あれやこれや

2007年05月03日
新素材リコーダの提案(フルート6)


今日は少し真面目な話し.

この連休はリコーダ三昧です.といっても,体力の問題もあり実際に吹くのはせいぜ
い1日1時間程度です.古いリコーダの内1本を桃に取られたので(2007.1.15 情け
ない写真集),国内大手のまあ言ってみれば教材用のプラスティック製リコーダを買
ったことも一つの理由ではあります.

教材用といってもバカにしてはいけません.小さな欠点はあるのですが,それ以外で
は木製の高級楽器に引けを取ってはいません.欠点といっても材質から来る必然的
なもので大したことではありません.ちょっと工夫をすれば克服できるはずです.い
つもながら,ちょっと横道にそれ加減ですが,まずこの欠点の話から.

吹き口からエッジまでの薄い気道(以下,文字通りウィンドウェイ)の材質の問題で
す.100%以上の水分を含む人の息が通るウィンドウェイですので,これが疎水性の
(水分をはじく)プラスティック製だと直ぐに水滴が溜まります.これを如何に除去す
るか.これこそがプラスティック管の共通課題です.音質は前に書いた通り(2007.4.
25 光らなければフルートではない)プラスティックでも全然問題ありませんし,むしろ
設計通り製作できるので,音程やオクターブの飛躍による音質差の吸収などリコー
ダーの持つ構造的,宿命的欠陥の多くはプラスティック管の方が高品質であるとも
言えます.さて水滴の問題.今回買ったものは何の対策もされていないように見えま
す.メーカーによっては溝を付けるなど色々苦労しているようですが,このメーカーは
どうも関心がなさそうです.で,溜まった水はどうするか? 簡単です.音が出ないよ
うにエッジの前を指で覆って,吹き口から強く息を吹き込み吹き飛ばす.ここで横道
の更に横道にそれてしまいます.思い付きで書いているので横道が多く困ったもの
です.

水滴を飛ばすために強く息を吹き込むと,音は出ていないはずなのに超音波が出て
いるのか,桃が跳んで来て“それもくれ”.人と犬の可聴域の違いを認識しました.最
近では2本目は貰えないことがやっと分かって,跳んで来ることはなくなりましたが,
それでもコソッと覗きに来るなど何らかの反応をします.どうもこの超音波(?)が,
100均で買ってくる土産のオモチャの笛の音から出るものと似ているのかもしれませ
ん.

本来の普通の横道に戻ります.ウィンドウェイも親水性の木材違って,工夫のない
疎水性のプラスティック(ABS樹脂)だから水滴が溜まり易い.この部分にだけでも
親水性の樹脂(今なら幾らでも考えられます)を使えば水滴は溜まらず流れ落ちる
はずだと思うのですがどんなものなんでしょうか.これで済めば簡単ですよね.それ
と,木製のリコーダはウィンドウェイ下面にプラグと呼ばれる本体とは別の吸水性の
柔らかい木材を使っています.これは楽器が冷えている吹き始めに温度差による結
露で特に溜まりやすい水滴を吸収するのがプラグの目的です.だからプラスティック
管もプラグの部分だけは吸水性の樹脂などを利用することも一つの手段だと思われ
ます.このアイデア,特許取れませんかね?

さて,やっと本題.いや,本題は長くなるのでまた例によって次回に持ち越しです.そ
れにしても学習用の安物のリコーダーをバカにしてはいけません.これはグランドピ
アノにも匹敵する立派な楽器なのです.






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