No。076
街の見方
2001.9.24
by Y.Tomizawa

普通のネタを書こうと思いますが、どこか落ち着かない。
でも、テロのネタを書いても、憂鬱になるだけなので、普通ネタにします。

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寒々しすぎる・・・
この前、津に行ってきました。
「津」です「津」。三重県津市。
いや、何にもないっすねホント。(^-^;)
県庁所在地なので、賑やかさがあるのかな〜と思ったら、だ〜れもいない。
駅前に立派なシティホテルがあるんですけど、それも虚しく見えるくらい、誰もいない。

「津」は県庁があるので、言ってみれば「官庁街」。
三重県は、「四日市」が「商工業の街」、「伊勢・鳥羽」が「観光の街」と、うまく役割分担できているみたいです。
しかし、あまりにもうまく役割分担できてしまったために、「官庁街」の「津」が、あまりにも閑散としてしまった気がします。
※三重県の地図を、どこぞやから安易にコピペーしますと、著作権違反になりますので、各自探してご覧ください。結構新鮮な「かたち」をしてるんですね〜。長崎県のかたちを知った時と同じくらい新鮮な驚きでした。

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街ごとに役割分担させるという例は、別に珍しくもなく、あちこちにたくさんあります。
例えば、埼玉は、今でこそ「さいたま市」になってますが、少し前は、「浦和」が官庁街、「大宮」が商業地と分かれていた。
私の住む神奈川県も、横浜が県庁所在地で、一見すると一極集中に思えますが、JR横浜駅近辺が商業地で、関内駅あたりが官庁街という風になっています。
さらに言うと、川崎あたりが「工業地」ともなっています。
皆さんの住むところを、このように考えてみると、どうなっていますか?

とはいえ、現実は役割分担なんて、なごやかなものではなくて、「県庁所在地をどこにするか」というドロドロの利権争いみたいなものがあったという話も、あちこちで聞きますが(長野と松本とか、前橋と高崎とか、宇都宮と栃木とか…)。

それにしても都市開発は難しいってことですね。
理論的には、役所と、繁華街と、工場と、それぞれ分けた方がいいことはわかる。
幸か不幸か、日本には、士農工商という制度からか、この「棲み分け」が古くからなされてきたので、結構取り入れやすいのかもしれません。

でも、江戸時代のような、今考えれば「区単位」くらいの開発なら、それでもよかったのかも知れませんが、都道府県という広いエリアの発展を考えると、本当に「市町村」で棲み分けさせるのがいいのか分かりません。
土地それぞれの地形が、微妙に影響したり、それこそ戦国時代の「城」でもあれば、そこを中心に考えざるをえなかったりもする。
また、それによって道路づくりも変わってきたりする。
さらに言えば、「人口の増減」も考慮しなくてはならなかったり…。
お役所も大変なわけですな。
お役所仕事じゃできないことは事実です。

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上場おめでとうございます!で、「津」ですが、帰りの電車の時間まで少しあり、街を彷徨ってみたのですが、まあ、フツーの街…。
でも、唯一、「おーっ!」と思ったのが、これです。
ははは、さすがに写真におさめてしまいました。

そう、「マクドナルド」です。
あったんですね〜、駅前にきちんと。
そう、例の駅前シティホテルの1階です。

マクドナルドの出店計画は、綿密な計算の上になされていることで有名です。
店舗開発のマップソフト(というんでしょうか?)は、銀行などにも販売しているらしいですからね。
出店時の売上予測の精度が、95%だか、99.5%だか、恐ろしいまでの確率で当たるらしいです。

そんなマックが出店しているんですから、おそらく津で、ここが唯一まともに人が集まるところなんだな〜、と思った次第です。
少し歩いた限りで、駅近辺の通り沿いには見あたりませんでしたから、たぶん、津駅近辺ではこの1店だけ。
まあ、ここ「津」でのマックの需要は、この1店舗分という感じなのでしょうか?
そう、たかが「マックの店舗数」でも、「街の繁栄度」が見えてきたりするものです。
繁栄度というと語弊があるかも知れませんが、まあ「にぎやか度」という感じでしょうか。

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同じような視点として、よく言われるところでは、「ビジネス街」としての発展度は、「ドトールコーヒー」(ほかコーヒースタンド)があるかどうか、というのもあります。
(ちなみに、津にははもちろんありませんでした)

じゃあ、コンビニはと申しますと、これがあんまり当てにならない。
昔、無計画な出店をしているチェーンも結構あったりするので。
サンチェーンを買い取ったローソンとか…。
じゃあ、セブンイレブンならどうかと申しますと、セブンも、特定エリアで何店か出店できるようにならないと、配送効率が悪くなるので、出店してしないはず。

そういう意味で、私が最近注目しているのは、「大手消費者金融」です。
これがあるってことは、もちろん、みんなお金を借りに来ているということ。
だから、どんなに寒々しく見えてしまう街であろうと、お金が流通する場所が近くにあるということ。
金を借りてまで、何かに投資したいという人の欲望が渦巻くところがある、ということ。
まあ、典型的なのが、「公営ギャンブル」か、「夜の街」なんでしょうか。
(そういや四日市の駅近辺には、やたらとあった)

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それにしても、駅を降りて、大手スーパーや、居酒屋チェーンの看板が見えないだけで、どこか寂しい街と思い込んでしまう私も、ちょっといかんですな。
でも、「鄙びた(ひなびた)街」にまでなってしまえば、また情緒も感じられるのでしょうが、中途半端な発展をしてしまった都市には、ちょっとな〜というのもあります。
おそらく全国似たような場所は、あちこちにあるのでしょう。
最近は、全国的に不況の話が先に立って、この手の問題は、さほど取り上げられませんが、こういう街、そして自治体の活性化は、結構根深い問題として残っていると思います。
(いや〜、今回は社会派記者チックな終わり方! 似非鳥越俊太郎じゃ〜)