
あれやこれや
昨日の続きです.と言っても,実験した訳ではありません.なお,昨日以上に理屈っ
ぽい点はお許しを.
樟脳船の推力は樟脳の溶解により船尾の表面張力が緩和されるという推論でした
が,勤め先で,まず自他共に認めるwalking encyclopedia Cさんに意見を聞いてみま
した.何せウンチクのCさんなので色々言われましたがウンと要約するとCさんの意
見は表面張力説のようです.私の推論と完全に同じかどうかは分かりませんが,簡
単に言えばそういうことです.ただしパラゾールでも走るはずで,私の子供の頃の実
験で走らなかったのは,実験のミスらしいとのこと.例えば親水性のセルロイドでは
なく疎水性のプラスチックの何かを使ったので,表面張力の差が出にくかったのかも
とか.
なお,Cさんに2月15日“汚れ猫”の中のコガモはオナガガモの誤りであることを指
摘されました.私はマガモかコガモしか名前を知りませんので,頭が緑色のがマガ
モ,そうでないのがコガモと単純に考えていました.それこそゴマンとカモがいて今来
ているのはオナガガモなんだそうです.図鑑で調べたら確かにその通りでした.あ,
それと未だ30代半ばの若さなのに流石に博識のCさんは樟脳船を知ってました.5
0未満の人は知らないと書いたのも誤りでした.
次に勤め先きっての理論派Mさんに訊ねました.Mさんは当ページの“作品(プログ
ラム)”に登録してある“式量計算”ソフトの原作者でもあります.表面張力説を含む
幾つかの選択肢を示した上で(これだけでもMさんはタダモノではありません)樟脳
の昇華が有力だとのことでした.ちょっと説明すると,昇華とは固体が直接気化する
ことで,この時膨大な体積増加を伴います.この体積増加が推力になるのではない
かということです.まあ,言ってみれば超ミニロケットです.流石にMさんの話だけあ
って説得力があります.そう言われると私も今は昇華説に傾いています.
全然参考にはなりませんが,その後,netで検索するとこれはもう圧倒的に表面張力
説です.でも,いつも書いている通り,net情報は最初に偉そうに誰かが書くと後から
見た人は自分の意見であるかのように書きアッという間に定説になってしまいます
ので全部まとめて多寡が1票と言うところです.
石鹸で走れば昇華説はボツ.何故なら石鹸は樟脳船を動かす程は昇華しません.
テフロンなどの疎水性の強いものと比較的親水性のセルロイドなどの表面の性質の
違う材質での実験は表面張力説の検証に役立つかも知れません.
実験結果にご期待の程を.
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