あれやこれや

2007年05月31日
波には敵わん〜横転び2(ロン17)


一昨日の続き.横転び第2話です.

学生時代の春休み,“そうだ,広い海岸を走らせてやろう”.テレビなどではありがち
のシーンです.江ノ島が間近に見える七里ヶ浜の広い海岸で犬を自由に走らせる.
でも,多分そういう時の犬はレトリバーかジャーマンシェパード.ダックスは余程の訳
ありでなければ使わないはずです.分かりますね.

ボコボコの砂浜をあの低い姿勢で走れば,いや,走らなくても海岸に出るだけで,風
に吹かれて飛んで来た砂粒が目に入ってしまいます.走るどころではありません.で
も,折角連れてきたのだから諦めて帰るのは不愉快.波打ち際近くの砂が多少濡
れている所まで連れて行って放してやりました.この辺なら砂浜は平らだし飛び散る
こともない.

その日は穏やかで,ひたひたと寄せる小さい波だけ.朝なので観光客も来ていな
い.最高のコンディションです.でも波というのはそれほど安定しているものではあり
ません.時には驚くほど大きい波もあって,砂浜深くまで海水が来ることがあります.
波が来るのはこの辺までと多寡をくくっている時にこそ,そういうわぁがままな波が押
し寄せて来るのです.事前に大波に気が付けば,慌てて逃げることも出来ます.で
も,ロンにとって,波の大きさが色々変わることは未だ学習前.幾ら賢くても知識が
なければカオスの法則など知る由もありません.ご想像通りの事態が発生しました.

私もロンも安心している時(の数時間前)に太平洋の真ん中で気まぐれにジャンプし
たマッコウクジラが着水して,この時のとてつもない巨大な波の生き残りが七里ヶ浜
海岸にようやく訪れたとところだったのです.ギョッとしてももう遅い.私も膝から下を
濡らしてしまいましたが,ロンはそれどころではありません.相手が波では車のよう
にうまくはいきません.その波のつまり海水が押し寄せる所でゴロンと横転びしても
車よりたちの悪い波は止まってはくれなかったのです.ダックスフントの塩漬けが出
来上がったという次第.もっとも,背の低いロンですので転ばなくても同じ結果だった
でしょう.それ以来波打ち際もロンにとっては鬼門の一つとなったのでした.苦手番
付に追加です.“獣医,ヘビ缶,地震,泥棒,波打ち際”(2006.5.11 犬にもプライド
が).






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