第2話 変わり易いのは高野心と山の空
担当:高木(2002/09/21)

 9月も半ばを過ぎ涼しさをようやく感じられるようになった
今日この頃皆様いかがお過ごしでしょうか?
 ご無沙汰しております。高木です。

 さて2番手に指名されるなどとは夢にも思わず、岡わんのレポートを
「あ〜、こんなことも言っとったねぇ」とか思いながらのんきに読んでおりましたので
心の準備はぜんぜんありません。
 でも今書いとかないとリレーを止めてしまいかねないので、
うろ覚えながらも勢いで書いてしまいます。
 少々の記憶違いはお許しを。

 このままだとまくらが長くなりそうなのでそろそろ始めましょう。
 本文も長いよ。ごめんね。

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2002年夏合宿レポート 第2話(変わり易いのは高野心と山の空)

【8月10日(土)11:00】
 我々を乗せた列車は讃岐平野を駆け抜け、いつしか四国山地へと入って行った。
 空はこれ以上ないというくらいの快晴、
次なる目的地大歩危で実行予定のイベント『吉野とたわむれる!』にいやがうえにも期待が高まる。
 車窓から見える切り立った崖と巨岩、奇岩に囲まれた水面が我々の挑戦を待ち構えているようだ。
(昼ビールのせいでいささか興奮気味)
 しかし我々はふとあることに気がついた。

 「ん?なんか川の水えらく濁ってない?」

 吉野川といえば天下に聞こえた清流であるはず。それが何故あんな色なのか、
年長組(この時点では岡わんと高木)の脳裏に不安がよぎる。

 「えっ、あんなもんでしょ。」

 年長組みの不安をよそに高野はことも無げに言う。
 高野といえば大学卒業後岡山に移住し、3見さん(H8卒)とともに
茶道部OB会岡山支部を引っ張ってきた男である。
 さらに約3年間の岡山生活で瀬戸内のエキスパートとしての研鑽を積んでいる。
 その男が断言するのだから間違いない!

 間違いなく不安である!!

 ヤツが断言することにはあまり根拠がなく、良いことの起きたためしがないことを、
これまでの付き合いからよくわかっている年長組はちょっとブルーになった。
 そのブルーな気分をいや増すように遠藤が言う。

 「大丈夫ですって、岡わんさん、高木さん」

 おお、遠藤よ、おまえモカ、僕キリマンジャロ。
じゃなくて、お前の高野に対する「大丈夫」は保障にならんのよ。

 

 この後一行は不安が的中したことを身を持って体験する。

【8月10日(土)11:10】
 大歩危駅到着。とっても田舎の駅。超満員の列車から降りたのは我々以外ほとんどおらず。

 切符の乗り越し清算を行うが駅員は嘱託の方らしく運賃計算ができず。
 昔取った杵柄で手伝おうかと思ったが、もうJRには関わりたくないので無視。
 その被害を亜夢美が間接的にこうむり料金を多めに取られるが、被害者亜夢美なので不問とする。

 さあ昼食だと駅前を見渡すも、存在するのは廃墟と化した駅前食堂(当然営業していない)と
雑貨屋兼スーパー、怪しい蕎麦屋のみ。
 選択肢はないので蕎麦屋に入る。
 メニューはいろいろある(意外に!)が今日の客は我々のみに間違いないと踏んで
鮮度を気にしなくても良いメニューをみな真剣に選ぶ。
 結局全員かけそば(娘挽きそばという名で屋号でもあったようだ)を注文。
 ランニングシャツ姿の店主が給仕してくれた冷水は水道水ではなかった
(付近の集落の数からして上水道が来ているのか疑問。家の実家近くもそうなんだよね)ので、
のどは渇いていたが万が一を考えてセーブしておく。
 しばらくして出てきたそばは椎茸だしの効いた一品。味はまずまず。
しかし肝心のそばはなぜか長さが5cmほどしかなく、箸でつかめない。変わっている。

【8月10日(土)11:30】
 店を出るとなにやら怪しい雲行きに、っと思ったらシャワーのような雨が降り出す。
 用意のいい私は折り畳み傘持参であったが、米国にほとんどてぶらで行くような男や、
阿蘇山にビーチサンダルで登るような男たちがそのようなものを持っているはずがない。
 スーパー兼雑貨屋で尋ねるが傘は置いてないとのこと。草刈機の換え刃はあるのにね。さすが。
 雨に打たれながら付近をうろうろするも、めぼしいものはなく困り果てる。
 夏真っ盛りだというのに寒い。何でこんな目にあうんじゃ。
 予定では大歩危出発は14時過ぎ。まだ3時間近くある。
寝坊してまだ四国入りしてない1名との合流の関係もあり予定は変えられない。ブルーだ。

【8月10日(土)12:00】
 仕方なく付近にある唯一の観光施設、川くだり船着場と鉱物博物館へ向かうこととし、タクを呼びつける。
 やってきた中型タクの助手席に大型の遠藤を乗せ、比較的小型の4名は後ろへ乗り10分ほど我慢する。

 やってきた鉱物博物館『ラピス大歩危』にはなにやら大型バスもおり、観光地っぽい。
 時間はつぶせそうなので安堵し、受付のお姉さんに川くだりのことを尋ねると、

「昨日からの雨で増水しておりますので、川くだりは中止しております。」

 え〜、濁ってたのは雨で増水したせいか。やはりやられたよ高野クン。

 仕方なくラピス大歩危をゆっくりと時間をかけて見学することにする。
 先の団体は川くだりが中止となったためここへ来た模様。ガイドさんも辛そう。
 内容はまあなんと言うかいろんな石が集めてあります。おわり。
 石の中には尿道結石、腎臓結石、歯石などもあり、遠藤が本気で嫌がっていたのがいとおかし。

 さて鉱物といえば高野だろう、と思っていたら意外な人が興味津々。

 「あの出口のとこの紫水晶(全高1.2m)、売物らしいっスよ。いいっスね。」
 「へ〜、亜夢美君、あんなの好きなんだ。」
 「値段聞いてきますね。」
 「えっ?(マジで?)」
 「80万円だそうっス。」

 エリートバンカーにはもう少しましなボーナスの使い道を検討してもらいたいものだと思いつつ、
併設の喫茶店で一杯やることにする。
 雨に煙る吉野川を見下ろしながら岡わん以外の4人はビールで乾杯。
 女子高生らしいバイトさんの視線がやや痛い。
 岡わんは『イタリア帰りのシェフ手作りのケーキ』なるものを注文。
 女子高生の視線がますます痛い。(うまかったけどね。)

【8月10日(土)13:30】
 そろそろ追いかけてくる人が追いつく頃合なのでまたもタクを呼び、ビッと駅まで戻る。
 雨の影響もなく後続の特急は無事到着。後続のメンバーとも無事合流。
 そして我々は次なる目的地大杉へと、雨で遅れ気味の鈍行列車に乗り向かったのであった。
(雨降ると田舎の電車はぬれ落ち葉のせいでスピード出せなくなるんだよね、
と一部の人が喜びそうなことを書いておく。)

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大杉駅とその後の素敵なバス道中などについての続きは高野君よろしく


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