
あれやこれや
既に何度か触れていますが,わぁがままと言われるのは私の食性から来ているの
だと思います(2006.3.24 偏食).ところで食べられる食べられないということとは別の
カテゴリーに嗜好というのががあります.細かい話は面倒ですが,大雑把に言って
甘いものは食べられない訳ではありませんが苦手なのです.ただし,例外は今川焼
き(鯛焼きも).原因不明ですが,何故かこれには弱いのです.
例によって昔話.昨年行った劇場の側の母校を覗いた時(2006.11.14 久々の観劇)
に思い出した話です.この学校は高台の上にあるので,毎朝の通学時は大仕事な
のです.特に遅刻常習者は長い坂を駆け上がらねばならないので,さぞや足腰が鍛
えられたことでしょう.
ところで,毎年この学校では生徒全員に長距離走が科せられることになっていまし
た.全校マラソン大会です.マラソンといっても男子10km女子5km.10kmなんて大し
たことはなさそうですが,体力的に未成熟のごく普通の,しかも怠け者の高校生にと
っては最後に上り坂のあるその経路は大変な負担なのです.それより,何の因果で
無目的にこんな長距離を走らねばならないのか.鬼ごっこで隠れんぼをする様な,
入場料を払ってお化け屋敷の入口から出て来る様な,終始思索を巡らすタイプの考
え深い人間にとって,最も苦手な種目なのです.更に困ったことに,経路の途中に怖
ろしい今川焼き屋があったのです.犬が障害物を避けながら完走タイムを競う下ら
ないテレビ番組がありますが,障害物によく使われるのが大好きな餌.そして私は
犬であるロンとはほぼ実の兄弟.ということはあの今川焼き屋は私に特定された障
害物だったのです.当然のことの様に私はこの障害物に引っ掛かり,真面目に走っ
てヘトヘトになっている復路の子供達に,満足(腹)そうな様子を見せずに合流する
というハイテクニックな方法をマラソンの練習(本番の時もですが)の度に実践してい
たという訳です.さりげなく抜け出しさりげなく合流するタイミングが難しいのですが,
一度しか失敗したことはありませんでしたし,その失敗も目撃者を共犯者に仕立て
上げるのに成功しました.実はもっと失敗してバレているのかも知れませんが.
危険の報酬でもあるこの今川焼きはそれだけにこの上なく旨いものでした.これぞ
まさしく犯罪の味.でも,この件に関しては私は懺悔する気持ちはありません.今川
焼きの誘惑に勝つことは不可能なのですから,これだけは例外的に正当な行為,一
種の正当防衛だったと今でも信じているのです.
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