![]() ヴェネチア(ヴェネツィア,ベネチア) のある小運河と小さな橋 |
小さな橋 ヴェネチアには大運河の他にも、網の目のように張り巡らされた小さな運河が数多くあり、裏道を歩いているとそれらの運河を目にしたり、橋で渡ったりする。狭い運河もやはり生活水路で、時々荷物を積んだ船が通っていた。 狭い運河の両脇に建物が立ち並び、少し狭苦しい。そんな運河に小さなレンガの橋が掛かっている。ヴェネチアの運河に掛かる橋は材質、デザインなど様々で見ていて面白い。 運河に掛かる橋を見ながら歩くのもベネチアの楽しみの1つかもしれない。 |
![]() 13〜15世紀の建物に囲まれ、14世紀の井戸 が残るサンタ・マリア・マテール・ドミニ広場 |
時が止まった広場 有名なサン・マルコ広場の他にも、ヴェネツィアにはいくつもの広場がある。サンタ・マリア・マテール・ドミニ広場もそんな数ある広場の1つだ。14世紀の井戸がを中心に、周りを13〜15世紀築の古い建物で囲まれている。インパクトがあるわけでなく、こじんまりとした古めかしい広場で、何も知らなければそのまま通り過ぎていただろう。 だけど500年以上前の何の変哲の無い建物がこうして残っているのを目の当たりにすると、よく残っていたなあと関心する。それと同時に不思議で、時が止まったのか、それとも500年前に迷い出たのかと言うような気分になる空間だ。 |
![]() 渡し舟・トラゲットが大運河を横断する。 |
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市民のゴンドラ「トラゲット」 大運河に「トラゲット」というゴンドラを使った渡し舟がある。ヴェネチアの観光名物の1つと言えばゴンドラだが、1人で乗るのは高いし、気が引けるのでわざわざ乗る気にならなかった。もちろんゴンドラには興味があるので、700リラ(約50円)と安いトラゲットの方に乗ってみようと思った。 待機しているトラゲットに乗り、料金を船頭に直接手渡す。立ち乗りなので、波でゆらゆらと揺れるトラゲットの上で立ちながら出発を待った。集まって来る乗客は、観光のゴンドラと違い、対岸に渡る地元の人ばかりだ。ヴェネツィア中心部を流れる大運河に掛かる橋は、リアルト橋、アカデミア橋、スカルツィ橋と少なく、トラゲットは橋の無い場所の行き来のため、住民の生活にしっかり根付いた乗り物なのだ。 乗客が増え満員になると、船首と船尾に立つ2人の係員が舵を動かしトラゲットは動き出した。激しく揺れる訳ではないが、意外と揺れる。捕まり棒や転落防止柵など無いので、微妙にバランスを取りながら乗らなければいけない。もし大運河に投げ出されてしまったらかなり恥ずかしい。私は大運河の真上からの景色を見ながらも、少しハラハラしながらバランスを取っているが、地元の人は平然と乗っている。 ほんの2、3分で対岸に着いた。景色を楽しむというよりか、大運河の揺れをこの身で味わうためにに乗ったようなものだった。 |
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![]() 多くの市民で賑わう魚市場 |
ヴェネチアの魚市場 トラゲットを降りた所には魚市場がある。その他にも野菜、果物などの市場もあり、多くの市民で活気付きベネチアの台所といった感じだ。私もその中に混じり店先を覗いてみる。新鮮な魚が並び、ラグーナと書かれた近海物もある。 だけど、日本の魚屋とは違い、見慣れない魚も並び、それらの魚ははなんとなく派手な外見に思える。またパッと見てこれは海老だなと分かっても、日本では見たことも無いような種類の海老だった。この旅行中に、夕食で買ったサラダに入っていた海老の姿からウジ虫を連想してしまった。魚市場で目の前に並んでいた海老は、うじ虫のような海老に似ているような気がした…。 |
![]() ヴェネツィアのトイレカード。観光名所の リアルト橋の写真が使われている。 |
トイレカード ヨーロッパではトイレの利用が有料なのは当たり前だ。出先で無料でトイレを使う事が当然な日本人の私には、小銭とは言えチップを払うのが億劫で、勿体無いと思いながらいつも払っている。 リアルト橋の近くに公衆トイレがあり、やはり有料で、チケットの自動販売機にお金を入れた。出てきたのはテレホンカード程度の大きさのリアルト橋の写真が入ったプラスチックのような材質のカードだった。たかがトイレのチケットでこれほどに凝り、素敵なベネチアらしいカードを作ってしまうのに感嘆してしまう。入口の改札口のような所に差し込みながら、この素敵なトイレカードが帰って来ないか期待したが、無情にもそうはならなかった。 それでもこのカードが欲しく、安いので記念に一枚買った。トイレのチップを払うと、こんなカードが貰えたら喜んで払うんだけどなあ… |
![]() 手摺りの無い橋「悪魔の橋」の上から トルチェッロ島の運河を眺める。 |
今は静かなヴェネチア発祥の地 ヴェネチア最終日にヴェネチアンガラスで有名なムラーノ島に寄った後、ヴェネチア発祥の地の1つトルチェッロ島に向った。ヴァポレットは海中から出る杭を道標に、一個一個なぞるように進み、どんどんヴェネチア本島が小さくなっていく。 ムラーノ島から25分程でトルチェッロ島に着いて、ヴァポレットから降りたら、工事中のフェンスで囲まれた空地が目に付くだけで、殺風景で寒々しい風景だ。 だが、小さな運河沿いに出たら景色が開けた。運河の右手はほとんど牧草地のような空地だ。建物や人が少なく静かで、まるでビルが立ち並ぶ都会から、開放感溢れる田舎に来たような気分だ。 でもここはヴェネチア発祥の地で、5〜10世紀は2万人もの人が住んでいたが、マラリアの蔓延で衰退していったという。かつてはもっと賑やかで建物も多かった事だろう。 ヴェネチアでも珍しい手すりの無い「悪魔の橋」呼ばれる橋がある。でもその名に反して、悪魔の橋の上から眺めるトルチェッロ島の風景はとても穏やかでのんびりしている。 |
![]() 後方の塔とその左横がベネチア最古の教会 「サンタ・マリア・アッスンタ聖堂」。右側がサンタ・ フォスカ聖堂。 |
ヴェネチア最古の教会 運河沿いに歩き町の中心部には、古そうなレンガの教会があった。左手奥が7世紀に建てられたヴェネチア最古の教会「サンタ・マリア・アッスンタ聖堂」とその右手に11世紀に建てられた「サンタ・フォスカ教会」だ。 教会に入ろうと窓口でお札を出したが、その金額が大きすぎてお釣が出せないらしい。そのため購入を断られる事は海外では時々あることだ。小額のお金の持ち合わせが少なく、仕方ないと思い教会を外から見ていた。 窓口の女性に呼ばれた。何とおつりの金額を揃えてくれたらしい。私は入場券を手にする事ができ、「グラツィエ!」と言い教会の中に入った。 じっくり教会を見て、この島でもっとのんびりしたかった。だが残念ながら、本島に戻るには時間が掛かり、ヴァポレットの本数が少なく、次のを逃したらパリ行きの列車に乗り遅れてしまいそうだ。まだ本島や周辺の島など見ていない所も数多くあり、いつの日か再びヴェネチアを訪れる事があるだろうと、自分を慰めるように帰路に着いた。 [2000,11月訪問] |
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