あれやこれや

2010年09月01日
気合いで勝負(SS氏のワザ2)


エアコンを点けずに熱中症で亡くなったお年寄りが何人もいると聞きます.私もその
候補者.年寄りという程ではありませんが,エアコン嫌い.夏は暑い方が心地良いと
思ってしまいます.そういう人に限って体の変化に気付かずに手遅れになってしまう
んだそうです.気を付けねば.

ところで,桃がこの暑さに参って熱中症になりかけました.獣医はよく分からないよう
でしたが(あるいは分からない振りをしてもっと高額な治療や検査をさせたい?)私
の診断は熱中症.その後,親バカぞろいの当家は桃のために桃の行く先々のエア
コンの点けっ放し.おかげで当家では熱中症も夏バテの心配もありません.

さて,本題.例えばある溶液を10倍に希釈(10分の1の濃度にする)場合,ホールピ
ペットというガラス器具で元溶液を採取し,これをメスフラスコと呼ばれるガラス容器
(図1)に入れます.そしてメスフラスコに付けられたひょう線にピッタリ合うように水を
入れ,よく攪拌すればできあがり.このピッタリ水を入れるのが難しい.足りないなら
ば足せば良いのですが,ついオーバーしてしまいます.こんなときどうするか? 技
術的ノウハウを書いた書物によれば,“慌てず騒がず,攪拌前に駒込ピペット(スポ
イト)で,そっと上の方の水を吸い取ればよい”と書かれています(図2).でもこれは
あくまで裏技.自己満足の正義を通すなら初めからやり直すべきですので,以上の
ことでさえ教科書には書いてありません.



ここで登場するのが件のSS氏の技法.これこそ本には書いてありません.場違いな
場で“気合いだ,気合いだ,気合いだ!!“と言った偉い人たちが居たそうですが,
彼の技法はこの気合いに依っています.ここまで水を抜きたいというところ,つまり
ひょう線の位置に爪を立てます(図4).そして,ここが大切なのですが“エイッ”と気
合いと共にメスフラスコを上下させます.すると,アーラ不思議.ひょう線より上の水
は気合いに気圧されて外に飛び出し,メデタシメデタシとなるのです.これぞ秘技と
言って良いかも知れませんが,まあ,誰にでも出来るワケではありません.実際にメ
スフラスコを使って,何度も何度も“気合いだ,気合いだ!!”と練習せねば決して
身に付かない技なのです.何のことはない.始めから駒込ピペットを使えば良かった
だけだったりして.








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