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消費税は、人々が生きるための衣・食・住にそっくりかかる税金。
所得の多い富める人も、少ない年金や失業で、ぎりぎりの生活に追われている弱い人も、同じ消費に対して同じ税率です。所得の少ない人ほど負担割合が重い税制として、憲法が要請している応能負担の原則に反する不公正、不平等の税制です。子どもからも、寝たきりのお年寄りからも生きている限りとられる過酷な税金です。
税金における「公平」とは、平和と民主主義、社会保障を明記した日本国憲法にもとずいて、生活費には課税しない、税金は所得の多い人から重く、少ない人は軽くという「応能負担」でなければなりません。消費税はこうした税のあり方と真っ向から相反する「逆進性」の税です。税制は直接税を中心に、総合累進課税で課税、の租税民主主義の原則に立ち返ることが必要です。
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1989年4月、消費税導入の際、政府は「高齢化社会のため」と大宣伝をし、多くの国民はそれを信じ込まされました。しかし、この22年間に、健康保険本人の医療費自己負担は一割から3割に引き上げられ、老齢年金の支給開始年齢も60歳から65歳におくらされ、介護保険制度の創設で、保険料の負担に加えて利用者負担が請求され、さらに75歳以上の医療差別を行う後期高齢者医療制度の発足、などなど、社会保障は衰退の一途。「消費税導入は福祉のため」ということが真っ赤なウソだったことがはっきりしました。1992年9月3日号の「週刊新潮」で、当時の加藤寛政府税制調査会長が、「高齢化社会のためといわれ、われわれ税調もそう説明したが、本当はああ言えば一般の人にわかりやすいから」と国民だましを告白しました。 こうした事実から消費税は福祉のためではなかったことは明らかです。
では何に使われたのでしょう。
この22年間に消費税の税収は238兆円です。しかし、同じ時期に大企業などの法人3税は、相次ぐ減税と景気の低迷のなかで、223兆円の税収減になっています。これではまさに、消費税収が、そっくり法人税の穴埋めにされてしまったといっても過言ではありません。また、もうひとつ注目すべきは消費税導入の翌年から、日本の軍事費はぐんと伸びて、現在世界でもトップクラスの年間5兆円にもなっていることです。
消費税の導入が決まったとき、当時の竹下首相は「これで(消費税導入で)国債貢献することができる」と述べました。消費税のもう一つに目的は軍事費の拡大のためだったと言えます。
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民主党政権は選挙の時には「4年間は消費税を引き上げない」といっていましたが、6月には「社会保障と税の一体改革」の成案を決定、消費税を2010年半ばまでに10%まで引き上げるとし、通常国会に提出することを言明しました。同時に社会保障についても大改悪するというもので、年金額の削減、保育への公的責任放棄、高齢者の医療費負担増、外来受診時の定額負担などが議論されています。
これでは庶民は消費税増税と社会保障改悪のダブルパンチ、負担が増えるばかりです。各国の社会保障の財源構成を比較した表を見て下さい。イギリスでは消費税の割合は11.4%、ドイツは10.7%、フランスは4.5%、イタリアは8.8%、スエーデンは12.3%などで、ヨーロッパの社会保障は消費税によってささえられているのではないことがよくわかります。日本との決定的な違いは、大企業の「事業主保険料」です。そしてその他の税=所得税や法人税などの累進制度の税です。
日本が社会保障を充実させる最大の道は大企業が社会的責任を果し、社会保険料や税を負担することです。社会保障のために消費税をーという目的税になれば、社会保障をよくしたいといえば、消費税増税を、消費税増税がいやなら社会保障は改善できない、と泥沼になるばかりです。
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たしかに消費税(付加価値税)は、ドイツ19%、スウエーデン25%に対して日本は5%ですが、数字だけで高いか低いかとは決していえません。
日本は大根もダイアモンドも一律5%で非課税はほとんどないため、生活が消費税づけで、消費支出の何と89%にも消費税がかかっています。一方、欧州の消費税を見ると、例えばイギリスでは標準税率は17.5%ですが、食料品、上下水道サービス、新聞、雑誌、書籍、子どもの服や靴にいたるまで日曜生活費はゼロ税率です。生活費非課税が行き届いているために、消費税がかかっているのは消費支出の62%なのです。スウエーデンは標準税率が25%ですが、消費支出の割合は58%、イタリアは同じく20%に対して52%です。日本は消費税率は5%ですが、こうした結果、税収全体に占める消費税収の割合は、イギリスは17.5%の税率に対して22.0%、スウエーデンは25%の税率に対して24.6%と比べ、日本は税率が5%でもすでに14.7%になっており、決して低いとは言えません。
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日本はいま、国と地方合わせた借金は850兆円にものぼるといわれています。この膨大な借金を孫子の代まで残してよいのか、これは国民の借金だから、みんなで力を合わせて返すために消費税の二桁増税もやむを得ない、という宣伝がマスコミを通じて、まことしやかに流されています。
大事な事はこの借金を誰がすすめ、誰がトクをしているかをはっきりさせることです。まったく私たち国民の責任ではありません。1%で2兆5000億円もの税収を得られる消費税。この消費税があることで、歴代の政府が安易な放漫財政を重ねた結果の借金です。 消費税が実施されて以降、法人税の税率は10%、所得税の最高税率は20%、住民税の最高税率も6%も引き下げられ、大企業や大資産家ほど大きく減税されました。国民から消費税でがっぽり吸い上げ、大企業や大資産家の懐を大きく膨らませたのです。
国民から吸い上げた税収は、大型公共事業費や、大銀行の不良債権の処理、世界第2位にのぼる5兆円もの軍事費などに湯水のように使われ、国民の社会保障や生活はどんどん切り捨てられてきたのです。
国の借金を消費税で埋めるなどとんでもないことです。これまで減税などで大きな利益を上げてきた大企業の法人税や、大資産家の最高税率を元に戻し、社会保障費負担を増やすなど、税制のあり方を基本にもどすことです。
そして年間5兆円もの世界でトップクラスの軍事費にメスを入れ、国民のくらしと社会保障にまわすべきです。
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【PDF】=消費税の各政党の主張と行動=
【PDF】消費税をめぐる各党の態度は?
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資料1:消費税が導入されても社会保障は悪くなるばかり
資料2:消費税20年…税・社会保障などをめぐる主な出来事
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