昨今のPCオーディオの普及ぶりには目を見張るものがあります。およそiPodと無縁と思われた
ステレオサウンド誌ですら、デジタルファイルミュージックの特集を組むようになりました。
同誌の2009年春号に、評論家による関連の座談会が掲載されています。PCオーディオに対して辛口な発言も
見られますが、後3年〜5年と立つと状況も変わるだろうと見ています。同誌には近視眼的でない、
PCオーディオの発展につながる記事を期待しています。iPodユーザーをピュアオーディオの
世界に導くこともオーディオ誌の重要な役割と考えるからです。
PCオーディオがいくら浸透したとはいえ、音楽を入手する手段として配信を使うかは別問題です。
iTunesでは様々なジャンルの曲をダウンロードすることができますが、圧縮音源を買う気にはなりません。
例外的に1曲単位で買うことがありますが、アルバムであれば絶対にCD/SACDで購入します。
CDのスペックを超える高音質のデジタルファイルは確かに魅力ですが、アルバムが限定されていて
直ぐには主役にはなり得ません。中古CD市場の充実ぶりを併せて
考えると、当面、ソースの入手ルートはCD/SACDとなるでしょう。
ここでCDをプレイヤーで聴くか、リッピングしてPCオーディオで聴くかの選択肢が出てきます。
思い切ってリッピングに切り替えるという手もありますが、しばらくはプレイヤーで音質向上を
追求したいという気持ちがあります。昨年末に単体のDACを購入したのは、
CD/SACDトランスポートを組み合わせることを視野に入れてのことです。また本質的な理由でありませんが、
アルバム全曲をHDに入れて容量を食われることにも抵抗があります。最近のHDの
大容量化、低価格化からすると気にすることでないかも知れませんが。
したがって、しばらくはプレイヤーが正、PCオーディオが副という方針となります。PCオーディオはその
利便性を活かした聴き方(プレイリストやシャッフル)で楽しみたいと考えています。
テーマを決めてプレイリストを作って聴くことは、プレイヤーではできない楽しみです。
シャッフルもいいですが、ヘヴィメタルの後に歌謡曲が来たりすることもあるので、iPodに
留めておくのが賢明でしょう。勿論、この方針も将来、PCオーディオが進化して音質で明らかに
勝るとなった場合は、再考することになります。
2010年 2月7日