名古屋ガイドウェイバス「ゆとり―とライン」乗車記(2)


専用道を走るゆとり―とラインのバス

道路を見下ろし高架の専用道悠々と走る
ゆとり―とラインのバス。写真は
JR東海バスのみずの坂行き。バスの
デザインは共通だが正面方向幕左側の
会社マ―クなどで識別できる。

街を見下ろし悠々と走る
 出発数分前に高蔵寺行きが入り、並んでた乗客は一斉に車内へと入る。私は何とか運転手後ろの席を確保できた。昼間なのに車内は立客が出るほどの盛況で、次発の中志段味行きの乗り場にも10人近く並んでいる。試乗組が多いのだろう。運転席の小さなディスプレイを覗くと名鉄と書いてある。正面の行先方向幕とその横のマークが違うだけでデザインは共通だ。

 時間になりゆっくりと出発し白いコンクリートの高架に漕ぎ出した。おお!ドア扱いのスイッチを動かした後、運転手はハンドルを握ってなく、手は指差確認している。ハンドルが進路に合わせ勝手に動いている。

 次はなごやドーム前矢田だ。名前の通りなごやドームの最寄駅で、屋根付きの長い連絡通路が伸びている。運転手が「お客様ー」とマイクを通し後ろ扉から下車した乗客を呼び止める。ゆとり―とラインは後ろ乗り、前降りの運賃後払いだ。旧路線の名古屋の市バスは前乗り後ろ降りの運賃先払いだ。うっかり後ろから降りてしまい、お年寄りが敬老パスを見せながらバツが悪そうに笑っている。

 バスは密集する建物と道路を見下ろしながら悠々と走る.。緩いウエーブが掛かっているような高架が続き、軽くアップダウンしながら進む。高架の上で進むのを邪魔する物は無く一定の速度で走る。揺れは少なく、信号に止められる事も無く快適だ。

 市バスと料金のシステムが違うため、乗客が運賃の支払い方に慣れていない。駅に止まる度に運転手が説明している。乗客も慣れない事が多く、運転手もしばらくは大変だ。市バスの場合ほとんどの区間が200円均一だったが、ゆとり―とラインの旧市バス区間は200円が初乗りで段階的に上がっていくシステムになっている。

 これまで砂田橋、守山、守山市民病院、若宮と乗客を少しずつ降ろしていく。逆に乗ってくる人は少ない。7、8分走ると建物の間に空き地や畑が目に付くようになってきた。大曽根から10分の川村まで来れば立ち客は数人になった。白沢渓谷駅を過ぎ右手に小幡緑地が見えると、もう高架区間の終りの駅の小幡緑地だ。わずか13分だった。だがここまでの6.8kmをかつては下の一般道を通り2、30分掛かっていたというのだから、とても便利になったものだ。

 小幡緑地駅を出て、高架を下るとモードインターチェンジと言うスペースがある。遮断機前で一旦停車し、案内装置を引っ込るなど、一般道を走る準備をしたら遮断機が上がる。モードインターチェンジ内を180度カーブしながら進み、警備員が2名立っているゲートを通り過ぎると県道15号線に入った。

 県道15号線に入っていくつも“バス停”に停車する。道が空いている時間帯なので、順調に走っている。途中片側2車線の道路もあり、反対車線の都心部に入る道路にはバスレーンが設けられていた。だが中志段味の手前から片側1車線になり流れが悪くなった。それでも30分で中志段味に到着した。従来なら4、50分掛かっていたという。ここで私は席を立った。

 名古屋市交のプリペイドカード「ユリカ」が使えるので挿入口に入れたらピーと言う音と共に処理されず戻されてしまった。運転手さんに支払い方を教えてもらった。乗車時に整理券を取る(ユリカなどカードなどを利用なら、整理券発行機の横のカード確認機?にカードを通す)。下車時に整理券を小銭箱に入れる。整理券のバーコードを機械が読み取り、運賃が解かる。そして運賃(もしくはカード)を入れ支払う。整理券を取った時にバーコードが入っているのを不思議に思ったが、そういうことだったのだ。ここまで420円だった。ユリカ、ゆとり―とカードの他に名鉄バスカード、パノラマカード、パノラマプラスカードが利用できる。

 すぐ折り返すので、反対側の車線に移った。もうすでに何人か並んでいて、よく見ると同じバスに乗っていたお年寄りばかりだった。名古屋市交通局の敬老パスが中志段味まで使えるので、試乗に来ていたのだった。
高架の末端の小幡緑地駅

高架区間の末端駅、小幡緑地。
モードインターチェンジ

小幡緑地駅の高架を降りた所の
モードインターチェンジで一般道を走る
ための準備をする。専用道に入るバス
も一旦停止し、専用道を走る準備をする。
中志段味バス停

中志段味のバス停。他路線のJRバス、
名鉄バスの路線と共用だが、ゆとり―と
ラインのイメージのバス停となっていた。

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