担当:あむみ
お疲れさまです。
「飛石連休は飛石出勤」との格言もあるとおり、昨日だけ出勤してきました。しかも出勤を見計らって天候が良くなるし、くそー。さらに、夏の習慣でYシャツ出勤すると寒いし、くそー。
(いきなり愚痴になってしまいましたが、その中にはカレンダー通りに動くと言う美徳が隠されていると言うことで、本題に入らせていただきます)
ダメ出し後の再提出で若干の修正有。以下本文。
あ、編 〜おっさんとの戦いとストーカーとの戦い〜
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その日は朝からが勝負であった。本日は「のぞみ博多行き最終の18:57までに仕事をバックレる事」を至上命題として起床。そして出勤。出社後フロアを見渡すと、お盆期間であるがなぜかそこそこの人がいる。「みんなお盆休みないのね」と思いつつも隣を見ると残念ながら上司もいる。朝礼後の勤務時間記録票の回覧がきた時にはとりあえず18:00退行(退社)くらいかと記入しようかと思ったが、ここはインパクト大の「定時退行」を記入(当日の定時は17:30)。ここから、血で血を洗う無言の戦いが始まった。
※一番スムーズな流れは(1)定時退行記入。(2)回覧中に「こいつは定時に帰って何かする気だ」と言うことが班内に伝わる。(3)昼休み等無駄話する中で「自分、今日ははやく帰るッス」とさり気なく主張。(4)定時即行バックレ。となる
定時を過ぎ18:00に差し掛かる頃、そろそろ「バックレだ−」と言うことで上司に一言。
あ 「すみません。お先に失礼します。」
上司「なに、聞いてないぞ」
あ 「いやー、言ってはいないんですけどねー(注1)。しかし新幹線予約してるので(注2)今行かないとやばいんですよ」
(注1)「おめー、俺の今日の定時退行、朝の回覧時に確認してるじゃねーか、おらー」と心の中で叫ぶ。しかし何で定時退行するのだと聞かれた場合、「実は茶道部裏夏合宿があって・・云々」と説明するとかなり長くなるので省略した事が、仇となって帰ってきた。
(注2)第01話のとおり予約はしていない。
上司「ばーろー(注3)、こういうときはなあ、早めに申出て・・・(以下数分の説教、省略)・・・しょおがねー、引継ぎ事項(注4)を書いておくから月曜朝にメール見ろ」
あ 「しょおがなく失礼します(注5)」
(注3)よく上司は「バカヤロー」のことを「ばーろー」と言う。
(注4)上司は翌週夏休みであり小職と引継ぎする予定であったが小職の即行バックレにより計画は頓挫。翌週出勤してみるとA4用紙3ページにもわたる引継ぎ内容が記されていた。(趣旨としては俺のいねー間にこれやっとけと言うこと)
(注5)今度上司と会うのは再来週なので恐らく忘れているだろうという目算あり
楽勝と思っていた退行に思わぬ敵キャラで時間をとってしまった。よそ行き顔のLAZY GIRLSではないが今頃時計を気にしている(注6)。金曜日の夕方6時過ぎと言うことで普通に退行する(注7)女子行員軍団のラッシュアワーであった。
(注6)本当は時計は持ってない。
(注7)彼女たちは普通に帰るが、なぜか僕の場合はバックレ扱いになっている。
脱出途中、同じフロアの女子行員軍団に見つかり、怪しい姿(旅行かばんに上着なしのスーツ姿、バックレが成功したことによる安堵の表情)に好奇の念から、声をかけられそうになったがシカトして東京駅に向かう。
携帯でマサルさんに連絡をとろうとするも、“(一応表向きは)携帯は持っていないことになっている”ので電話がかかってくるのを待つかと思案。念のため携帯を取り出すと見知らぬ番号が履歴に残っている。訝しげにその番号を眺めていると、再度同じ番号からの着信がきた。「もしかして新手のストーカーでは」と懸念しつつも電話に出ると、電話の主はマサルさんであった。とりあえず東京駅に待ち合わせということで連絡はとった。「おめー、携帯持ってるんじゃねーか」と詰問するも、かけてきた携帯は“あくまでも会社用の携帯”ということらしいので、そういうことにしておいた。
※高野勝氏には学生時代から携帯電話を所持しているものの茶道部員には番号を教えないと言う疑惑あり。
東京駅に着くと再度電話がかかってきた。待ち合わせをするマサルさんかと思っていたら、なんとストーカー(自称遠藤、以下遠藤)の文字が携帯の画面に怪しく光る。大体このような電話の内容はあまりいいことではないことが瞬時にして察しられた。むしろ何かしらの問題がこの電話をとることによって生じてしまう予感がぷんぷんしてきた。
電話の内容は予想通りあまり好ましいことではなく、「新幹線の乗車券、「名古屋−博多」間を買っといてくれー(俺の席とっとけ、おらー)」と言うものであった。「自分で買え」と言うのが正直な心境であったが、あいては数々の戦歴の持ち主である遠藤である。心してかからなければならない。恐らく遠藤のストーキング活動に負けてチケットを購入した場合、数時間後には遠藤が電車に乗れずにチケットは(例えるなら支払を停止したアルゼンチン国債の様に)ポシャる可能性が極めて高い(債務不履行!)。アクセスのコンサートをブッチしたときの債務6000円との相殺条項を織り込んだとしても、まだ5000程度の担保保全が必要だ。「やだ」と一蹴するも、豊富なストーカー歴を持ち合わせている遠藤はなかなか諦めない。仕方がないので「お申出の件につきましては、一旦持ち帰らせていただいて、当方で検討させていただきます。もし問題点等ございましたら改めてご連絡差し上げます」と一応応諾と言う形で電話を切った。(買う気なし)
運良く、お盆前の金曜日ののぞみは車内ほぼ満席で、「名古屋−博多」間は1席のみ空いていたので遠藤の分はなかった。自分の分だけ席を確保してのぞみに乗車した。しかし車内では「東京−名古屋」間は立ち乗りとなった。仕方がなくデッキに向かう。そしてデッキに座った(スーツのまま)。まるで職を失って新宿駅周辺にたむろするホームレスのごとく周囲からは見えただろう。あたりを見渡すと、同じ境遇のサラリーマン風の人がいた。しかし彼は折り畳みの椅子を持参してきており、椅子に座りながら読書をしていた。「そこまで準備するなら事前に指定席買えよ」という突っ込みを心の中でした。
名古屋に着き席が空いた。一応禁煙席であったが、喫煙車両と接しており、自動ドアが開く度に煙が立ち込めると言う極めて中途半端な禁煙席であった。「なんじゃこりゃー、禁煙車近くのデッキに喫煙コーナー作るなー」と思いつつも一応座れたからよしとした。禁煙車両に乗りながらもタバコに飢えている人達は、車内に乗り一息ついたらタバコを吸いにデッキに出て行くようであった。実際に駅に着いて数分後には喫煙コーナーに人が集まりだし、数分後には誰もいなくなった。居酒屋の席に着いて「とりあえずビール」と同じように「とりあえずタバコ」と言った感じであろうか。
そういえば東京駅から電話をかけてきた遠藤は名古屋から乗れたのだろうか。車内にいるかもしれないので(しかも乗れたとしてもどうせ立ち乗りだろうから、椅子に座る素晴らしさを自慢しようと思い)電話をした。そうしたら「電車のれなかったですうう」との返事が返ってきた。やっぱり。もしストーキング活動に根負けして遠藤用の乗車券を購入していたら今頃デフォルトしていたところだ。東京駅で遠藤の切符を買わなかった自分の行動はやはり正しかったと思いつつも、「明日は台風だけど絶対朝から来いよ」と念のため釘をさしておく。(しかしここで釘をさしておく必要もなく、後日、彼の頭には違う釘がささることになる)
岡山を過ぎたあたりから車内人口の減少が顕著になった。そして白い闇を抜けてマサルさんが非難してきた。心なしか全身がヤニ臭い。(第01話をご参照)
博多駅に到着。新幹線を降りて地下鉄に乗り込むとその電車は終電だった。地下鉄のホームでは蛍の光が流れている。高木邸の最寄駅である大濠公園駅で降りて迎えに来てもらう。そして高木邸に着くと、そこにはいないはずのおかわんさんが住んでいた。その理由は次号に続く。
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と言うことで、おかわんさん、よろしくお願いします。