あれやこれや

2007年06月27日
レンガ色のハト(ことば9)


1日経ってしまったら続きに何を書くつもりだったか忘れてしまいました.で,予定と
は違うのですが,なにげな一言の絶大な影響について.“なにげ”の使い方(2006.6.
21 なにげに老化)上手くなったでしょう.

普通のハト(カワラバト?)の色は何色ですか?ハト色に決まってますよね.ちょっと
青みを帯びた灰色.でも,余り多くはないのですが,くすんだレンガ色のヤツも居ま
す.こういうハトが混じっていると目に付きます.

人前に立つのが嫌い,先頭が嫌い,控えめに,目立たずに.居るのかいないのか,
そういえばあいつ居たよな・・・というのが私の理想とする性格なんです.多分,身の
回りの人は皆,私が理想通り行動できていることに同意してくれるはずです.でも,
これは本当は見せかけだけ.ある時点で性格改造した結果なのです.そして,回り
の人が私のことを上記のように見ているということは,性格改造(or 演出)が成功し
ていることの証なのです.

友人2人と本八幡駅近くの八幡八幡宮境内を歩いていました.40年くらい昔の話で
す.神社の境内と言っても,我々が信心深い訳ではなく,単にそこがショートカット通
学路だったというだけの理由です.神社仏閣の常として,境内には沢山のハトがい
ました.この時です.Y君のなにげな一言が私の胸を突き刺したのは.Y君は大変思
考テンポ速い,いわば切れるタイプ.もう1人のF君もY君に負けず劣らずなので,Y
君の会話に十分について行けます.つまり3人の会話は常に私一人だけ一歩遅れ
を取り,流れの半分をやっと理解できる程度.残りの理解の至らない部分は後でF
君にゆっくり通訳して貰います.“モモパパが居るぞ”,流石にテンポの遅い私でも,
この時は即座に分かりました.やけに目立つレンガ色のハトが一匹だけ灰色のハト
の中に混じっていたのです.

冷静に我が身を振り返ると,この時まで,自己主張できるチャンスには必ず何かモノ
を言ってました.黙ってられない性格だったのです.目立つことなら多少の面倒はい
とわずに何でもやったかも知れません.(正義を守るため)小暴力を伴う喧嘩などは
日常茶飯事.教師との怒鳴り合いも何度か経験しています.それでも,自分では特
殊な部類(レンガ色のハト)の方に分類される性格だとは思っていなかったのです.
このY君のなにげな一言は響きました.

この後は,ことあるごとにレンガ色のハトのことを思い出しては自制の日々.何時し
か控え目な性格と行動が身についてしまったというわけです.この性格改造が良い
ことだったのかどうかは分かりませんが,暴力沙汰だけは絶えて無くなりました.そ
れと,昔の我が身のような自分をわきまえず自己主張だけする人を見るに付け,あ
んな恥ずかしいまま良い歳にならないで済んだのはY君のなにげな一言の影響(お
かげ)だったのだと今でも思っています.本人は感じていないので幸せなんでしょう
が,傍目には滑稽ですね,自分を知らない人って.そして,レンガ色のハトを実践し
ている人って結構多いんですよね.






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