あれやこれや

2010年12月04日
どこで寝る(ラインの黄金5)


前に書いた空港でのボディスキャナ(2010.4.22 憧れのミリ波スキャナー)はいくらテ
ロ防止という大義名分があってもアメリカ人にとっても不愉快らしい.これを拒否する
と係官によるボディチェック(触って調べる)を受けることになるんだそうです.これが
また人権侵害だと騒いでいるんだそうな.それこそエゴというもの.未来の人類も当
然使う権利のある石油の浪費という大罪を犯して飛行機に乗る以上その代償は払
わねばなりません“嫌なら乗るな,乗るなら我慢”.

もう一つ前置き.メトロポリタン歌劇場の前で観てきた人のブログがありましたので
ンクします.沢山の写真が載っていて,私の下手な説明より舞台の様子がとてもよく
分かります.人のフンドシで相撲を取るようで恐縮ですが是非このブログをご覧下さ
い.それと,前回書いた影の主役フライア役のソプラノはウェンディ・B・ハーマーとい
う人だそうです.

では“ラインの黄金”話の続き.前にもちょっと触れましたが,お休み所(?)満載の
ニーベルングの指環にあって最後まで眠るチャンスがないのがこの“ラインの黄金”
です.他のシリーズ3作はいずれも劇場なら眠り所,DVDなら早送り所満載です.ワ
ーグナーファンに怒られてしまいそうですが,少なくとも私の忍耐力ではとても4時
間,5時間など耐えられません.今までの歴史やあらすじ,これからの展開,父娘の
別れ,出会いと愛の目覚め,・・・etcがそれぞれ30分も展開のないまま延々と続くの
ですから.寝るなと言う方が無理な話.確かに背景など舞台では表現できないところ
を説明する必要があったのでしょうが,無理矢理に“大作”化しようとしているように
さえ思ってしまいます.シリーズ3作ともいずれも大変面白く,音楽としても素晴らし
いのですが,“語り”だけは何とかして貰いたいものです.そうは言っても誇大妄想癖
のあったらしいワーグナーさんがそのように作ってしまったのですからこればっかり
は仕方がありません.いびきをかかないよう気を付けてやり過ごさねば.ただ,今回
の序夜“ラインの黄金”は息つく暇もない程展開が速く,息つくどころか眠っている暇
などあるわけがありません.3時間もの長丁場を休み無しというのは演じている方は
そりゃ大変でしょうが,お気楽に見ている方でもきついものがあります.

見所は順に,1)アルベリッヒによるラインの乙女達との掛け合いとラインの黄金の強
奪,2)ヴォータンとローゲによるアルベリッヒの騙し討ちによる誘拐とラインの黄金で
作られた指環の強奪,3)巨人族の弟ファーフナーによる兄ファゾルトの手に入れた
指環の強奪と指環の呪い,4)ヴォータンが巨人を騙して作らせたヴァルハラ城への
神々の入場.こんなところでしょうか.何と野蛮なストーリーなんでしょう.強奪の3連
発.正に肉食西洋人が作ったストーリーです.これらが連結シーソーの上で展開す
るのです.面白くない訳がありません.中でも圧巻なのが,アルベリッヒを地底から
誘拐する部分です.ここをどんな趣向で見せてくれるかが1つの楽しみ.本ページで
も次回のお楽しみということで・・・.






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