No。107

都営地下鉄と伊藤園とモー娘。
2002.4.29
by Y.Tomizawa

1.都営地下鉄の営業

今年は、桜も、バタバタと咲いてしまった感じで。
春が、慌ただしく訪れたという気がします。

で、この前、都営地下鉄の駅で、ぼんやりポスターを見ていたら、久々に衝撃的なモノを発見してしまいました。

まあよくありがちなポスターです。
地下鉄の駅構内によく見られる。
でも、この企画にご注目ください。

「都営大江戸線&マクドナルド」
「都営地下鉄の定期券でしあわせ一杯キャンペーン」
だそうです。

正直言って、「都営地下鉄」が「マクドナルド」と手を組んで企画をやるということ自体が、少し理解できませんでした。
これが、どこかの私鉄だったら、まああり得る話。
関西の私鉄なんて、関東のとろい私鉄よりも、めざとそうだから、こんなものやっていても、全然おかしくない感じがします。

でも、「都営地下鉄」ですよ。
大江戸線みたいな、採算の合わないものを作り上げてしまう人たちが、こんな企画を立てられるような、柔軟なアタマを持っていたなんて…。
感激しました、少しだけ(^-^;)。

さらによく見ると、こんな文字も発見。

「電車部営業課」というセクションがあるんですね〜。
何か、画期的な感じがしませんか?
だって、「電車部で営業する課」でっせ。

鉄道関係の会社って、アタマが堅そうな感じがしますよね。
「電車一筋」みたいな感じで。
「お客様を安全に運ぶことこそが、自分たちの使命」とか言っていそうな感じ。
それが、「営業」しちゃうんですから。

よくよく調べてみると、正式名称は、「東京都交通局電車部営業課」。
「都営地下鉄の広報」が主な仕事のようです。
「広報」というか、営業的なPR活動ですな。
ネットで調べて分かったこの他の企画には…
1)ワンデーパスの発売
2)大江戸・小江戸キャンペーン(西武との共同企画)
3)都営地下鉄のプラレール発売
どうです、この企画。(^-^;)
まあ、ワンデーパスは、最近では結構当たり前だけど、単なる「江戸つながり」での西武鉄道との共同企画(埼玉県川越が小江戸と呼ばれるため)も苦労が見られるし、「プラレール」ねぇ。
そういや、都営地下鉄の「チョロQ」もあった気がする。
あと、「ケータイストラップ」も。
結構やってますな。

それだけじゃなくって、教頭試験に合格した先生達を、研修として受け入れていたりするみたいなこともやっているみたい。
http://www.mainichi.co.jp/edu/mori/topik/200006/0617-03.html
教頭先生になる人たちも、「交通局」で研修しても、どこまで実効が上がるのか、ちょっと疑問だけど、まあ、その意気や良しとしておきましょう。

ちょっと確認はできませんでしたが、この部署って、もしかして石原慎太郎に言われてできたのかな?
いや、その前からあったとしても、「赤字を回収するために、もっとガツガツ営業しろ」とか言われたのではないでしょうか?
その一つが、かの有名な「都バスの車体広告」かも…。
すみません、推測ですが。
でも、同じ「交通局」だから、そうでしょうね。
たぶん「バス部営業課」もあるのでしょう。

でもね、元に戻って、マックの企画をよくご覧ください。
ここまで大々的にやって、「ドリンク通常180円が100円にしかならない」んですよ。
こんだけのベネフィットで、消費者が動くかねぇ〜。
私だったら、恥ずかしくて、定期券をマックで出せません。
「あの…、都営地下鉄の定期券持ってるんですけど…、ドリンクの割引の…」みたいな。
店員に、「は?」とか言われたら、もうチョー恥ずかしいじゃないすか。
その店には、二度と行けないって感じ。

うん、ここまで頑張っているのなら、せめて「ドリンク無料」にしてもよかったのでは。
おそらく、こういう企画だと、タイアップする分、保証料みたいなものをマックに払うのでしょうか。
そこからはじき出した金額が、100円?
それとも、後付の金額として、80円引きというだけ?

どっちにしても中途半端感は否めません。
ここまで企画を考えたんだから、もう一ひねり頑張れ、「電車部営業課」!



2.伊藤園の選択(伊東家の食卓じゃなくって…)

先日、泥酔して、それでも何とか終電で家に帰ろうと努力して、ノドがカラカラに渇いていたので、セブンイレブンで何か買っていこうと思って、リーチインクーラーの前に立ってみたら…。
本当は、ミネラルウォーターを買おうと思ったいたんですけど、ふとある商品が目に飛び込んできました。

別に、飲みかけのお茶を見せようということではなくて、何か気付きませんか?
私が、セブンで、これを思わず買ってしまった理由が分かりますか?
そう、これ「ボトルが透明」ですよね。

何ヶ月か前に、テレビと新聞で、「PETボトルの出荷が増えてきていて、色の付いたPETだとリサイクル上問題があるので、業界が自主規制した」というニュースが流れました。
このニュースについて、とある飲料業界の方と、「あれって、伊藤園イジメですよね」と話をしました。

ご存知の方も多いと思うのですが、飲料の中で、「お茶」、それも「緑茶」の領域では伊藤園の牙城は、誠に堅牢なものです。
キリンが「生茶」をヒットさせて、一気に第2位に食い込んできたけど、伊藤園はシェアは食われたものの、売上は拡大させたりで、伊藤園の競合にしてみると、まったくもってイヤらしい存在。

で、これまたご存知の通り、「生茶」のヒットに便乗して、各社もあれこれ緑茶の新製品を出してきた。
ここで、生茶をはじめとして、追随した各社もPETも出してきましたが、「透明ボトル」が多かった。
透明ボトルに、ラベルが貼ってあるタイプ。

ここでのポイントは、中味の「お茶の色」をどうするか。
「お茶の伊藤園」としては、お茶の色、「緑」にこだわっていたのでしょうか?
だからPETボトルの色も緑。
あの「緑色」の出し方も、物凄いこだわりがあるという話を、どこかで聞いたことがあります。

ところが、キリンが生茶で、中味の色、「黄色っぽさ」を出してきた。
PETが出る前もそうでしたが、缶入り緑茶を、コップなどに空けると、「あれ、こんな色かよ!」と思ったことありませんか?
何か、「所詮、市販飲料だな」という感じの色。

緑茶は、「緑」茶というくらいですから、本来は、緑に近い色が正しい。
正確には、「黄緑」くらいなのでしょうか。
ところが、大量生産する清涼飲料となると、この「本来の黄緑色」が出しにくいのでしょう。
だから、各社は、せめてラベルを緑にして、取り繕っている。
伊藤園も、だからPETボトルの緑色にこだわったのでしょうね。

ところが、キリンのヒットに乗じて、業界の緑茶PETは、透明ボトルが主流になってしまった。
伊藤園にしてみれば、「何だ、透明でもいいのか」という感じでしょうか。
そこへ持ってきて、折からのリサイクルブーム(?)も手伝って、「色付きPET」には問題が多いことが分かった。
目の上のタンコブだった伊藤園を、さらに追撃するために、競合各社は手を組んだのではないでしょうか(これまた勝手な思い込みですが(^-^;))。
「色付きPETをやめます」と。

伊藤園は、かなり困ったはずです。
透明ボトルに、急に変更するにも、緑色PETの在庫もあるでしょうし、そもそも「緑色PET」といえば、大半の人が「伊藤園のおーいお茶」を想起するはず。
そんな強力なブランドのパッケージを、簡単に変えられるはずもありません。
(だからこそ、競合が手を組んだと私は推測するんですけど…)
私も、少し前までは、「いつになったら変わるのかな…」と思っていたのですが、いつの間にか忘れてました、そんなこと。

で、突然、こういう形で登場ですよ。
これ、パッケージ変更としては、最高のタイミングではないでしょうか。
新茶の季節だし、新茶だと、「透明でも許せる」という感じがします(何か勝手にそう思う…)。

伊藤園の「新茶」は、昨年から発売しているようですが、昨年も透明だったのかな…。
と思って調べてみたけど、うーんよく分からん(^-^;)。
http://www.itoen.co.jp/corporate-info/news/2001/042301.html

上記ページの一番下に、昨年のパッケージがありますが、ボトルの下の「底上げ(?)」の所が、緑がかっているから、たぶん既存品と同じ「緑PET」なのでは。
既存品のPETも、やはり底上げの所が、緑がかっていますから。
ということで、「透明PET」は、今年の「新茶」からとして、話を進めさせていただきます。

「お茶系飲料業界」は、この春は、本当に大混戦。
特に、今年は、各社がCMにも、強力なタレントを起用してきたりして、ますます大混戦のようす。
(学研「GetNavi」6月号53P、是非ご覧ください<(_ _)>)
伊藤園も、「おーいお茶」のサブブランドとして、「秋旬茶」とか「春茶」とか、ちょっと前の「季節限定ビール」のようなことをやってます。
各社の猛烈な攻勢に、「お茶の伊藤園」として、絶対に負けるわけにはいかないのでしょう。

その伊藤園の、ひそかなネックとなっていた「緑色PET問題」が、この「新茶」を機会に、ボトルを徐々に「透明」に変更していくのであれば、一つのターニングポイントになるのかな〜と思った次第です。
伊藤園も、結局のところは、「緑色PET」の在庫がはけ次第、透明に切り替えるつもりだったのでしょうが、「透明PETお茶」のテストマーケティングとしては、最高のタイミングではないかと思います。



3.モー娘。のコンサート

ということで、行ってきたんですよ、モー娘。のコンサートに。
はるばる、大宮の「さいたまスーパーアリーナ」まで。
(あ、最後は、単なる感想文みたいなもんです)

いやいや、モーヲタという方々の、凄まじさを実感いたしました。
私は、もちろん「親子席」で参りましたので、周囲は静かだったのですが、席から見えるアリーナのヲタ軍団は、2時間ずっと立ちっぱなし。
いや、立ちっぱなしというか、正確には「ジャンプしっぱなし」なんだもん(^-^;)。
お疲れさまでした、ヲタの皆様。

そんな中で、ひとつ感心したのが、入場者にアンケートを取っていたこと。
それもちゃちいものではなくて、「コンサートの認知経路」「回数」「良かった曲」「グッズ購入の有無」「希望販売商品」「CD保有状況」「同行人数」「その他好きなアーティスト」などなど、結構盛りだくさん。
「この集計、どこがやるのかな…」などと職業柄考えてしまいました。
「親子席の問題点」に関する項目も入っていたりして、ふふふ、調査票を見るだけで、その人たちの思惑が、モロに分かってしまうなんて、嗚呼悲しき職業病。

モー娘。のコンサートに「親子席」ができる理由は、もちろん「ミニモニ。」のため。
私が座った席のまわりにも、何人かいました、「なりきりミニモニ。ちゃん」が。
あの服のブランド、高いらしいんですよね。
それを、やみくもに自分の子供に着せてるんだから、ホント親バカ(^-^;)。
あ、うちは、そんなの着せてませんぜ。
うちのガキは、ヨーカドーの服で十分っす。
なんつっても、お父様がヨーカドー専門ですから。(^▽^;

それこそ、幼稚園児から、30歳前後にバリバリのヲタ兄ちゃんが同席しているコンサートというのも、なかなかのものですよ。
たぶん、こんな客層のコンサートは、世界中でモー娘。だけではないの?

でも、じゃあ「親子席」が、「大盛り上がり大会」になっているかというと、そうではありません。
うちの子供もそうだったのですが、大音響にビビってしまって、固まってるんですね。
どこの子供も、親に無理矢理、「もっとノリまくれ」と言われてる感じ。
それで、サイリューム(ペンライトみたいなヤツ)を一生懸命振ったりして。

小学生くらいでも、おそらくあのような大音量は、生まれて初めて聞く音量でしょう。
大人でも、生まれて初めてロックコンサートに行ったら、最初はアセるでしょうからね。
この前のコンサートの問題点としては、たぶんその点でしょう。
「子供には音が大きすぎるのではないでしょうか…」なんて、母親の記入が多かったりして。
まあ、音が小さかったら、聞こえないでしょうからねぇ。
ビートルズの時代なんて、何にも聞こえなかったらしいですからね、ファンの嬌声が聞こえるばかりで。
今後、モー娘。系で、「子供限定コンサート」が登場したら、おそらく「音量が問題」とする意見が多かったためと思われます(予想)。

でも、いい経験をさせてもらいました。
席は、2万5千人の中では、いい方だったろうけど、全然見えなかった(T-T)。
スクリーンばっかし見てました。
今度はもっと、前の方で見たいっす。

ということで、その日のおみやげとして、買って帰ったのがコレ。

ハハハ、そのスーパーアリーナの中に、「ジョン・レノン・ミュージアム」があったんですよ。
で、終わってから、ショップがあったんで、あれこれ買い込んでしまいました。(^-^;)
ご丁寧に、ジョンが息子に書いた絵本まで。
私、行きがかり上、モー娘。ファンではありますけど、ジョン・レノンの前では、まあその、ねぇ。
ちょっと、「格」が違いすぎるというかねぇ。
いくらモー娘。が凄いといっても、ジョン・レノンと比較しちゃねぇ。
何といっても、私、ビートルズは、もう30年以上ファンですから。

いちおう「ツアーパンフ」を買おうか、「なっちの顔写真入りうちわ」を買おうか、散々迷ったんです。
でも結局、何も買わなかったんですけどね、モー娘。系のグッズは。
だって、すげぇ並んでいたんだもん、人が。(-_-;)
ジョンのショップの方は、スカスカだったし。
私としては、「グッズショップ」をもっと増やせということをアンケートに書きたいですね。

それにしても、せっかくモー娘。のコンサートに行ったはずなのに、1万円近くもジョン・レノングッズを買ってしまっては、イカンすね。
お世話になっているモー娘。なのにね。
少しだけ反省してます。<(_ _)>
でも、これも、いーかげんで、浮気がちな消費者の行動ってことで。