No。063
お茶漬けの素をもらっても・・・
2001.7.19
by Y.Tomizawa

いや、まあいいといえば、いいんですけど・・・で、中に入っていたのが、これなんですよ。
なんと、「お茶漬けの素」。「お茶漬け」ですよ「お茶漬け」。
嘘ではありません。写真をご覧ください。
この袋に入ってました。驚きませんか?
私は、ホント衝撃を受けました。
だって、本を買ったプレミアムとして、「お茶漬けの素」だもんな〜。
よくあるのが、まあ「しおり」ですね。
あと「カレンダー」とか、せいぜい定規とかの「文房具」とか。

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これ、「たちばな出版」という出版社の思惑みたいなんですね。
「POPEYEのお茶漬けキャンペーン」と名付けてます。
「嫌なことは、お茶漬けのようにさらりと流そう! 困難なことは、お茶漬けさいさいで乗り切ろう!」って書いてます。
まあ、言いたいことは分からないでもないですね。
何か物足りなくありません?お茶漬けにかこつけて、自社の知名度を上げようということか。

でも、この「たちばな出版」がなかなかの会社でした。(^-^;)
ご興味のおありの方は、是非一度「たちばな出版」のサイトをご覧ください。
http://www.tachibana-inc.co.jp/

社長のお言葉を引用させていただきますと、

「弊社は80%の収益の追求と20%の遊びを追求しております」
「斬新でユニークで強烈な販売キャンペーン、一人ひとりが二ひねり三ひねりのある最強の営業マン軍団。これも出版業界では異色の存在だといわれています」
「営業マンというのは、常にマーケティングを考えて書店の方々、読者が求めているものをリサーチするものだととらえています」
「そして、もちろん20%は、そういう営業のマーケティングをヒントに、その情報を全く無視して作りたいものを出版しています」
(たちばな出版ホームページより引用)

なんとなんと、すげえじゃないっすか。
ホント素晴らしい志です。私自身も見習わなくてはイカンす。
ついでに、私の勤めている会社のお偉方にも聞かせたいっす。(T-T)
二言目どころか、一言目から「利益、利益、利益…」の人たちに。

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では、たちばな出版の営業マンは、どのように考えたのでしょうか?

「POPEYE」を使っていることからも、一応「若者向け」は間違いないでしょう。
キャンペーンが、どのくらいの規模なのか分かりませんが、いちおう地域限定とすると、私の住む街などは、学生も多いので、一人暮らしの人は、少しはありがたいと思ってくれるのではないか、というところでしょうか?

でも、昔も今も、学生クンは、だいたい米なんて炊かないでしょうな。
じゃあ、コンビニで白飯を買って、それをお茶漬けにする?
そんな面倒なことをする前に、弁当を買ってしまうでしょうな。
じゃあ、誰のことを思って、これをキャンペーンのネタにしたのでしょうか?
何も考えずに、インパクト勝負だけか?

だいたい、突然「お茶漬けの素」をもらって嬉しいですか?
しかも、この異常気象と言っていいほどの、クソ暑い夏に。
そもそも、こう暑いと、「ご飯」を食べたくなりませんよね。
そこに、輪をかけて暑くなりそうな、「お茶漬け」を食えと。
企画当初は、ここまでの熱暑は、頭になかったのでしょうが、せめて「」にやって欲しかったですね。

それに、加工食品というべきか、調味料なのかもしれませんが、いちおう「食品」ですから、それをこのように無作為にばらまくというのは、ちょっといかがなものかと…。
食中毒の問題はないでしょうが、「無料でもらえる食品」って、ちょっとコワいです。
せめて、マネキンさんから手渡しして欲しいところです。
とりあえず、お茶漬けなら、「冷凍」とか、「チルド」とか、面倒な保存(保管)の問題もなさそうなので、扱いが楽なのでしょうが。

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たちばな出版の企画会議では、「それオモロイじゃん」「やってみなはれ」みたいな感覚だったのでしょうか?
別に悪いとはいいませんが、ここまでインパクトで来るなら、もう一ひねりして欲しかったです。

え? じゃ私だったら、どうするかって?
私だったら、このお茶漬けのパッケージを、こんな意味のない「POPEYE」を使わず、「文庫本」みたくするとか、「Tokyo Walker」あたりをパクった雑誌の表紙っぽくするとかしてみます。
そこで、「何これ?」と思わせる戦略。
インパクト勝負に出るのなら、「何これ?」と思わせる「ひねり」を二段構え、いやいやできれば三段オチくらいに、用意しておきたいところです。