No。035
ちゃんと言ってあげるということ
2001.1.15
昨年の秋頃、うちの近所に最近できた「焼肉屋」に行きました。
最近、首都圏近辺で出店を加速していることで、有名な店です。
ここのお店は、我が家から少し離れたところに、昨夏ごろにオープンして、そのコストパフォーマンスの良さから、連日行列となっていたことで、有名になっていました。
で、我が家も行列ができなくなってきた頃を見計らって、行ってみたんですが、確かに、「安い」し、「サービス」もよい。
しかし、最大の欠点は、歩くと15分以上かかること。
これは、子連れは辛いです。
ということもあり、歩いて5分くらいのところにできたんで、喜び勇んで行ってみたんです。
内装などは、すべて同じような感じで、従業員も皆さんテキパキ仕事をしている感じ。
しかし・・・。
何しろ、「とりあえずお飲物のご注文をどうぞ」とか言っているのに、「生ビール」が注文してから15分くらいしてから来る。
さらに、「注文したメニューを隣の席と間違えること数回」。
「レジ打ちも、(確実にやろうとしているんだろうけど)何しろトロい」。
これ、儲かっている店が、多店舗展開するときに陥りやすいワナですよね。
従業員(≒アルバイト)は、マニュアルに則って、てきぱきやろうとしているんだけれども、「視野が狭くて」、本当のサービスがどこかへ行ってしまっている。
同じような体験を、フリースで有名なあの店でもしたことがあります。
で、オープン当初は、まあいいですよ。まだ、慣れていないだろうし。
でも、12月頃行ったとき、たしか4回目くらいの訪問ですが、いまだに全然改善されていない。
相変わらず、生ビールは遅い、注文も取りに来ない。
しかし、従業員は、(一見)テキパキ働いているように見える。
要するに、「後ろに目がついていない」って感じなんですよね。
小さい子供を連れているのに、子供用の食器を言わなければ持ってきてくれないし。
気が利かないこと、この上ない。
で、「店内アンケート」があったんで、苦情を書いてやろうとしたら、筆記用具がない・・・。
私、生まれて初めて、「Eメール」で苦情を送りました。
いや、そのくらいアタマにきたんです。
しかも、サイトを見たら、「苦情受け付け窓口」的なものがないんで、申し訳ないけど、ウエブマスターに送って、「転送してくれ」って書いておきました。
数日後、店長から、ちゃんとご丁寧なメールが返ってきました。
きちんと、「具体策をこうしました」ということから、「今後よろしければまたご来店ください」ということまで、書いてありました。
店長も、実態に全然気付いていなかったみたいです。
こうしてみると、私もこれまでは、苦情はほとんど言わずに、二度とその店には行かないというタイプだったんですが、やっぱりそれなりにちゃんと言ってあげるということは、もしかしたら本当に重要なんだなと思いました。
で、実は、もう1つお話があります。
いや、焼肉屋の話は、これだけなんですが、もう1つは、「タクシーの運転手さん」とのお話です。
まあ、私も酔っぱらって、深夜タクシーでよく帰ってくるんですけど、あの深夜タクシーの運転手さんは、結構トバしますよね。
トバしてくれるのは、いいんですけど、私が常々気になっていたのは、「ブレーキング」なんです。
自分で運転していると、全然気にならないんですけど、人の車に乗ると、どうしても「急ブレーキ」「急発進」が、「乗り物酔い」を引き起こすんです。
ガキの頃は、結構苦労しました。
で、まあ、深夜タクシーに乗るくらいですから、個人的な体調としては、ある意味「臨界」に近い状態なんですよね。
その状態で、急発進・急ブレーキをやられると、もう臨死状態になり、「早く着いてくれ〜」と祈るばかりです。
最悪の場合は、途中で降りてしまうんですけど・・・。
そんなのが普通だったんですけど、ある夜乗ったタクシーのブレーキングが、素晴らしかったことがありました。
こう、「なめらかに止まってくれる」というか、すごく気を遣っているのが分かる。
私も「言おうかな〜」と悩んでいたんですけど、家に着いて、お金を払っている時に、思い切っていってみました。
「運転手さん、運転お上手ですね、特にブレーキングが・・・」
と言ったら、運転手さんも、
「そうですか、ありがとうございます。実は、私も気をつけて運転するようにしているんですよ」
と言ってくれました、嬉しそうな顔をして。
本来プロであるタクシーの運転手さんの運転をほめるというのも、どこか変なのかも知れませんが。
でも、クレームをつけるばかりではなくて、「いいサービスには、ちゃんと感謝の意を表す」ということも大切なんだなと実感した次第です。
タクシー業界なんて、近代化センターにクレームを入れられたら、確か所定の期間、実車できないはずですから、運転手さんには非常に不利ですよね。
人間、大人になろうが、やっぱり、たまにはほめられたいですよね。
ほめられると、嬉しくなるし、ほめた方も、それに応えてくれれば、もっと嬉しくなる感じがします。
ということで、やっぱりこうして提供された「サービス」について、悪かったことだけではなくて、「良かったこと」も、ちゃんと言ってあげること、皆さんもしてみませんか?
悪いことを改善するよりも、良いことを伸ばした方が、やっぱり身になると思うんですよね。