あれやこれや

2007年05月17日
路面電車とバカ車(江ノ電2)


江ノ島駅から腰越駅までの一駅だけですが,未だに路面電車の区間があります.電
車が来ない時はその軌道(≒レールのある道路)を車も通行します.そして,その区
間は海岸の観光道路と藤沢方面からの道が合流する特に来み合うところでもありま
す.道路には白線が引いてあり,この区域内は電車軌道であることが示してあるの
ですが,観光客は例によって旅の恥は掻き捨て.例え電車が来ようとも,早い者勝
ちの精神で,中には公共鉄道である江ノ電さえ出し抜こうとする不心得者さえ居ま
す.この僅か200〜300mの区間が江ノ電の運転手にとっては最も神経をすり減らす
区間なのでしょう.

電車が近付くとこの区間全部が一種の踏切内の扱いで,全ての車両は警報が鳴っ
ている間は止まって待たなければなりません.勿論,白線内に入ることは以ての外.
大抵の車は郷に入りては郷に従えで,ルールを守っていますが,どこにでも我が儘
者はいるもの(私は“我が儘”ではなく“わぁがまま”であって本質的に違いますよ).
こんな車が1台でもいると江ノ電はけたたましい警笛を鳴らしながらピタッと止まって
しまいます.江ノ電が来ると軌道として示された白線内は全て空くので,程度の低い
ガキには絶好のズル精神発揮場所に見えるらしいのです.彼らは割り込みなどズル
に成功することが上手い運転だと勘違いしていますので,白線内で偉そうにふんぞ
り返っていますが,鳴り響く警笛音のためその場に居合わせた全ての人の注目と非
難はその車に集中します.江ノ電の方も,それがルールなんだとは思いますが,完
璧に軌道内から出て行くまで警笛と停止を止めません.結局はバカ車が周囲の冷
たい視線を浴びながらスゴスゴと恥ずかしそうに道を空ける羽目になるのです.

私も含め江ノ電の殆どの乗客はこぞって清々しい思いを感じる一幕です.そろそろ
路面部分にさしかかると思うと,本質を忘れてついついバカ車の存在を期待してしま
うのです.





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