ベルギー鉄道見聞録〜ユーレイルパス鉄道旅行記(3)


メトロのブリュッセル南駅

メトロのブリュッセル南駅。トラムが
一部区間、地下にを走り「プレメトロ」
とも言われる。トラムの隣りのホーム
にメトロが入線してくる。
プレメトロ
 ブリュッセル南駅でホテルの予約をしようとしたら、運悪くホテル案内所が休みで、グランプラスのインフォメーションで取ってくれと言われた。仕方ないので、メトロで、4駅のグランプラスまで重い荷物を引きずって行かなければいけない。

 国鉄駅から地下へエスカレーターを降りた。メトロのチケットを買い、メトロのホームに降りるエスカレーターに乗り下ると、ホームがあったと思ったらそこではなく、さらに下り続け、もう1層下のホームに着いた。

 2つの線があり、驚いた事に1つの線をメトロが、もう1つの線をトラム(路面電車が使っている。2つの線の間にホームがあり、両線は簡単に乗換えできる。上の層のホームとも階段で結ばれ乗換え易い。

 トラムが地下を走りメトロのような役割を果たすのでプレメトロと呼ばれている。南駅にはメトロ1線とプレメトロ7線が乗り入れている。日本では路面電車は地上を走っていて、トラムは地上を走るものという思い込みがあった。なのでトラムが地下に乗り入れるのを見て奇異な感じがした。だけど乗換えが便利で、地下のため道路の交通事情に惑わされなく、いいシステムだ。

 トラムにの車内はのんびりとしたブルージュとは違い、都会の雑然さがあった。いきなり乗車してきた移民系の子供に文字が書いてある紙を見せられた。つい見てしまった。子供はそのまま車内の中に進んだ。スリの手口としてこのような手段があり、気を取られている隙に財布などを取ると言う。幸い何も取られていないが…。更に怖かったのが、10代後半か20代前半と思しき若者が葉巻のような物をしきりに歯に擦り付けている。これってもしかしたらドラッグ!?一刻も早く降りたい心境になり、短い乗車時間がとても長く感じた。

日帰りでアントワープ往復
  ブリュッセルから日帰りでアントワープに行くため、ホテルに近い中央駅に向う。有名なグランプラスを通り過ぎ、さらにノボテルやイビスなどのホテルがある広場を通り、坂を上ると、古色蒼然としたコンクリートのビルの中央駅があり、地下に島式2面4線のホームがある。

 アントワープ中央駅行きのICが来たが、あえて見送る。国内のICはもう何度か乗っている。なので、オランダのアムステルダム行きの国際ICに乗ることにしていて、どんな列車が来るか楽しみにしていた。ブリュッセル-アムステルダム間にタリスがある今も、その恩恵を受けない地域のため、あるいはタリスを補完する形で同区間を1時間に1本のICが運転されている。いや、タリスのブリュッセル-アムステルダム間は高速線ではないので、所要時間は大差なく、本数はICのほうが多いので、同区間のICもまだ主力と言えるのかもしれない。

 やってきたのは、電気機関車に牽引されたオランダ国鉄の客車だった。国際ICなので席が予約されている可能性があり、予約済みの札が無い所を探して座らなければいけない。だが札がついている席は無かった。

 国際ICのためか、国内ICでは見かけなかった車内販売員がワゴンを押して巡回していた。コーヒーを買い、車窓を眺めながら味わう。

 小型機が発着するアントワープ空港が見えれば、アントワープは近い。アントワープはベルギー第2の都市でダイヤモンドの街として有名だ。

 下車駅のアントワープBerchem駅に着いた。だが、最終目的地はアントワープの中心街に近いアントワープ中央駅が、乗換えなければいけない。中央駅行きのICに乗ればいいのはもちろんは知っていたが、ちょっと違う列車にも乗ってみたかった。

 列車を乗換え、ブリュッセルから1時間ちょっとでアントワープ中央駅に着いた。くし型行き止まり駅で、大きなドームがホームを包み込んでいる。だが、大掛かりな工事中で、普段は6線ほどありそうだが、隅の2線しか使われていなく、見事なドーム状の屋根も赤い鉄筋が目立つ。階段を下り、駅舎の中に立つと天井が高く頭上を仰ぎ見てしまう。古びていて、ターミナル駅らしい雑然さがありながらも、造りが教会か宮殿を思わせる壮麗な雰囲気だった。

 観光を楽しみアントワープ中央駅に戻ってきた。今度のブリュッセル行きICは2階建て車両だった。何度も車窓から2階建て電車を見て乗ってみたいと思っていたのでラッキーだった。もちろん、1等車の2階席に座る。車内は通勤電車のようなクロスシートだった。
 メトロのチケット

ブリュッセル、プレメトロのチケット。
ブリュッセルのトラム、バス、メトロ
はブリュッセル市交通局の運営。

ICで使われていたオランダ国鉄客車

ブリュッセル-アムステルダム間のIC
で使われていたオランダ国鉄の客車。
オランダ国鉄のマークが入っている。
壮麗なアントワープ中央駅

外から見たアントワープ中央駅。
寺院か宮殿か見紛う外観。1905年築
で、現在は国の重要文化財。
2階建て電車

アントワープ中央駅発ブリュッセル
行きの2階建てIC。
ベルギー国鉄2階建て車両の車内

2階の1等車室内。2等と大差無い。

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