
あれやこれや
ふとしたことでパラゾールのボールのことを思い出し,それに関連して樟脳船を思い
出したのでちょっと書いておきます.パラゾールに関して(こちらがむしろ本題)も後
日書きます.
樟脳船ってご存じですか?年寄りはみんな知っていると思いますが50歳未満の方
は知らないかも知れません.薄いプラスチック板を船型に切り取り後ろに樟脳をちょ
こっと挟むと他に動力はなくてもスイスイと音もなくタライの上を走るオモチャの船で
す.長さ2,3cm.縁日の夜店の定番でした.勿論私はそんなものは買いません.家
に帰って早速実験です.あり合わせのプラスチックを切り抜いて,樟脳がないので代
わりに・・・パラゾール(かナフタリン)のかけらを・・・.小学1年か2年ですよ.樟脳と
パラゾールの区別が付かなくても許して下さい.当然の事ながら実験失敗.面白くな
いのでいつの間にか忘れていましたが,時々このことを思い出します.何時か再トラ
イをと.

でも,樟脳船は何故あんなに調子よく走るのでしょう.今迄その理屈をあまり考えた
ことはありませんでしたので,この場での推論です.1)僅かに溶けた樟脳濃度の船
首と船尾との差が推力になる.つまり溶け出す力が船を押す.つい先ほど迄こう信
じていました.でもそれなら推進剤は何でも良いはずです.そして,もっと溶けやすい
もの(例えば氷砂糖)の方が速く走る.それに水流は濃度を打ち消す方向に流れる
はずですので,船の進む方向は逆になるかも知れません.決定的な誤りは,濃度差
の緩和は拡散ですのであれほどの推進力になるはずもありません.これを書き始め
るまで(つまり50年間)こんな当たり前のことに気が付いていませんでした.まあ,子
供時代の思ったことをそのまま引きずっていただけなのでこの点もお許しを.
そこで,次の推論.今のところこれが正解に近い様に思います.2)樟脳のような微溶
性の有機物は当然界面活性効果(石鹸の効果)があるはずです.これが船尾の表
面張力を緩和して,船首の通常の表面張力に引っ張られて前に走る.これなら何と
なく理屈が合うような気がします.でも何故樟脳.溶解度が丁度良いからなのかも知
れません.石鹸では溶けるのが速すぎる?砂糖はもっと速い.でも推進力にはなる
はずですので,この後で,幼い頃失敗に終わった実験をやってみます.石鹸や氷砂
糖を使った石鹸(砂糖)船で.結果は後日ご報告します.
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