No。037
歴史とデータ
2001.1.29
はっきり言って、ネタないっす。(^-^;)
世間的にも、大したネタないですよね、マーケティング的に。
ソニーも一段落しちゃってるし、セガのドリキャスのネタもな〜、死人に鞭打つっていうのも、なんとなくだし。
ということで、もうなんていうか、コラムらしくないんですけど、自分の「勉強のしかた」みたいなのを・・・。
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私も本業は今、「調査」なんですね。まあ、マーケティングリサーチというやつ。
ですから、『あらゆる業界のネタ』が飛び込んでくるんですよ。
食品、飲み物、金融、保険、証券、通信、IT、・・・・などなど、本当にさまざまです。
ですから、過去に仕事をやらせてもらっている業界でしたら、その知識が活かせるんですけど、全く新しい業界だと、もう大変ですね。
一から勉強しなくてはいけない。
それも、仕事が仕事ですから、中途半端な知識ではいかんのですね。
そりゃもう少なくとも、お客様(クライアントです)と同等に近くないと、「足下見られます」から。
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その業界の新聞を読むとか、専門誌を読むのは当然として、私が肝に銘じていることがあります。
まず、その業界の「歴史」を知るということ。
そして、製品の出荷数とか、売上とかの「データ」を知るということです。
なんとなく、こうやってきたんですけど、これ結構意味があると思うんです。
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「歴史」っていうのは、「あったことの事実」のはずですよね。
でも、「はず」なんです。ここを理解していないといけないと思います。
やっぱり「歴史は美化されているもの」ですから。
事実は事実なんでしょうけど、過去に本当にあった「マズい話」は、結構かき消されていたりするはずなんです。
これは、日本の歴史や、世界の歴史だって、そうでしょう。
ある意味で、上っ面しか残されていない。
だからこそ、「史実」なんていう言葉もあるのだろうし、「実録●●」なんていう言葉もあるのでしょう。
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そこで、「データ」です。
「データ」は、こちらは「冷たい情報」ですよね。
本当に、哀しいまでに「事実」しか伝えてくれない。
「ウソ」の入り込む余地がないからこそ、実態は把握しやすい。
いくら、かき消したい事実であっても、データの前では、ウソは隠しきれない。
でも、それを補うのが「歴史」の方だと思うんです。
データを冷たい情報とするなら、歴史は「熱い情報」なのではないでしょうか。
そこには、当事者たちがどんな気持ちでその仕事に取り組んで、どんなことをやり遂げてきたかが、語られています。
当たり前ですけど、他人はどう言おうと「俺たちはこうだったんだ」と言い残したいことが、歴史というものに語られるわけです。
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だから、「データ」ばっかりにらみつけて、その業界のことを理解しようとするのも、間違いだろうし、「歴史」だけを読み込んで、分かった気になっているのも間違いだと思うんです。
マーケティングに関わる人間なら、常に、物事をあらゆる面から見なくてはいけません。
「歴史」と「データ」。
両方を理解できて、ようやくその業界や商品のことを把握できたと思うんです。
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と、偉そうなことを語っておりますが、世の中には、意外なほど「歴史」も「データ」もないもので、結構大変なんですよ。
一番手っ取り早いのが、大学生の就職活動用の資料なんですけどね。
あれはあれで、上っ面のデータが多かったりしますし。
誰か、あらゆる業界や商品の「歴史&データ」を本にしてくれませんかね。