あれやこれや

2010年03月25日
究極のプロテクト


先日BS放送でバイロイト音楽祭における“ニュルンベルクのマイスタージンガー”と
いうワーグナーの長大なオペラをやっていました.この作品はしかめっつらしいワー
グナーにしては珍しく喜劇.しかもこのバイロイトでの舞台では主人公にK.F.フォーク
トが出るというので録画して楽しみにしていました.かつて居なかった程の美声のワ
ーグナー歌い.奇を衒うことしか考えないバイロイトですので多少気持ちの悪い演出
は覚悟の上です.音楽が良ければ我慢のしどころと思っていました.

で,やはり舞台は期待通りの訳の分からない舞台でした.極め付けは真っ裸の男女
が出てくるところ“何でここに?”.グロテスク以外の何物でもありません.でも,ここ
までは我慢の範囲.演出に打つ手の無くなったバイエルンやバイロイトならそんなこ
とだってあります.それに,R.シュトラウスの“サロメ”(これは素晴らしい作品です)だ
ったらサロメが裸にならなければ話になりません.問題は・・・やってくれました.さす
がは“良識の”NHK.何と画面に二つの巨大なボカシが入って居るんです.それがダ
ンサーの移動と共に画面を動き回る.何ですかこれは.確かに見たくないモノではあ
りますが,このボカシは更に見たくない.視聴者を余りにバカにしている.出演者に
対しても失礼この上ない.こんなみっともないことをしなければ放映できないのなら
放映しない方がマシだと思います.まだまだ文化の後進国からは脱却できないよう
ですね.

折角ダビングした高価なBlueRayディスクですが,汚染物のようで所有していること
自体が生理的に気持ちが悪く,速攻で廃棄処分.これぞ究極のダビング防止プロテ
クトか.NHK恐るべし.






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