上飯田連絡線開通(地下鉄上飯田線・名鉄小牧線)


上飯田連絡線・上飯田線用の名市交7000系

2003年3/27、上飯田連絡線開業。
写真は名古屋市交通局所有の
7000系。現在は2編成しかなく、まだ
乗る機会に恵まれていない。(間内駅)

上飯田連絡線開通
 2003年3月27日、小牧線沿線住人にとっては待ちに待った上飯田連絡線(平安通−味鋺間)が開通した。説明は約1年前の小牧線乗車記にあるので、ここでは割愛するが、平安通−上飯田間は名古屋市交通局の上飯田線として、上飯田−味鋺間は名鉄小牧線として運行され、従来の小牧線区間も含め、平安通−犬山間を両社の相互乗り入れで運行されている。
 上飯田線に乗るために、久し振りに平安通駅にやってきた。だが、ここから上飯田線に乗るのではなく、あえて地上に出て、上飯田駅まで歩き始めた。上飯田連絡線開通前、小牧線利用者は上飯田−平安通間を歩く人が多かったが、今はどうなっているか見るのも悪くはない。
 工事が終わった道路は、フェンスなどはすっかり取り払われすっきりとした眺めで、歩道も整備された部分もあり、明るい雰囲気になっている。1年前と訪問時と、ほぼ同じ時間帯だが、上飯田線開通のため、足早に平安通駅へと歩く人とはやはり擦れ違わなかった。
 そして、旧上飯田駅があったスーパーと公団が同居したビルに着いた。ビルはそのままの姿だが、ビルの真正面に地下に移転となった上飯田駅の入り口がある。その背後に隠れるように、“旧”上飯田駅に上がる階段が1年前とは変わらずにあった。階段下のキオスクのような店舗も健在だ。だが、上がってみると、かつての改札口はシャッターが降り、そこは薄暗く閉ざさた空間と化していた。長年の利用で薄汚れ、駅移動の旨を知らせる看板が2個ぽつん佇む。僅かに床屋があり、スーパーの2階に通じているが、駅の地下化により、ここを通る人はめっきりと減り、まるで場末のような廃れた雰囲気が漂う。シャッターの向こうのホームは工事中のようで、何かをガンガンと叩く音が絶えず響いている。
 しばらく地上で過ごした後、真新しい上飯田駅に降り、自動改札にユリカを通した。上飯田連絡線開通と同時に、トランパスという名市交、名鉄、桃花台線共通のプリペイドカードシステムが導入された。交通局は「ユリカ」、名鉄は「SFパノラマカード」とそれぞれのカードがあるが、加盟各社の線で、区別無く利用できる。(※名鉄の鉄道線では、2003年6月現在、小牧線でしか利用できない。順次、拡大予定とか)
 従来のホームには、ホームドアが設置されているのが目新しい。列車の本数は上飯田連絡線開通前の小牧線よりも増発されたが、日中は15分に一本なので、しばらく犬山行きの列車を待った。
 7、8分で犬山行きの列車が到着した。時間帯のせいもあり、車内は結構空いている。お陰でクロスシート部の窓際を確保できた。
 以前は行き止まりの上飯田駅を出ると、木製枕木が敷かれた単線のレールを走り、住宅地を眺め、2本の川を越えていたものだった。今は、地下の暗闇をモーターを響かせながら走っているのを体感すると、おお遂に開業したのだなと驚きと共に実感する。そして、初夏の日差しを浴びる地上に出て、味鋺駅に停車。こちらも真新しい2面2線の新築の駅が建っている。小牧線はまるで違う路線に生まれ変わったような感覚を覚え、気分も違ってくる。
 だが、そんな感覚も、列車が郊外に進む度に、住宅街に、畑や工場などが混じる見慣れてきた小牧線の風景になる。
 だけど、駅は整備されていて、停車する度に大いに興味を引かれた。駅舎が無かった春日井駅は、小さいながらも立派な駅舎が出来、間内駅は年季の入った木造駅舎に代わり、コンクリート駅舎になっていた。これは、無人駅の多い小牧線のワンマン化とトランパス導入に際し、自動改札機によるチェック、運賃収受のためのとの事。
 小牧駅に到着し、地上に出てみて、周辺をぶらぶらする。整備された駅前を行き来する人は少なく、東西を結ぶビル内の通路も閑散としていて、通路両脇には、相変わらず空き店舗が目に付く。
 小牧駅東口に出ると、あちこちで黄色い旗が風でバタバタと揺れているのが目に入る。その旗は桃花台線・ピーチライナーの値下げをアピールする旗だった。始めは上飯田線と小牧線だけ乗って帰るつもりだったが、旗に誘われ、足はピーチライナーの駅舎に向かっていた。

桃花台線・ピーチライナー乗車記のページ

 帰りに間内駅に寄った後、平安通行きの列車に乗った。車内は空いていたが、クロスシートは一人客を中心に、誰かが座っていて、ロングシートにもそこそこ人がいる。日中は15分に1本、4両固定の編成と、輸送力増強された事を考えると健闘と言えるだろう。
 上飯田駅を出ると、あっけない程、直ぐ終点の平安通駅に着いた。以前、平安通−上飯田間を歩かされていた者の感覚としては、本当に直ぐの到着に感じ、歩いていたら今頃はどの辺だろうと、思わず頭に浮かぶ。
 上飯田連絡線が開通したからと言って、急激な変化は無理なのだろう。それに、車社会が顕著な世の中だ。だけど、平安通駅直通で、小牧線は確実に便利になっている。沿線共々、これからの発展に期待が持てそうだ。

[2003,5月訪問]
旧上飯田駅

小牧線の旧上飯田駅跡。上飯田線連絡線
の開業で、駅は地下へ移転。

地下に移転した現在の上飯田駅

現在の上飯田駅。名古屋市交通局では
初のホームドアが目新しい。

旧間内駅旧駅舎


間内駅新駅舎

新旧間内駅。立派な駅舎に変わった。
上りホームは駅舎はに接しバリアフリー仕様
になっていた。下りホームへは跨線橋を渡る。
上飯田線平安通駅

平安通駅上飯田線ホームに到着。
名城線に乗り換え、栄へ。



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