あれやこれや

2010年11月28日
連結シーソーの舞台(ラインの黄金3)


1週間のご無沙汰です.まずは衝動買い情報.目のピント調節機能が衰えて細かい
作業ができなくなって困っていましたが,こんな物がありました.レンズの回りに照明
があるので手暗がりにもならず,両手が使えます.細かいハンダ付けなど殆ど不可
能な状態だったので,これは重宝しそうです.

          
                  老眼の友(?)


さて,思い悩んでいた“ラインの黄金”舞台装置の説明ですが,悩んでいても始まり
ません.思い付くままに書くことにしました.わかりにくい時はメールを下さいね.

児童公園のシーソーを想像してください.ギッタンバッタンというヤツです.あれが2
台横に並んでいるのをよく見ます.あんな感じで何十台もが横にピッタリと密集して,
全部が同じ角度だったら全体が板のように見えるはずです.これが水平なら床,垂
直なら壁というわけです.しかもこの一枚一枚が独立して制御されているらしい.場
面に応じて様々な角度になりますし,ヴォータンらが地下の国に降りる時など,少し
ずつ角度がずれてあたかもねじりん棒あるいは螺旋階段を横に倒した様になってま
した.前に南京玉すだれと書いたのですが,南京玉すだれは一本の軸があるわけ
ではありません.だから南京玉すだれといったら誤解の元.横連結シーソーというべ
きでしょうか.その長さが10m位のシーソーの上で歌手達が歌ったり様々な演技をす
るので,木材ではとても持つはずはありません.おそらくはアルミやジュラルミンのよ
うな軽量金属にたわまない工夫を凝らしたものと思われますが,大変な装置を作っ
たものです.

これ程の大がかりな棒を精密に,しかも独立して駆動させるのですから,数日間の
公演で終わってしまうオペラ舞台にはもったいないような装置だと思いました.大望
遠鏡を制御するレベルの技術かもしれません.

折角作った装置ですので床になっていない時も多くそんな時は歌手達はかなり高い
ところで歌い演技することになります.開幕前に練習風景が写っていましたが,宙吊
りのラインの乙女達が“怖い怖い”と言っていました.当たり前ですよね.5mも10mも
ある高いところで立っている振りで平気そうな顔をして歌うんですから.

シーソーを連ねただけのシンプルな舞台ですが,とんでもない苦労の結晶であること
はよく分かりました.ただ,それだけの効果があったかどうかは私にはよく分かりま
せん.でも,これでもかこれでもかのCGを駆使した安直な最近の映画の100倍は価
値があることだけは確かです.本物なんですから.

今日は舞台の説明だけでした.






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