ヴェネチア[ベネチア]−パリ夜行列車の旅(1)


ヴェネチア-パリ、1等寝台指定券

ヴェネチア−パリ1等寝台のチケット。(イタリア国鉄[fs]発行)
ベネチア・サンタルチア駅と大運河

海上都市ヴェネチアの玄関、イタリア国鉄
のヴェネチア・サンタルチア駅。目の前に
大運河が流れ、水上バス「ヴァポレット」
など様々な船が行き交う。
謎の豪華寝台車エクセルシオール
 ヴェネチアからパリに向かう夜行列車の切符を取ろうとヴェネチア・サンタルチア駅の窓口に行った。1等個室を1人で占有すると27万リラ(約18,000円)もするという。既にベルギーやヴェネチアで散財して、これからフランスに向かう私には少し高いなと戸惑っていると、T3と言う1室を3人で利用する料金を提示してくれた。8万8600リラ(約6000)円で1人利用の3分の1とお得な値段で、他人と同室だとはいえ、クシェット(日本のB寝台に相当)と違って異性と同室になることは無いから安心だ。同室になる人がいないように、せめて2人であるように祈りつつT3料金の1等のチケットを買った。乗車券はユーレールパスを持っていた。

 今回ヴェネチアに来たのは少々理由があった。ヴェネチアという街の魅力もさることながら、トーマスクック(TC)時刻表日本語版秋冬号に「9月からフランス-イタリア間に豪華寝台車エクセルシオール」が運転という小さな記事があって、パリ-ミラノ、ヴェネチア間で運行ると記述されていたのが気になったからだ。 記号を見ると1等、2等寝台、食堂車、クシェットというヨーロッパ夜行列車のオーソドックスな編成だ。

 もっと詳しく知ろうと、いろいろとwebサイトや、持っている鉄道雑誌のバックナンバーを調べたのでだが、なんとか分かったのは、TC時刻表にレセプションエリアがある、個室内にはシャワー、トイレなどが備え付けられているなどの簡単な記述があった。イタリア国鉄のサイトにエクセルシオールの画像があって、車体の塗装など外観のデザインは解かったのだが、肝心の個室内の画像がぼやけているのか分かりにくく、文章はイタリア語で解読できずだった。挙句の果てはサンタルチア駅の鉄道案内所で訪ねてみたら「what do you say?」と言われる始末だ。

 結局「エクセルシオール」は何なのか分からないまま乗車当日を迎えた。その時は通常の夜行列車なのだろうと対して期待していなかったが。たぶん編成の1部分だけの小規模のサービスか試験サービス的なものなのだろうと推測していた。

宵の口のヴェネツィア・サンタルチア駅
 ヴェネチア観光の最終日、18時過ぎに駅に着いた。列車は19:45発なのでまだ時間がある。もう外は暗くなっているので駅の中で時間を潰すことにする。駅の中のカフェテリアで夕食を取り、イタリアの通貨リラがまだ余っていたので、ミネラルウォーターやお菓子を余分にを買っておいた。いずれリラがユーロに変わり使えなくなるので、できるだけリラは使っておいたほうがいいし、両替を繰り返しても目減りして損だ。

 まだ時間があったので、見納めにと駅のすぐ前に流れる大運河を見に行った。帰宅ラッシュの時間で駅前は観光客でなく地元の人でとても賑わっている。、満員のヴォパレット(水上バスの役割の船)がエンジンを唸らせながら運河を行き来していた。

 19:30になりパリ行きの列車がホームに入ってきていた。列車番号EN(ユーロナイト)222、列車名はヴェネチアの有名観光地であるリアルト橋から取って「リアルト」という名前がついている。19:45にヴェネチアサンタルキア駅を出て、翌日8:25にパリの国鉄主要駅の1つのリヨン駅に着く。イタリア国鉄とフランス国鉄の車両が混在していて、編成最後尾からクシェット4両、食堂車1両、2等寝台2両、1等寝台1両だった。やはりイタリア国鉄のHPで見た「エクセルシオール」の車両は含まれていないように見えた。

 ユーロナイトとは国際寝台特急という位置付けで、日本に例えるなら寝台特急と言った所だろう。ただし日本には国際列車は無いけど…。
駅のカフェテリアのレシートを挿む冊子


中にレシートが挟まれている。

サンタルチア駅のカフェテリアのレシートが挿
まれた冊子。表紙にはヴェネチアの名所の
「溜息の橋」が描かれている。いい記念品になった。

イタリア国鉄の食堂車

イタリア国鉄の食堂車。食材の積み込み中で、
写真では小さいけど、左側の業者のワゴンが
洒落ている。

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