第6章 バッカスの末裔(酔っぱらいの顛末) 唐辛子煎餅によって傷つけられた身体を癒やすべく、ビールを大量に飲んだ為、更に負傷してしまった。(この旅行は身体に優しくない。)そして身体に優しいイベントへの憧憬から、又合計6回の入浴ノルマを果たすため、再び温泉へと向かった。2年生のちびっ子達はおねむの時間(既に午前3時近くになっていた。)だったので年寄り3人で行った。そして何か忘れているなあと思ったら、カメラが無かったので、カメラを持って展望風呂へと向かった。(この人達、酒と唐辛子で頭イッちゃってるのだろう。)
蒙昧な思潮の喧騒は森閑となり、邪(よこしま)な意識が搬入された。そして怒濤のヌード写真4連発が完成した。(現像するのが怖い。)
しかしこの行為を省察してみると、ある種犯罪めいた物がある。(態態しく省察しなくても分かる。)温泉旅行の原点に戻って考証してみると、事の発端は罰ゲームとしての岡Tさんのヌード写真であった。97年11月の箱根の時ですな。しかし今回は当然の如く写真が出来上がった。ここに写真に対する意識の躍進と言うか退化が伺える。これは犯罪心理学的にも応用可能ではなかろうか。つまり罪を罪とも思わず、良心の呵責が無くなった時犯罪が行われる。年寄り3人衆アスカ流に言えば「3バカトリオ」ですな。も倫理観が欠如している為、罪を罪とも思えていないであろう。この事を考えると、将来何か変な事をしでかしそうで、身の毛もよだつ思いである。(そして実際にこの写真が世の中から抹殺される事を祈って止まない。しかも岡Tさんとマサルさんは今年度までであるが、僕は来年度いるので、日の当たる生活が出来るかどうか甚だ懸念される。←なら撮るなっつーの。)
まあこういう些細(←?)な事に悩みつつ、風呂上がりにマッサージをする事にした。マッサージ機が3台有り僕達はそれを独占することに成功した。(←夜中の3時にマッサージする奴は何処にもいない。)そしてアルコールが唐辛子の熱さと湯船の熱さにより全身まで行き渡って来たので、朦朧とした意識にマッサージ機の心地よい刺激が身体全体を包み、夢見心地な気分であった。
・・・…幾ばくの時を経たのであろうか。隣ではマサルさんが僕を起こそうとしている。と言う事は僕は寝ているのだろうか。その瞬間僕の意識は肥大化し、現状を把握した。つまり僕達3人はマッサージをしたまま風呂の脱衣所で夜を明かしてしまったのであった。どうやらマサルさんは朝風呂に入ろうとしてやって来たおじいさんの足音に目覚めたのであろう。
「ど不幸すぎる。」
この時こう思った。酔っぱらい3人が3人ともマッサージ機の上で寝ている姿はさぞかし間抜けであったであろう。尚かつここは風呂の脱衣場であった為に、湯冷めを通り越して身体が冷たい。エントロピーの増大により人間は死滅すると言われるが、正に放熱による体温低下で死滅寸前であった。この嫌過ぎる空間を1秒でも早く脱出せんと欲し、速攻で部屋に戻ると未だ幸せそうに寝ている2年生にいたずらをし(こう言う事は忠実に行う。)、僕達は再び眠りについた。約1名はマッサージ機の上に放ったらかしにされた。高野・あむみ、許さん!
この時は既に午前6時位だったので、僕達は布団では殆ど眠れなかった。(ううっ、もっと惰眠を貪りたかったのにぃ。)そして仲居の東久保さんからのモーニングコールで不快に目覚めた。(仔細に看れば、モーニングコールのベルが鳴った時、菊池が「おい、誰か出ろよ。部長だからと言って偉ぶらず、自分が出れば良さそうなもんである。」と言った声に対して僕は不快に目覚めたのであった。不快な対象は東久保さんではなく菊池であったのだ。菊池の声による目覚めを想像して貰いたい。)こうして僕は覇気の無いまま朝食を迎えた。
チェックアウト前に朝の川治温泉の風景を眺めようと展望風呂に行ったが、当初掲げた6回入浴という目標は、マッサージ機の上で爆睡してしまったため朝食前に入れず、又罰ゲームが長引き深夜に入れず、達成出来なかった。
BACK 著作:あむみ st53189@srv.cc.hit-u.ac.jp(99年4月30日まで)![]()
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構成:おかわん okada@virgo.higashi.hit-u.ac.jp