あれやこれや

2010年08月04日
名歌手の競演(ボエーム3)


先日,運悪く鎌倉の花火大会の日に江ノ電に乗った気の毒な人から話を聞きまし
た.余りの混雑で駅の外にまで並ばされたとか.だから昔この欄でこっそり教えてあ
げたでしょうが(2007.4.27 ひとり喧噪の中で).こんな日は鎌倉駅では江ノ電には簡
単に乗れないので,たったの5分,一駅だけ歩いてお隣の和田塚駅から乗るんで
す.そういえば更に余談です.江ノ電鎌倉駅の駅員は昔より大分まともになってきた
と思っていたのですが(2007.5.23 乗車寸前タッチアウト),最近の駅員はまた昔に舞
い戻り.乗車寸前タッチアウトを目撃してしまいました.観光地で多くの人を捌いてい
ると,いつの間にか自分が殿様になってしまうのかも知れません.

前回,散々プッチーニの悪口を書きましたが,実はボエームも何枚かDVDを持って
います.とりわけ,フレーニとパヴァロッティ,ムラとマチャードの新旧2作品は素晴ら
しい.それにしてもロドルフォはデブに限ると台本に指示があるのでしょうか? パヴ
ァロッティもマチャードもアルバレスがハダシで逃げるほどの立派な体格.ま,それ
はそうと今回デセイの椿姫ではなくこちらを選んだ訳は前にも書いた通りフリットリと
アルバレスの声が聞きたかったからです.オーケストラの余りの美しさに,これら名
歌手たちの印象がやや薄れた感がありますが,それでもやはりビッグネームです.

フリットリは当代1のソプラノ.フレミング,ロスト,・・・誰を聴いても感動音痴の私
は,その時はその人を当代1と思うのですが,今回のその人はフリットリ.期待通り
の声を聴かせて貰いました.それに存在感(貫禄)も期待通り.でも相手がアルバレ
スだけあって,双眼鏡で見なければ可憐なミミの雰囲気が良く出ていました.

一方アルバレスはポスト三大テノールの第1候補と言われたまま,未だに新三大テ
ノールとは言われていません.ライバルが多すぎてパヴァロッティ,カレラス,ドミンゴ
ほど簡単には3人に絞れないんですね.今更どこかのスタジアムでの競演は2番煎
じでやりたくないでしょうからね.ところで,なんといってもオペラは歌が命だから,多
少太っていても構わないとは思っていますが,映像で見るアルバレスは許し難い.あ
の脂ぎった姿はどう見ても色男には似つかわしくありません.声は聞きたし姿は見た
くなし.これが行く前の唯一の気懸かりでした.でも流石はプロ.減量の努力をした
のか,演出やメークが上手だったのか,立派にうらぶれた詩人ロドルフォになってい
ました.勿論声の方はアルバレス.見事以外に文句の付けようがありません.フリッ
トリとアルバレスには心から堪能できました.それと大物2人に挟まって健気にも森
さんのムゼッタも頑張ってました.日本人が,このイタリアの名門の中で立派にとけ
込んでいる姿を見て嬉しくなりました.みんなも頑張ろうね.





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