
あれやこれや
このところ心を入れ替えて真面目に更新していたのですが,また1週間空いてしまい
ました.まあ,先週は久し振りに3日間出張があったこともあります.今朝の旧中川
は久し振りにカモが沢山いました.特に数羽のホシハジロやキンクロハジロの群も
ありました.キンクロハジロは絶滅したのかと思っていただけに群を見てホッとしまし
た.それにしてもカモさん達,間近で見ると本当に可愛い顔をしています.食べてし
まいたい.なお,美しいアオサギ様とダイサギ様はこのところお姿を見てません.
さて,今週土曜日はまた新宿ピカデリーでネットビューイングによるメトロポリタンオ
ペラを見に行きます.出し物はシモン・ボッカネグラ.先週は“ばらの騎士”だったの
で是非行きたかったのですが,そういった訳で忙しくて行くチャンスはありませんでし
た.テレビでの再放送に期待です.今週のシモン・ボッカネグラというのはヴェルディ
作ですが,アイーダや椿姫のようなメジャー作品ではないので,ご存じない方も多い
かも知れません.ハッピーエンドではあっても主人公は最後に遅効性の毒が効いて
きて事切れるという設定.常々書いていますがオペラは所詮音楽を聴かすもの.ドラ
マはその彩りというのが大抵の作品.でもシモン・ボッカネグラはドラマ性の方が優
れているかも知れません.だって最後,メデタシメデタシというところにピッタリタイマ
ーを合わせたように毒が効いてくるなんて.ドラマチックですよね.
話がそれてしまいますが,ルクレツィア・ボルジアというのも遅効性の毒を使ったドラ
マ性重視のオペラ.ドニゼッティ作品ですのでアリアも素晴らしい.未だご覧になって
いない方には強くお薦め.血塗られたボルジア家がテーマの伏線です.ところで,遅
効性の毒をタイマーとしてドラマの中で重要な役割を与えるのは如何にも安直で,何
かズルのような気がします.でも,それだけに効果は抜群.これらの他にもトロヴァト
ーレ,トスカなど数え上げれば幾らでも出てきます.ロミオとジュリエットだってある意
味ではその一つですね.
さらに話がそれてしまいます.遅効性でタイマーになる毒ってどんなものなんでしょう
か? 一度研究してみたいと思います.いや,身近で何かあったら真っ先に疑われそ
うですね.何れにしても,オペラでの死に様はハイライト.遅効性の毒によるタイマー
のコントロールというのも1つのテーマですが,カルメンのように短刀一突きであっさ
り終わりというのもあります.この後の主人公は如何に呼吸をしているところを客に
見せないかということ以外に仕事はありません.短刀ではありませんが,首を絞めら
れたオテロのデズデモナもそうですね.そうかというと,リゴレットのジルダのように
暗殺のプロにバッサリやられて袋に入れられながら,ここぞというところで息を吹き
返しお父さんであるリゴレットと長々と語り合うなど,これは幾ら何でもと思ってしまい
ます.
病死のミミ(ボエーム)は如何にもそれらしい死を迎えるのですが,同じような筋書き
のヴィオレッタ(椿姫)は死の直前までこれが衰弱している病人かと思われる程の立
派な歌を歌います.
ドン・ジョヴァンニは殺人の被害者である騎士長の石像によって,ドン・カルロは偉大
な先王の霊によって,生きながらあの世に召されてしまいます.
予定と違う話になってしまいましたが,オペラでの主人公の死に様をテーマに研究論
文が書けそうな気がしてきました.いやもう既に特許性のないテーマかな.
|
|
|

|