あれやこれや

2007年06月14日
土俵は必要


いつの間にか回顧録のようなページになってしまいましたが,今日も昔話です.鬱陶
しいかも知れませんがお時間がある方はお付き合いを.

小学校1年生.わぁがままガキが社会人になったばかりの頃の話題は沢山あります
が(2006.7.4 わぁがままの卵,他),今日のもその一つ.体育授業の時間といっても
やっとヒトになったばかりのガキどもですから何が出来る訳でもありません.この日
は校庭で鬼ごっこ.“てつなぎおに”という遊びです.鬼は必ず2人以上で手を繋ぐ.
それが速度低下の因になりハンディキャップでもありますが,大きく横に拡がれば網
の効果を発揮するので逆にメリットにもなります.4人以上繋がれば2人ずつに分裂
増殖も可能.なかなか良くできた正に教育的遊びです.遊びながら原生動物の繁殖
法も学べるとは.逃げる側はピンチになると“キャーキャー”言いながら逃げ回りま
す.鬼の機動性が悪いことを見越して,わざと側に近付いて挑発したりしながら.こ
れがまあ,鬼ごっこの醍醐味でもありますし,ミスで捕まってしまったら今度は追い掛
ける側回ります.鬼も結構面白いからこそこの遊びが成り立つ訳ですが,一人その
面白さを理解していない人が居ました.何を隠そう我らが“わぁがままガキ”です.

力道山でもヤクザの刃物には敵わない.近藤勇でもウィリアム・テルには敵わない.
ウィリアム・テルでもワイアット・アープには敵わない.ワイアット・アープでも零戦には
敵わない.零戦でもテポドンには敵わない.簡単な理屈ですよね.離れ業ほど強い.
勝負は同じ土俵でなければ意味はないのです.ここで例によって余談を思い出した
のでちょっと横道へ.

人から聞いた話ですのでどこまで真実か分かりませんが,例え話として面白いので
ご紹介します.明治大学対国士舘大学という学生柔道の雄同士の団体決勝戦.こ
こで判定を巡って激しい言い争い.そして激昂した誰かが手を出してしまいました.
もう止められません.世の中でほぼ最強の10人が血相を変えての乱闘です.見てい
る方はこれぞ柔道の神髄というべきものが見られるとワクワクして見入っていたので
すが,始まったのは何と殴り合い.このことを職場にいる学生柔道チャンピオン経験
者でもあるA君に聞いたところ,やはりそういうものなんだそうです.同じ職場には空
手の達人Tさんがいますが,A君といえどもTさんとは勝負にならないということです.
やはり土俵というモノは必要なんだという余談でした.

本題に戻ります.鬼ごっこより上の土俵で勝負するのは隠れんぼ.隠れてしまえば
鬼に捕まるはずはありません.肉弾戦(タッチ)と飛び道具(視線)の違いですね.し
かも鬼ごっこで隠れてはいけないというルールは(多分)ありません.わぁがままガキ
である私は何も考えない一般ガキを冷ややかに見ながら一人隠れんぼを実践しまし
た.体育の時間が終わって集合が掛かっても私が居ないので,先生をはじめ全クラ
ス員が鬼になり私一人を捜すというゴージャスな隠れんぼが実現しました.私の深い
洞察を知らないみんなは,さぞや鬼ごっこと隠れんぼの違いを理解していない低能
児だと思ったに違いありません.







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