No。049
嗚呼大江戸線
2001.4.23
自民党総裁選、やっぱり小泉さんみたいですね。なんか、無理矢理マスコミが小泉さんに仕立て上げた感じがしますが、まあいいか。
で、今日はまた、大江戸線の話。
相変わらず、空いてまっせ〜。(^-^;)
私もほぼ毎日乗車しておりますが、かつて「一度も座れなかったことはありません」。
最近では、雑誌でも「歩いた方が速い」とか書かれてますが、今回はいじめません。
まずは、このポスターをご覧ください。このポスターは、都営三田線の内幸町駅で撮ったのですが、ボケーっと歩いていた私も、視野の端っこに、これが入ってきた瞬間、思わず歩を止めてしまいました。
皆さんは、どう思います?
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要するに、環状になっている大江戸線の内側を、あたかもテーマパークに見立てて、そこを700円で自由に乗り降りできる1日券を買って、あれこれ遊べば、結構安上がりに遊べるじゃない、ということなんですな。
まあ、よく考えたじゃないですか。誰の発案かは、わかりませんが、都営線のポスターとしては上出来だと思います。
だってこれまでは、せいぜい「桜の名所紹介」とか、「沿線店舗のご案内」がいいところだったんですから。
で、ポスターのおもしろさを誉めることが、今回のコラムの趣旨ではなく、やっぱりこうして考えてみると、「ネーミング」って重要だな〜、ということなんです。
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みなさん大江戸線が、本当は「東京環状線」にほとんど決まりかけていたのを、石原慎太郎が「そんなのダメ、大江戸線とかネーミングをもっと考えろ」って、思いっきり「大どんでん返し」をしたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。
愛称として、「ゆめもぐら」というのもあったのですが、完全に消滅してますね。
「大江戸線」という名前自体は、公募された案の中に170件ほどあったらしいです。石原さんの独創性から来ているものではなかったことを明記しておきましょう。
ちなみに、「都営12号線」というのが正式(?)名称みたいです。
当初の反対意見としては、「今さら江戸でもないだろう」とか、「環状7号線(東京の渋滞で有名な道路の1つ)だって完全に環状になっていない」とか、あったようです。
で、あの時は、「そんなのどうでもいいじゃん」と思っていましたが、こうして、こういうポスターを見てみると、「ああ、やっぱりこのネーミングでよかったんだね」と思ってしまいます。
だって、「東京環状線」じゃ、少なくともこんな「古い江戸時代の地図」まで使えるようなポスターにはつながってこないでしょうから。
ネーミングがもたらした「功」の部分と言ってよいでしょう。
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私は、マーケティングの中でも、「ネーミング」は、かなり重要だと思っています。
「ウオークマン」しかり、「宅急便」しかり、その分野のカテゴリ名にまで上り詰めることができた名前は、絶対にそこに「何かある」はずです。
言葉ではうまく説明できない、何か不可思議な感覚が。
そう、私のこのサイト、「東京マーケティングタウン」という名前も、結構あれこれ考えてつけたつもりです。まあ、意図は何となくわかっていただけるでしょうが、思いついたのは、ひょんなことからだったんですが。
「百日回峰行之記」とかも悩みました。だって、「マーケティング問答集」なんてのじゃ、フツーすぎてつまらないでしょう?
ネーミングの善し悪しは、簡単には決められませんが、「イメージが拡張しやすいネーミング」というのは絶対にあると思います。
ちょっと難しい言い方かも知れませんが、「そのネーミングを聞いた人が、勝手にあれこれ想像してくれる」という感じなのでしょうか。
そう、「東京環状線」と「大江戸線」の違いが、まさにこれ。
「東京環状線」だと、「ふーん(-_-)」って感じですよね。
でも、「大江戸線」だと、例えば「おいおい(^-^;)」とか、「なんじゃそりゃ(-_-メ)」とか、そんな感じになりませんか?
このコラムを読んでくださっている方でも、ネーミングをつける立場にある方はいらっしゃるのでしょうか。
そういう方は、是非とも、「安易に考えず」につけてくださいね。そこに自分なりのコンセプトをこっそりと忍ばせたりして。
そうそう、人間の大半はネーミングをする立場になることがあるんですよ、絶対に。
何だと思います?
そう、「自分の子供の名前」ですよ。自分の子供を、安易につけちゃう人は、ネーミングの持つ重要性はわかってもらえないだろうな〜。
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で、最後に、このポスターで気になったのが、この文章。
「都営地下鉄大江戸線は、ほぼ『江戸』と呼ばれた地域を包み込んで走っています」
とあります。
これ、「ほぼ」の言葉の位置がおかしいですよね。(^-^;)
『江戸』と呼ばれた地域を、『ほぼ』包み込んで走っています・・・、ですよね。
うーん、まさかこれ、最近の若者言葉(か?)を狙って、こんな文章にしたのか。それはいくら何でも考えすぎでしょうか。
単に代理店の若造クンが、ちょいちょいっとコピーを書いただけなのかな。
「ほぼ江戸線」とか言っちゃったりして。ハハハ。