ベルギー鉄道見聞録〜ユーレイルパス鉄道旅行記(1)

サベナ・ベルギー航空のA340で 成田からベルギーの首都ブリュセルへ。

最悪の体調でベルギーへ 　2000年の11月に、久し振りにヨーロッパ旅行に行く事になった。都市間の移動はほとんど鉄道で、切符はヨーロッパ鉄道旅行の定番「ユーレイルパス」で、15日用を買った。トーマスクック時刻表ヨーロッパ版とにらめっこをしながら予定を立て、最初の訪問国をベルギーにした。 　旅に出る前に、ベルギー国鉄のウェブサイトを見てみたら、発駅、着駅、時間帯を入力すると該当列車をすばやく表示してくれるサービスがあり感激した。直通列車だけでなく、乗換が伴う場合はそれも明示されている。旅行前に大いに利用した。 　成田からサベナベルギー航空に乗り、ブリュッセル・ナショナル空港に到着した。風邪をひいていて、その時の体調はとても悪かった。ガラガラ声、鼻水、そして少々熱気味・・・。成田から少しも回復しないまま、ベルギーに風邪を持ち込んでしまった。旅が楽しみでワクワクするという気持ちは、頭がボーっとして気だるい体に負け薄れている。それでも貴重品には注意しなければという意識は強く、機外に出ると気を引き締めた。

ブリュッセル南駅到着後、インターシティ（IC）でブルージュへ 　入国審査を終え、ベルギー国鉄（NMBS/SNCB）の空港駅に向かった。ユーレイルパス使用開始前に、日付を記入してもらおうとパスを提示した。そうすると窓口の係員が今日からか使うか、明日からかと聞いてきた。夜7時以降に夜行を使う場合は、明日の日付で今日からパスが使えるのだ。今日からだと言い、日付を記入してもらう。ユーレイルパスを受け取り、ブリュッセル南駅方面はどちらの階段を下ればいいかと聞き、指さされた方の階段を下った。 　古びくすんだ感じのホームには、すでにブリュッセルを経由する電車が入線していた。赤色の古びた電車だった。列車や駅があまりきれいでないのはやや難点だが、20分毎にブリュッセルへの列車が出ていて、特急料金など超過料金は必要無い。そして、ブリュッセル市の主要駅、南駅、中央駅、北駅まは20数分とそれ程離れてはいなく、どこかの国の空港と空港アクセスよりはるかに便利だ。ユーレイルパスで一等車に座れるので、もちろんそちらを選んだ。1等と言っても特別豪華な訳ではなく、JRの旧型特急のシートを4人向かい合わせに固定したようなボックスシートで、2等より少しいい程度だ。やはり、車内は古び、汚れが目立つ。 　出発し地下から地上に出たが、もう夜で所々にネオンが見える程度の暗闇だ。幾つもの駅を通過し、ブリュッセル北駅、中央駅に停車し24分で南駅に着いた。ブリュッセルはベルギーの首都で、国土の中央にあり、各地への国鉄のレールが伸びている。国土は九州より少し小さいくらいと、それほど広くないので、ブリュッセルから3時間もあれば、鉄道で国内のほとんどの所に行けてしまう。ブリュッセルの中心駅が北、中央、南の3駅だ。 　今日は南駅で乗換えて、ブルージュに向う。ブルージュの宿の予約をしてなければ、空港でホテルを取り、いち早く身を休めたのだが、当日キャンセルだとお金は戻って来なく勿体無い。だから重い体を引きずりながら、さらに先のブルージュを目指さなければいけない。 　ホームはいかにも古そうな駅で、コンクリートはくすんだ色で古びている。だが階段を下りコンコース降りたら割ときれいで、あまり古さは感じない。カフェ、パン屋、キオスクのような売店がなどの多くのお店があり、それぞれに賑わっている。その中の1つの店でミネラルウォーターを買い、表示板を確かめブルージュを経由するオステンド行きインターシテイ（以下、IＣ=特急列車）の発車するホームに上った。 　入線してきたＩＣを見てビックリした。車両先頭の顔を厚いゴムのような物で縁取りした列車、つまりデンマーク国鉄のＩＣ3型と同じような列車が入ってきたのだ。あの異様な顔は雑誌で見た時から印象に残っていた。ちなみに、ベルギーの国内のみを走るＩＣは予約が不要で、また出来ない。特急料金のような超過料金も要らなく、1等、2等の目的地までの運賃を払えばいい。 　夜の7時で車内は混んでいて喫煙席しか空いていなかった。一等車は横1−2の3列でゆったりしていて,新しくてきれいで快適だ。だが、到着前の車内アナウンスの度に、突然大きな音でチャイムが鳴り、続いて大きな音量で到着駅がアナウンスされる。慣れていないのでこれが繰り返されるたびにびっくりしていた。 　空港駅から約2時間でようやくブルージュに到着し、何とかホテルに入れた。
	ユーレイルパス 上が表紙で、中にパス本体が挟まれている。まん中のぼかしてある部分の上に自分の名前が入っている。使用の初日の乗車前にヴァリテードという作業を駅の窓口でしてもらわなければいけない。パスポートを提示し、ぼかしてある下の部分にパスポ―トナンバーを、券の左側に日付を記入。右側にスタンプを押してもらう。

TOP＞鉄道旅行（鉄道旅行記）＞

ベルギー鉄道見聞録[1]⇒[2]-[3]-[4]