ベルギーでよく見かけた通勤型電車。
ブリュッセル南駅で。
アントワープから戻ってきたらブリュッセル南駅を見学することにしていた。今まで何度か通ったが、重い荷物がありじっくりと見ている余裕が無かった。
ヨーロッパのターミナルによくある行き止まりのくし型ではなく、両方向に進める。22番線までありコンコースは長く、大きな駅だ。他のヨーロッパの国鉄駅同様、改札口というものは無く簡単にホーム上に上がれる（もちろんキセル乗車には高額の罰金がある）。近郊の住民の足になる近郊電車だけでなく、ヨーロッパ各地の列車も多く発車する。しばらくプラットホーム上でそれらの列車を撮影した。
特に目立つのは1番線から6番線の高速特急が発着するエリアだろう。この辺りだけがヨーロッパを代表する高速国際列車が発着するに相応しいいモダンなデザインだ。日本風に例えるなら、在来線ホームと新幹線ホームの雰囲気の違いのようだ。
そのうち1，2番線はロンドン行きユーロスター専用エリアになっている。乗車に関しては、航空機並にセキュリティが厳重で、私のような見るだけで乗車しない者には堅く閉ざされている。
3〜6番線がタリスのエリアで待合室、タリスのインフォメーションデスクもある。ユーロスターエリアと違い、誰でもホーム上に入る事ができる。動く歩道が傾いたようなエスカレーターでホームに上がる。
ホームはくすんだコンクリートの在来線と正反対で、ユーロスター、タリスのエリアだけ改築され新しくきれいだ。まさに新幹線ホームのような雰囲気だ。ホーム上には真っ赤な電気機関車が印象的なタリスが入線していた。15時40分発のパリ・北駅だ。時間帯のせいかスーツ姿のビジネスマンは少なくカジュアルな私服の人が多い。タリスのホーム上から何とかユーロスターの姿が覗けた。
リエージュへ
初めはリエージュに行く気は全然無かった。しかし、前述のように、思い通りにタリスのチケットが取れず、できるだけ長い時間乗車してみたかったので、リエージュから乗車するという選択になった。ブリュッセルからパリだと1時間25分でリエージュからだと2時間半乗っていられる。行き当たりばったりだが、たまには列車に行き先を決めてもらうのもいいものだ（笑）
ブリュッせッルを昼前に出て、駅で買ったサンドウィッチを昼食に食べ、車窓風景を見ていると1時間10分とリエージュギュルマン駅はすぐだった。リエージュはベルギー第四の都市でワロン地方の中心地だ。
ブリュッセルを中心とするフランドル地方とワロン地方は起源を異にしている。それゆえ言語もまた違う（公用語はフランス語）。それを知るまでブリュッセル南駅の“南”が「Midi」「zuid」と違う表記が併記されていたり、国鉄の略号が2つあったりと不思議に思っていた。言語が2つなので表記も2つ要るのだ。
まず駅のロッカーに荷物を預け身軽になり、自分の乗るバスを探す。駅前の黄色いバスが入れ替わり立ち代り出入りしている。小さな窓口でチケットを買い、目的地に行くバスを見つけ乗った。
車窓から町並みを見ていたら、突然地下に潜ってしまい驚いてしまった。そして地下駐車場のような所を少し走り、地上に出た。そこはデパートなどがある中心地で、出てすぐバス停があり、下校途中の学生などで大賑わいだ。つまりは途中からバス道を通ったということだった。リエージュが第四の都市とはいえトラム、メトロは無い。でもこのように、公共交通機関で快適に移動できるようにされているのだ。
早めにリエージュ・ギュルマン駅に戻って来て駅を見学した。と、言っても小さい駅なので数軒の店しかなく、すぐに時間を持て余してしまう。駅に焼きたてワッフル屋があったのでなんとなく暇つぶしに食べた。リエージュと言えばワッフルが有名で、日本でよく見る砂糖でざらついたものはリエージュ風のワッフルだそうな。ちなみにブリュッセル風のワッフルはふわっとして軽めでクリームなどをのせ食べるらしい。
タリスの到着時間が近づいたのでホームに上がった。さすがにブリュッセルのように専用ホームなどという物は無い。地元の人の帰宅風景に混じりながらタリスを待った。
ぱらぱろとタリスの乗客らしい人が集まってきている。定刻の17時28分に赤い電気機関車が闇の中に浮かび上がり、流れるようにパリ北駅行きタリスが入線して来た。
［2001,11月訪問］
ブリュッセル南駅。パリ北駅
行きタリスの出発前の光景。
ブリュッセル-リエージュ間の
のどかな車窓風景。
リエージュの繁華街にあるバス道
の出入り口。
マンガのイラスト
が描かれ見ていて
楽しいリエージュ
のバスチケット。
国鉄駅、リエージ・ギュルマン。