No。039
最近の音楽雑感
2001.2.12
宇多田ヒカル。最近どうしたんですかね?
公式的には、大学行っているから活動休止なのでしょうか。
彼女がデビュー当時に、別のコラムみたいなので書いたことがありますが、今は少し落ち着いたという感じなのでしょうか。
まあ、才能があることは確かなのだし、もう一生食うに困らないほど稼いだんだから、ゆっくり活動していけばいいんですね。
とはいえ、「才能がある」と書きましたが、私はデビュー以来、「作曲の才能はあるけど、歌い手としての才能はない」と言ってきました。
別に、誰に対してということではなく、友達に対してくらいということなんですけど。
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彼女の曲自体、マジメに聞いたことがあまりないので、あんまり批評することは憚られますが、「ダブルトラック」って皆さんご存知ですか?
彼女の曲は、ほとんどそれで録音されてますね。
これ、要するに、自分のパートを二重に録音することなんです、ごく簡単に言うと。
ビートルズのデビュー当時も、このやり方でしたし、私の好きだったキャロルもそうでした。
ダブルトラックで録音すると、ヘタも少しうまく聞こえるんですよね。
試しに自分でもダブルトラックで録音して、聞いてみたことがあります。
自分の部屋で録音して、もう1回録音して、それを聞くという、いかにも昔の音楽少年っぽい行動。
同じように唄っても、やっぱり少しは「ズレ」ますから、それが微妙なコーラスのような感じに聞こえて、声に厚みが出るように聞こえるんですよ。
音楽業界的には、どういう風に言うのかよくわかりませんが、でもだいたいそんな感じではないでしょうか。
ダブルトラックで録音すること自体、「歌が下手」ってことの裏返しみたいに感じてしまったんで(少なくとも「ホントは自信がないんだろう・・・」みたいな)、デビュー早々、騒がれていた割には、いきなり白けてました、私は。
で、やっぱりコンサートやったら、「やっぱり歌唱力はないな」みたいな評価だったみたいですね。
そんなこと、今さら気付くなよという感じだったんですけど。
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いや、私が言いたいのは、私の自慢話ではなく、宇多田ヒカルが注目されなくなった理由が、別のところにあると思うことなんです。
それは、「小柳ユキに食われた」ってことです。
彼女こそは、「誰がどう聞いても、絶対にウマイ」ですよね。
しかも、一人で地道に練習してたなんて話も聞くと、「オレももう少し練習していれば・・・」なんて思ってしまいます。
私、倉木麻衣も聞いたことないんで、よくわからないんですけど、宇多田ヒカルの「キャラかぶり発言」でどういう人なのか知りました。
キャラがかぶることは、パイの食い合いにはならず、むしろマーケットを拡大することになると、私は思います。
そういう市場がそれだけある(と思っている人がいる)から、同じようなキャラが出てくる。
ことは単純ではありませんが、カニバリよりも、マーケット拡大の効果の方が大きいと思います。
ところが小柳ユキは、「圧倒的な歌唱力」という、歌い手さんなら誰もが持っていて、絶対に損はないものを、いきなり引っ提げて登場してしまった。
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皆さんも、「こんなうまいヤツがおるんかいな?」って思いませんでした?
私は、最初外人だと思ってました、小柳ユキのことを。
あの歌唱力を聞かされれば、誰だって、自ずと他の歌手と比較してしまいますよね。
だから、宇多田ヒカルのCDも、あんまり売れなくなったのかな〜と、私は思います。
というか、日本中の「歌がヘタだけどCDが売れていた歌手」は(おいおい(^-^;))、みんな売れなくなったんじゃないですかね?
昔でいう、強引にデビューさせられたアイドル歌手みたいなのとか・・・、そんなのいないのかな最近は。
小柳ユキは、まだ歌唱力にまかせた曲ばかり歌っているみたいですけど、あれでもし「童謡」なんてサラッと唄われた日には、もう日本の歌手は全滅になるかもしれませんね〜。
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それに比べて、男はどうしてみんな歌が下手なんでしょう?
「らいおんハート」のグループとか、もう聞いてられなくて。
どうして、あれがあんなに売れるわけ? 子供ができたから?
私が思うに、「真面目なコーラスができる男4人グループ」を結成させたら、絶対に流行ると思うんですけど。
何しろ、最近の曲は、SMAPにしても、モー娘にしても、単なる小学校の合唱団以下じゃないですか、唄っている曲は。
「少しはハモれよ」って感じですか。まあ無理なんでしょうけど。少しは練習しろよな。
だから、コーラスがきちんとできて、しかもハモれる男のグループ。
これ、誰かプロデュースしませんかね?