
あれやこれや
花火大会の江ノ電の混み方について書きましたが(2007.4.27 ひとり喧噪の中で),
今日はその続編というか,江ノ電通勤(災難)特集です・・・のつもりでしたが,書いて
いる内に次から次と話題が出てくるので,江ノ電シリーズということにしました.第1
回は単コロの話.
大昔から混雑嫌いの私は通勤に使う江ノ電も始発.その始発の江ノ電が歴史的車
両だったのです.記念写真を写しておけば良かったと後悔しきり.というのはマニア
が泣いて喜びそうな俗に言う単コロというレトロな車両だったのです.マニアの話題
には出ても実際にこれを通勤電車として使っていた人は日本中に20人もいないので
はないでしょうか.なぜなら私が利用していた約5年間に乗っていたのは互いに顔を
見知った固定客の3,4人だけでした.
路面電車のように乗降客が居る時だけ近くにいる運転手か車掌が,レバーを持ち
上げて手でドアを開け閉めします.しかも文字通りチンチン電車だったのです.車掌
が運転手に“ドアを閉めたから動いて良いよ,チンチン”と.ずっと先で車掌のひもに
繋がっている鐘が運転手との連絡手段です.ひもを引くと相手側の鐘がチンチンと
鳴るというおそろしくクラシックな仕組み.実家の玄関が線路に面しているほどの江
ノ電沿いで幼い頃から江ノ電に慣れ親しんだモモママでも乗ったことがないという特
殊車両です.当然連結車なんか無く只の1両のみ.だから単コロ.
江ノ電は大雑把に藤沢-江ノ島-稲村ヶ崎-鎌倉という経路ですが,どうも鎌倉行きの
元々の(始発の)始発駅は稲村ヶ崎で,朝の単コロは江ノ島から七里ヶ浜(稲村ヶ崎
の一つ手前)までの3,4人の乗客を始発電車へ運ぶための渡し船のような役割だっ
たのではないかと思います.折角乗った単コロですが稲村ヶ崎で待っていた普通の
電車に乗り換えさせられてしまうのです.渡し船程度でなければあんなインチキな車
両を使うわけがありません.というのはドアが途中で引っ掛かって手で開けられず,
車掌や運転手がドアを足で蹴らねば開きそうにないことがしばしばだったのです.朝
の急いでいる時に.でも,日常のことなので,我々乗客(ほぼ固定客)は心得てい
て,車掌(運転手)がガタピシを始めたら(これも多分ポーズだけ)直ちにもう一方の
ドアへ駆けつけるという大凡1日おきの朝のセレモニーでした.この時はチンチンの
合図が決まっていないらしく手振りで信号を送っていました.
net情報では輸送力不足の故に単コロは廃止されたと書かれていますが,あれは例
によってnet情報の嘘です.なぜなら上記したようにいつも3,4人しか乗っていなかっ
たのですから輸送力不足はあり得ません.真相はドアが開かなくなったからなので
す(?).
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