
第5章 雪降る夜の露天風呂(立入禁止)

バスに乗ること15分、遂に温泉に着いた。しかしここでのバスのシステムは降りたい時に運転手に言うと、そこで降車できるという奇妙なシステムであった。(バス停は一応有るのですが。)人家が少ない所ではよく見かけるシステムですな。僕とマサルさんは理解不能だったけど、おかわんさんは温泉を少し過ぎたところで言ってくれて運転手さんが気付かなければもう少し先まで行っていたはず、何とかうまく降りられれた。あむみは温泉の駐車場に着き、周りに人がいないのを確認すると、やおら上半身裸になり、寒稽古を始めた。1枚写真を撮るが、パンツがはみ出ている事に気付き、もう1枚撮った。隠しリンクボタンをクリックすると、おおっぴらに公開していないもう1枚の写真が見られます。
温泉は公営の施設なので入湯料は頗る安く500円であった。更に露天風呂設備と言う贅沢極まりない物であった。しかし・・・・・僕達の到着した時間(3時40分頃)と露天風呂の清掃時間が不幸にも重なり露天風呂には入れないとの事であった。(涙。)(露天風呂は午後3時から清掃タイムになっているようだった。しかも週に1度、木曜日だけ。そんな情報、何処にもなかったぞ、コノヤロー。大体東京から水上まで行くのに午後3時より早く着けるかコノヤロー。前日飲んでたし。)
仕方がないので普通の風呂で我慢する。普通の風呂から露天風呂へと続く道には、立入禁止と書かれた札が掛かっており、僕達に、
「もっと早く来れば良かったのに、残念でした。(バーカ。)」
と挑発しているようでむかついた。しかし普通の風呂もガラス張りで、水上谷川の風光明媚な渓谷が堪能できて、旅情を感じられる。(と思い込ませる。)そしていつもの如く温泉に入って熱くなれば外に出て身体を冷やし、寒くなればまた温泉に入って体を温めるという行動をずっと繰り返した。何となく饅頭と塩煎餅を交互に食べる行動に似ていて僕は結構気に入っている行動のうちの一つである。(村上春樹もエッセイで言っていた。)そんなことをしている間は良かったが、マサルさんの発案で誰が一番長く温泉に浸かっていられるか競争することになった。勿論、最初に出た奴は罰ゲームである。しかし勝負の結果は、あむみが自らノーコンテスト試合を宣言(これで罰ゲームがうやむやに)した後、すぐに飛び出した。この後しばらく3人は廃人となる。
まったりし過ぎて上機嫌になってきたところ、やはり、
「露天風呂にも入ってみたい。」
と言う欲望が温泉の湯気の如く沸々と沸き上がった。これは清掃中であろうが無かろうが取り敢えず露天風呂に入ってみるしかない、と思い露天風呂へと続く道を下って行き普通の風呂を後にした。この時、寒暖計は0度を下回っていた。立入禁止の札の所で一瞬躊躇したが、我々は露天風呂に入りにわざわざ東京からやってきたのだ、と言う非整合的な考えで自己を正当化し、
「喧嘩上等、立入禁止上等、そこんとこ夜露死苦。」
の様な気持ちで結局露天風呂へと向かった。(←硬派だ。それはあむみだけ。)実際に露天風呂に行ってみると、清掃は既に終了しお湯を入れている途中であった。(10センチ位張られていた。)しかし折角身の危険を冒しここまでやって来たのだし、景色も普通の風呂よりの格段に綺麗なので、わずか10センチ程しか張られていない風呂で不自然な格好で暖まりながら温泉ライフを満喫した。(←端から見るとかなり奇妙な姿で湯に入っていた。湯に入っていると言うよりは、湯にへばりついていたと表現する方が適切である。)
ここで立入禁止を物ともせず蹴散らし、一般ピープルは来られない(←一般ピープルは常識的にこの様な所には来ないのであるが)露天風呂に浸かっていた僕達は、(ある種の優越感から)またまたハイテンションになって露天風呂で記念撮影する事にした。僕はカメラ小僧だったので、脱衣所からカメラを取りに戻り、再び露天風呂へと向かった。(なんだかカメラを持って風呂場をうろつく姿は、端から見るとまるで痴漢か変質者だ。)そして僕達の他に誰もいない露天風呂で一人ずつ記念写真を撮った。まるで一昨年の箱根の様に。箱根で何をやらかしたかは、士郎+今回の3人に聞いて下さい。
後日談。その写真を現像してみると、僕の写真はカメラが遠かったので鮮明には写っておらず、僕であると言う識別は不可能であった。(良かった良かった。)おかわんさんの写真は下半身が雪に埋もれていたので、(撮影する時はさぞかし苦痛であったろうと思われるが陰謀でフィルムが巻かれておらず撮影に時間がかかった)なんとか公開出来る物であった。(でも箱根での写真があるから良いか。やかましい!(-_-メ) )マサルさんの写真は???であったので、僕は現像後写真を受け取るときに店員の前で自分の写真を確認するのが甚だ苦痛であった。(しかしこの写真は現在部内に公開されており、部員の悪評を巻き起こしている。薔薇族投稿か。こら、こら)

(写真・中央下の白く薄ぼんやりしたのがあむみ)


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