
あれやこれや
私は普段無口なのですが,文章を書き始めると止まらなくなってしまうようです.つい
つい冗長になって,前置きが長くなってしいます.簡潔な文章が書ける人がうらやま
しい.で,ぐっとこらえて前置きはここまで.今日のテーマは相手の気持ちを理解しな
いままでの会話は思わぬ誤解を与えてしまうという話です.
皆さん“鄙びた”という言葉には余りマイナスのイメージは持ちませんよね.都会の喧
噪から離れて,白い積雲が浮かんだ青い空,緑に覆われた小高い丘,小川に水車
(ここまで行くとチトやり過ぎ?),心落ち着く田舎の風景が目に浮かびます.だか
ら,ついでに“田舎”もプラスイメージの方が強い.ただし“田舎者”とか“田舎っぺ”と
かマイナスイメージもなくはありませんが,“鄙びた”を“辺鄙な”と読み替えて悪く言う
様なもの.殆どの都市部に住む人は“田舎”に憧れを感じることはあってもマイナス
イメージは持ちません.ところが,人の気持ちは分からないもの.その皆が憧れる風
光明媚な田舎に住む人にとっては,“田舎”と言われるのがことのほか堪えるらしい
のです.
気を付けてはいたのですが余談を思い出してしまいました.職場旅行で奥日光の本
当に鄙びた旅館に泊まった時のこと.女中さん(女主人だったかも)に向かって,幹
事さんは言いました“辺鄙な所ですねぇ”.勿論,本人は誉めたつもりだったのです.
長くならない様にこの位にして・・・.あ〜,書きたい,書きたい,もっと書きたい.
さて,私が入学した田舎町福島の中学校も典型的な田舎の学校.広い校庭.近くに
は阿武隈川や信夫山.幼い頃から憧れていた夢の世界がここにありました.信夫山
に登れば本物のサンショウウオを見ることができますし,阿武隈川ではフナを釣るこ
ともできます(殺生は好みませんので,実行はしません).ヘビなんて全然珍しくもあ
りません.春の吾妻下ろしさえ吹かなければ,日本中探しても滅多にない良い土地
です.多感な年頃をこの素晴らしい土地で過ごせたことを感謝せずには居られませ
ん.
“オレ,田舎に来て本当に良かったとつくづく思うよ”・・・“おまえなぁ,そう田舎田舎っ
て言うなよ.田舎って言われて頭に来ないヤツ居ると思うか?”・・・“ギャフン”O君と
の会話です.冷や水を浴びせられるとはこういうことです.O君は半年もの間,私の
“田舎(者)”攻撃にじっと耐えていたのでした.こんな無神経なヤツと付き合ってくれ
ているO君の懐の深さに感動すると共に,自分の思慮の浅さを深く恥じ入った次第
です.正に穴があったら入りたい心境でした.それまで何人の人を傷付けてしまった
ことか.
それにしても言葉は難しい.このことがあってから私は世間から無口と思われる様
になったのです.単に,相手を傷付けない言葉を吟味している間に会話が先に進ん
でしまうだけですので,実は本当の無口ではなく無口もどきなのです.
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