第6章 夕食
空が暗くなってきたので、そろそろ夕食の時間(18:00)であろうと野天風呂を出る。
夕食は1階の広間でとるとのこと。下に行くと用意ができているようだった。(しかしそれは大きな勘違いであることが後ほどわかる)
献立は「2旬な素材を丹精込めて仕立てた料理」の期待を大きく裏切るものであった。主なメニュー(で印象に残ったもの)は以下の通り。

 〔前菜〕よくわかんないものたくさん
 〔刺身〕鮪、鯛、甘海老(未解凍)
 〔煮物〕よくあるやつ
 〔焼物〕牛肉、野菜をバターを入れて焼いた物(旅館によくある固形燃料で焼くやつ)
 〔天ぷら〕ネタは不明
 〔その他〕蟹

拡大図

海の物関連に力を入れているのかもしれないが、いまいちな結果に終わった。 (箱根で海の物が出てくるとは東豆館(注)でハンバーグが出てくるのに次ぐインパクトであった。)
 (注)東豆館:小平祭慰安旅行で士郎さん、おかわんさん、勝さん、あ、の4人で行った東伊豆にある伝説の旅館。

タイは相模湾で獲れるかもしれない。だが、小田原の漁船でマグロは獲れんだろう。小田原沖でカニや甘エビは獲らんだろう。我々の認識違いで小田原で甘エビが獲れたとしても、小田原で水揚げされた物を冷凍して運ばんだろう。
これのどこが「小田原沖でとれた新鮮な地魚」なのかと小一時間問い詰めたい。
そして、米がない!
晩酌するから米は最後ね、という心使いと当初は考えていたものの、「米くれ」と注文したのにもかかわらず、一向にやってくる気配がない。「米なしで夕食がくえるか、こらー」と文句を言おうとするものの、「酒飲みながら米食うなんて、ちゃれーぞ、オー?」と言われるのが怖かったので、とりあえず待ちの姿勢に入る。
そうこうしているあいだに社会人である勝さん、あ、は、普段からの早飯の習慣が抜けず、おかずがなくなってしまった。(会社での昼飯時間10分) 唯一社会人ではないおかわんさんの、おかずがのこるのみとなった。

念願の米が来たときはおかずもなく、
「我道無成副食以天婦羅塩(天ぷらについている塩をおかずにするしかない)」
といった状態であった。
しかも既におなかいっぱいであるため、勝さんは 「別に、米くわなくてもいい」とまで言い出した。(何てわがままなんだ) しかし、このまま食べないで帰るのも癪なので、無理矢理食う。 一応米は食えたし、まあ善しとする、と思いつつも、 後悔、肯定、是認、否認、満足、不満、、、といった感じであった。

隣の席はアベックであったが、彼等も米不足に悩んでいるようであった。


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