ベルギー鉄道見聞録〜ユーレイルパス鉄道旅行記(2)


ベルギー国鉄インターシティの1等車車内

ICの一等車の車内。ゆったりした
横3列のシート配置。
予想外!タリスのチケット取れず
 ブルージュ観光の合間に、数日後のアントワープ−パリ間の国際特急タリスのチケットを取りにブルージュの駅に行った。窓口で希望列車を2本を書いたメモを渡した。答えは「No」である。予想外だった。たぶん現地でも取れるだろうとたかを括っていたので、日本で取って来なかった。希望する前後なら空いていると言う。だがパリから夜行列車(この切符は取得済み)に乗るのに早過ぎは時間を潰すのに困ってしまうし、遅いと夜行列車に間に合わない。ブリュッセルから乗ると言う手もあるが長い時間乗っていたい。作戦の練り直そうととりあえず駅を去った。

遠回りしてブリュッセルへ
 結局、風邪はベルギー到着日と翌日がピークで、それ以上酷くはならず、ゆっと快方に向っている。かと言って、折角のブルージュでの2日間、ホテルで寝てるのは惜しく、多少セーブしながらも、歩き回り観光を楽しんだ。それにしても私の声を聞いたブルージュの人は「すごいダミ声な日本人だ!」と思った事だろう。

 丸2日ブルージュでの観光を楽しみ、ブリュッセルに行く日になった。行きと同じルートを辿っていくのも気が進まず、遠回りしようと思いトーマスクック時刻表とにらめっこを始めた。それでブルージュを9時29分に出て港町オステンドに行く。引き返すようにブルージュを通り、そして来た時と違う線に入る、そして西フランドル州のコルトレイクに入り、そこからブリュッセルに入るというプランを立てた。これでも13時過ぎに着く。

 ブルージュ駅からICのオステンド行きに乗った。ブルージュに来た時と同じデンマーク国鉄のIC3型に似た車両だった。ゲント、ブルージュと主要駅に停車して来たので、乗客は少なく車内はとても空いていた。

 ほんの17分で、終点の港町オステンドに着いた。堂々とした構えの駅舎を通り外に出た。ベルギー最大のリゾート地で、駅のすぐ側にもヨットハーバーが見える。駅を出て右側にはドーヴァー海峡を渡り、イギリスに行くホバークラフト(高速船)の乗り場がある。ユーロトンネルが開通した今でも、トーマスクック時刻表には鉄道連絡の船として記載されている。駅の左側にはトラムの駅があった。

 駅に戻り、コルトレイク行き列車はどれかと探すと、先ほど乗ってきたICだった。定時に発車し、先ほども乗務していた女性車掌が巡回に来て、私を目にすると少し驚いたように「You’ll go back」と言い通り過ぎた。彼女には日本の鉄道ファンにはどう映っただろう?

 ブルージュを過ぎると、ブリュッセルへ行く線に別れを告げ、単線に入って行った。列車は西フランドルの牧場が広がるのどかな風景を走リ続けている。時々すれ違いながら1時間でコルレイクに着いた。

 コルトレイクは小さな待合室と(確か)5、6線のホームがある地方の主要駅だった。気分転換に列車を一本遅らせ、待合所のベンチに座った。

 座った目の前に切符の販売窓口がある。タリスの指定券があるか聞いてみようと思った。日本だと最初がダメでも、キャンセルが出るので、あきらめずに再度アタックしてみれば取れるということがある。その可能性があると思い聞いてみた。しかしアントワープ-パリの希望列車は無かった。

 次のICの時間なので、ホームに行くと、今まで3回乗ってきたICとは違う車両が止まっていた。今までのが最新型だとしたら、そうでない感じの車両だ。もう一度確かめてみると、これがブリュッセル行きICだった。車内に入るとオレンジ色の壁に動物が描かれているのが目に付く。横4列で1等車の割に少々窮屈で、シートのモケットも古びている。だけど通勤用列車と言う雰囲気でもない。特急料金など超過料金を取らないだけあって、車両を厳格に運用しないのかも知れないし、日本にも列車の設備に差があるのと同じ事なのだろう。

 定刻になりブリュッセル行きインターシテイは出発した。市街地を抜けると、またフランドルの牧場風景の中だった。車両は少々古くてもさすがはIC。小さい駅を次々と通過し快調に走る。

時々、駅に停車するのだが、1等車に乗ってくる人はほとんどいない(私もユーレイルパスが無かったら2等車だろう)。なのでボックス席を独り占めしてゆったりだ。車掌が検札に来て、私のユーレイルパスをじっと見た後に返してくれた。

 Zottegemと言う駅でえらく古そうな客車列車とすれ違う。ここからの路線もローカルなムードの路線だ。でもブリュッセルに近づくにつれ住宅が増えていき、ブッリュッセル南駅に着いた。

 ブリュッセル南駅は国鉄の中心駅で、近郊への列車、国内各地へのICが発着し乗降客も多く賑やかだ。ユーロスターやタリスなどといった高速列車も北駅、中央駅ではなく、この南駅から発着する。

 切符売場でまた懲りずにタリスの指定券があるか聞いてみた。但し、今回は作戦を練り直している。とりあえずアントワープ-パリを聞いてみたが1等禁煙、喫煙ともに×。ならばと今度はドイツのケルン発のタリスが停車するリエージュからパリで見てみると、禁煙は空いてないが、喫煙の1等なら空いていると言ので、即決した。ユーレイルパスを提示すると指定席券が割引になるのでもちろん提示した。日本円にして約2100円と意外と安かった。
オステンド駅

堂々とした佇まいのオステンド駅。
ある田舎の駅

オステンドからコルトレイクに行く
途中にあった駅。単線のためすれ違い。
ICと通勤型列車が並ぶ

コルトレイク駅。顔にゴムの縁取りをした
IC(左)。隣りに近郊電車が停車中。
ブリュッセル行きIC

コルトレイクからのブリュッセル行きIC。
ブリュッセル行きICの1等客室

上記のICの1等車客室。横4列と
やや窮屈で古びていた。

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