あれやこれや

2007年07月09日
エンジン停止(ボート9)


今,自分で書いた前回のページを見ていて,卑怯者という言葉がN先生から発せら
れた意味がやっと分かりました.本人だけが今の今まで気付いていなかったので
す.

私は自分の行為は正統だったと信じていました(す).N先生が怒るのは統制下を許
可無く離れたことでしょう.そのことに関しては確かにルール違反だったことは認め
ますが,100年に一度遭遇するかしないかの火事を見学することと,多寡がN先生に
許可を取ることとどちらか重要かは考えなくとも分かります.目の前で怪我をした人
がいれば例え授業中でも助けるでしょう.私は爪の先ほども悪いことをしたとは思っ
ていなかった(いない)のです.それに,昼休みのことですし.これが私の言い分.

一方,N先生は火事などには殆ど関心がありません.勝手に自分の統制下を離れて
学校を抜け出したことが“悪”だと言って,そのことだけを追求しているのです.私
は,何を怒っているのかを,まるっきり理解しておらず,訳が分からなかったので,N
先生には事実を述べたまでです.でもN先生は私の喋ったことは悪事の言い訳,弁
明だと受け取ったに違い有りません.“赤信号みんなが渡れば怖くない”と言ったん
だと.“みんなが渡る赤信号を渡ったのだから正統だ”と口答えしたと思ったのです
ね.そう言われれば売り言葉に買い言葉.感情的な人ならば“卑怯者”なる不穏当
な言葉を発しても不思議ではありませんね.50年来のテーマの一つが解決しまし
た.

価値観の著しく違う人との会話は本当に難しいものですね.さて,今日のテーマで
す.昨年のボートシリーズは8まででしたが,重要なことをまだ書いていません.ボー
トを廃棄するまでの顛末と回航中に起こった大きなトラブル(2006.5.5 回航決行)の
真の姿についてです.今日はトラブルの方.

良く晴れた真夏の昼過ぎ.ひとしきり七里ヶ浜沖を走り回ってから,そろそろ引き上
げようといつもの安全航路を通って江ノ島脇の境川を目指していた時のことです.江
ノ島が近くなると芋の子を洗うような西浜の海水浴場が見えてきます.うっかりすると
巻き込んでしまいそうな所まで,海水浴客が来ることがあるので要注意です.でも安
全航路はルール化されているのかどうか知りませんがモーターボート,釣り船,江ノ
島への渡し船がひっきりなしに通るので比較的安全なエリアです.当然遊泳区域を
示すブイの外です.そこを通っている間は船同士の衝突以外には危険は皆無.強
いて言えば大潮の干潮時に船底やプロペラを海底で擦らないかということくらいでし
ょう.
まず,堤防(C)を目差し,(C)の突端に近付いたらスレスレを右に曲がって境川河口
を横切り川の右端(川下を見る向きで左側なので左岸と言います)に沿って遡上しま
す.釣り船も渡し船もほぼ同じコース.今回もこう行くはずだったのですが,何かエン
ジンが変.そして,防波堤(C)の手前50m位の所でエンジン停止.東京湾からの回航
中のエンジン停止と似た感じなのです.一旦空吹かし状態になって回転数が吹き上
がり,その後エンスト.それが(A)の位置です.目の前は西浜の海水浴場.芋の子の
ような超満員の海水浴客.きっと何万人もいるでしょう.言ってみれば何万人という
観客の前の出来事です.

    
          この絵で分かるかな?


海水浴場までは未だ100mはあります.個人の識別は難しい距離.そこで船が止ま
ってしまいました.回航の時のようにエンジンが再起動してくれれば問題ないのです
が,何度試みても始動する雰囲気はありません.正確に言うとブゥオ〜ンと一気に
最大回転で回り出し直ちに止まってしまいます.さっぱり分かりません.こんな事を
繰り返していては直ぐにバッテリーが上がってしまいます.何せマーキュリー140馬力
の巨大エンジンです.せめてもの慰めは海岸が近いこと,太平洋の真ん中ではない
こと.このままエンジンが永遠に止まってしまっても,まず飢え死にだけはなさそうな
ことだけです.

あれやこれやしている内に何か嫌な感じが・・・.何と打ち寄せる波に乗って徐々に
海水浴場へ近づいているのです.先程まで100mはあるかと思った距離は一気に縮
まり,もう網遊泳禁止のブイは目の前,10m位か.さて衆人環視の中,この後どうい
う事になるか,続きは次回のお楽しみ.







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