコミュニケーションズが、事業統合するという報道がなされたばかり。
NTTもそうなんですけど、東京電力というのも、「半官半民」みたいなもんですよね、事実上。
企業の成り立ちは、深くは知りませんけど、「ライフライン」のひとつであることは間違いない。
東電も、IT時代に乗り遅れまいと、いやむしろ「先頭に立とう」という意気込みで、経営戦略を立てているようです。
http://www.tepco.co.jp/index-j.html
(東京電力経営ビジョン参照)
ご多分に漏れず「環境」ということも、キーワードの一つになっているみたい。
でも、東電に必要な環境は、今はやりの「エコ」という感じではなくて、「景観」ということもあるのではないでしょうか。
うちの事務所のまわりは、別にいいんですけど、せめて、観光地くらいは何とかして欲しいな〜。
全英オープンのテレビで、スコットランドの街並みがたまに映るのを見た時だからこそ、そんなことを思ってしまいました。
そういや、イギリスの「電線」はどうなっているんだろう…。
3.押しつけマーケティング
で、また話は全英オープンに戻ります。
丸山は、結局5位タイ。
ハーフが終わって、単独首位に立ったものの、後半早々3ボギーで脱落。
結果的には、1打差だっただけに、悔しいところでしょう。
でも、丸山もまだ32歳。
人間的にも、すっかり成長した彼なら、あと3年以内くらいには、メジャーで優勝してしまいそうな感じ。
その時を楽しみに待ちたいです。
で、その一方で、こちらは、最終日(日曜日)のテレビ朝日の画面です。
スタート早々なんですけど、画面左上に「丸山茂樹 メジャー初制覇へ!」とあります。
私は、この画面を見た瞬間、嫌悪感を覚えました。
だって、まだスタートしたばかり。
どうなるかも全然分からない状況で、どうしてこんなことが言えるわけ?(-_-;)
アナウンサーもゴルフキャスターの戸張さんも、「ゴルフは何が起こるか分からない」とオンエア中に再三言っている。
でも、丸山のことは、スタート早々テロップで、「メジャー初制覇へ」となる。
どうしてこんなことするんでしょう?
丸山選手本人は、何日目かのインタビューでも、「心を揺らさないようにプレイしたい」なんて、憎いことを言っていた。
格闘技のヒクソン・グレイシーや、伝説の雀鬼桜井章一の領域に近づいてきているのではないかと、その時思いました。
(伝説の雀鬼に関しては、本屋さんでどんな本が出版されているか、是非一度ご覧ください。たかが麻雀師が、陽明学と同列で語られている世界を)
でも、その活躍を正しく伝えるべきマスコミが、すっかり調子に乗って、興奮してしまっている。
「心が揺れまくっている」んですよ。
日本のマスコミ、特にスポーツマスコミは、「ひいきのひき倒し」がひどすぎるんですよね。
もちろん、ゴルフのメジャー大会に出ている選手は、オリンピックやW杯同様、日本を代表して戦っているわけだから、アナウンサーや解説者が、多少「依怙贔屓」に応援するのは、やむを得ないと思います。
これ、マスコミ各社が宣伝媒体となるチームを抱えてからの問題なのではないでしょうか。
要するに、「読売」に端を発する問題。
実際に、「身勝手なテロップ」は、かの読売系列のテレビ局をはじめとして、プロ野球中継でよく見られます。
特に、最近は、ジャイアンツ戦でも、視聴率の低下が激しいから、まだ、試合が始まったばかりなのに、「何かが起きる」と視聴者に思わせたいがためによく入る。
で、何とか、視聴者をつなぎ止めようとしている。
実際には、全然視聴率は上がらないのに。
そういえば、この前のW杯でも、「日本ベスト16へ!」みたいなテロップが、試合前から入っていたような気がする。
あのチュニジア戦の中継も、テレビ朝日だったか。
あくまでも、「気がする」だけなので、根拠はありませんけど。
発想の基準が、「稚拙」なんですよ。
「あんたたちは、何も分かってないから、何から何まで用意してあげないと、盛り上がれないでしょう?」という感じ。
だから、「はい皆さん分かりますか〜、今、こういう場面だから、皆さん盛り上がりましょうね〜」と押しつける。
自分たちのやっていることに、確信が持てないからなのでしょう。
あれもこれも、サービスの「てんこもり」にしないと気が済まないのかもしれない。
私自身、「押しつけられるマーケティング」が、大嫌いだからなのかも知れません。
例えば、「よし、こういう服を買おう」と思って、店に入っても、「どんな服をお探しですか〜」と店員についてこられると、もうイヤになっちゃうタイプ。
「オレの判断に余計な口出しするな」というタイプかも。(^-^;)
私みたいなのは、ちょっと極端としても、サービスをする人間として、「言ってはいけない一言」って、絶対にありますよね。
お客様が、明らかに「迷惑」と感じるようなことは、もちろん当然論外としても、その微妙な「一言ライン」を手探りで見つけていくことが、プロのサービスなのではないでしょうか。
「何かお探しですか?」と近づいて、お客様の反応を見て、さらに突っ込んでいくのか、それとも、「ご用がありましたら、お声をおかけください」と、すっと引くか。
この辺の、お客様の「顔色」が、手に取るように分からないと、本当のサービスをしているとはいえないのでしょう。
嫌がっているお客様に、「お客様なら、こちらがお似合いだと思いますよ」なんて、間違っても言ってはいけない。
「引くマーケティング」とでもいうのでしょうか。
いや、完全に引いているわけでもないから、「寸止めのマーケティング」とでも言いましょうか。
「もう少し知りたいな〜」と思わせる微妙なところで、止める。
実はできそうで、できないことだと思いますけど、日本のテレビ各局には、是非肝に銘じていただきたいことですね。
で、何つっても、その「てんこもりマーケティング」の最たるものがコレ。
別に、「映画監督北野武の見た全英オープン」なんて、誰も知りたいとも思わないんですけどね。
結局、北野武は、最終日だけひょこっと行って、青木さんと一緒にくっついてラウンド解説したけど、ボソボソ喋るだけで、しかも、ネタもノリ切れなくて、全然ダメだった。
過去には、長嶋茂雄、谷村新司などが、同じようなことやって、評判が良かったのかどうか分からないけど、私は、その都度苦々しい思いで見ていました。
ひょっとして、丸山が優勝してしまっていたら、この悪例がまた続いていたかも知れません。
正直な気持ちとしては、「お前らが、あんなテロップ入れるから、優勝できなかったんだ」といいたいところなんですけど。
丸山も、結局優勝できなかったんだから、これを機会にこういうことは、いいかげん止めて欲しいです。
はたしてどうかな…。
もう少し、「大人のスポーツ中継」を見たいと願っているのは、私だけなのでしょうか。
テレビ局の、スポーツ部門のマーケティングは、一体どうなっているのかと思う、暑い夏の日です。