特急街道・北陸路を翔ける 富山地方鉄道のレールが見えはじめ、付きつ離れつ併走するように走る。地鉄線が左にカーブし遠ざかり、しばらくすると、15時33分に富山駅に到着した。白いボディに緑とオレンジの細い線が入った高山本線のJR東海所有の気動車を見た時は、懐かしい気分がし、「遂にここまで来たか」とちょっとした感慨も覚える。 富山からは特急の往来が多い特急街道を走り、特急白鳥も北陸−関西圏を結ぶ特急体系の一部を担う。富山から多くの乗客が乗り込んでくるものと思い込んでいたが、今までより少し多い程度で拍子抜けだ。22分前に大阪行き「サンダーバード」が出ているせいかもしれない。鉄道ファンでなければ尚更停車駅が少なく速くて、きれいな最新型の方がいいのだろう。 富山駅を15時34分に出た。トイレに行くついでに車内を一巡してみた。指定席は各車大体10人ちょっとで思ったより少ない。グリーン車は意外と乗っていて10人以上いた。グリーン車はアコモデーションは改善されているが、横4列で最新の横3列のグリーン車と比べると窮屈に見える。自由席は半分よりやや多いくらの乗客がいた。グリーン車の乗客の中に、心当たりのある顔があった。「ああ、青森のホテルで、私の後にチェックアウトしていた人だ」とすぐに思い出した。 この沿線には、北陸新幹線の工事が着々と進められている様子が見え、真新しいコンクリートの高架があちらこちらで立ち始めている。「北陸新幹線早期開業」の看板もよく目にする。 16時11分に金沢駅の1番線に到着した。左側には北陸新幹線用の高架ホームの工事が進められている。私の後ろに座った秋田から道中を共にした女性がここで降りた。長い間お疲れ様と心の中で彼女につぶやく。きっと彼女は秋田と小松の航空便があれば、日中掛けて移動する特急白鳥なんて利用する事はなかっただろう。 金沢でも大量に乗ってくるという事は無く、各乗車口に数人が並んでいるだけだった。金沢から先は先行のサンダーバードが福井、京都、新大阪と途中数駅にしか停車しないのに対し、白鳥は11駅も停車する。 少し早いけど、夕食用に車内販売で今日3食目の駅弁の「かにすし」を買っておいた。加賀温泉駅の駅弁で、ちょうど今は越前がにのシーズンで、10月から5月までの期間限定販売だ。3食とも白鳥の沿線の駅弁を食べながら南下するのもいい思い出になる。 各駅で降りる乗客は少なく、一駅での大量乗車は無かったが、温泉帰りの観光客やスーツ姿のビジネス客などをこまめに乗せ、敦賀で指定席は半分以上が埋った。ビジネス客、観光客などが帰るのにちょうどよさそうな時間帯で、サンダーバードとの住み分けが出来ているようだ。外は再び暗くなり、街のネオンや、家の明かりが灯り始めていた。 |
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![]() 19時6分、遂に終点の大阪駅に到着。 |
ラストスパート |
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JR西日本の「さよなら特急白鳥号」オレンジカード」 オレンジカード(上2枚)は特急白鳥で使われた車両の図柄。デビュー当時 は80系気動車で運行されていた。台紙は広げると特急白鳥の略歴と 現在の停車駅と時刻が書いてあった。カード2枚と台紙のセットでの販売。 大変な人気で、敦賀駅最後の1枚だった。(それぞれ縮尺を変更。) |
私が特急白鳥号の車内で食べたり飲んだりした物 文中でも書いたように、私の長い汽車旅の楽しみの1つといえば「飲食」です。食堂車があればより楽しいのでしょうけど。最近の日本での鉄道旅行では車内販売から買うか、あらかじめ買ってから乗車するか、停車中に買うかしかないです。 上りの白鳥は朝から晩まで13時間近くも走るので車内で食べた物の両も多くなってしまいます。私の意志が弱く、つい食べ物に手が伸びてしまうという側面もあるでしょうけど…(笑) ここに飲み食いしたものを上げておきます。これからでも白鳥が長時間走る昼行特急だという事を感じ取っていただける事と思います。 朝食:駅弁「青森味づくし」、 昼食:駅弁「鮭はらこ弁当」 夕食:駅弁「かにすし」 飲み物:500mlミネラルウォーター、、190ml缶コーヒー、350mlのお茶×2、車内販売のホットコーヒー、250mlコカコーラ お菓子類:水あめ入り南部せんべい1枚、ポテトチップス中、アイスクリーム |
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