アナログを導入してもう5ヶ月が過ぎました。導入した頃の興奮も収まり、アナログ再生が日常のオーディオの中に
定着しました。アナログ、デジタルを聴く時間の割合は、概ね3:7の
比率となっています。アナログの良さは、勿論音だと言いたいところですが、これは時間をかけて追うこととします。
一方でアナログには音だけに留まらない魅力があります。せっかく導入したアナログです。音+音以外を全方位的に
楽しみたいところです。
音を聴きながら回転するレコードを見ると、何故か落ち着く感じを受けます。
聴覚と視覚がシンクロ
する独特の感覚です。平日の夜、仕事の疲れを癒す手段が一つ増えました。アナログ導入で、
吉祥寺に"しもん"という喫茶店があった事を思い出しました。
既にCDが浸透していた80年代後半ですが、周り続けるターンテーブルが妙に印象的でした。オーディオに踏み込む前の学生にも何か
訴えるものがあったのでしょう。もうすっかり忘れていた事ですが、これもアナログが存続していたからこそのフラッシュバック
です。
アナログ導入で大きく変化したのは、何と言ってもソフト購入の形態です。予想通りアナログ偏重と
なってしまい、毎月のソフト購入枠のほぼ7、8割はLPレコードです。CDは、ほとんどアマゾンでクリック、たまに
ディスクユニオンで購入していましたが、レコードは、いくつかの贔屓のお店で買うことになります。
音源は80年代前半まで限られますが、私自身の多感な中高時代と重なるので、中古
レコード店にいる時間は至福の時間となってしまいます。行きつけの店を
増やすことも今後の楽しみになりそうです。
最後に、肝心の音についてです。現在、共通のアンプ・スピーカーの下、アナログとデジタルを聴いていますので、
両者を比較し易い環境にあります。この5カ月間の印象ですが、意外にデジタルが頑張っていることを
感じます。確かにアナログにはハッとする瞬間があって、特に音の粒立ち感や声の余韻にそれを感じます。しかし
一方で善し悪しのバラつきもあります。まだまだアナログが本領を発揮していないと言われればそれまでですが。
アナログとデジタルの共存は、これからのオーディオの大きな課題です。ゆっくり行きましょう。
2012年 10月7日