あれやこれや

2007年07月11日
あわや日本海流に(ボート11)


メカが大好きな人は別として大抵の車のドライバーはハードウエアは整備工場任せ
ですよね.ルールでは自分で始業点検をすることになってますが,先ずエンジンルー
ムを開けてオイルチェックやウォッシャー液を見る程度のことさえやる人はまれでし
ょう.免許を持っていてもメカには手を出さない,いや今や手は出してはいけないの
かも知れません.が,船はそうはいきません.一通りのことは自分でやります.エン
ジンの分解清掃,ファンベルトの交換・・・.車検ならぬ船検というのがありますが,
車のようなメカニズムのチェックは殆どやりません.検査員が船に来て,備品や装備
がそろっていることとエンジンが掛かることを確認したらあっさりとOKを貰えます.整
備不良の車が問題を起こした場合は社会に多大な迷惑を掛けますが,船の場合,
圧倒的に迷惑が掛かるのは本人のみです.つまり,責任は自分で取る羽目になる
から,免許が簡単(2006.4.30 船舶免許)なのと同様,うるさくないのかも知れませ
ん.

堤防に繋がれた哀れなボート.さて,どうしよう.といってもやることは一つ.今回の
故障は既に素人の修理できるレベルを超えています.専門家に見て貰う他はありま
せん.今の様に携帯電話が有れば簡単ですが,先ずは公衆電話探し.次いでボー
トの修理屋さん探し.有りました.そう言えばいつも目の前を通って海に出ているボ
ート屋さんが境川の途中に.事情を話して引き取りに来て貰いました.また,屈辱の
曳航です.ただ今度は小さい船外機とはいえエンジン付きの分だけ少しはマシで
す.スラロームをしないと底を擦ってしまう浅い川を曳航する技術の素晴らしいこと.
川を遡るのって,単独の小さな船でも航路を熟知していないと難しいんですよ.川の
うねり具合と,結構沢山ある橋桁による微妙な流れの変化によって場所場所で複雑
で異なる水深を形成するのです.案外,私のようなドジな船は多いのかも知れませ
んね.

この店には巨大なアンテナが立っていました.そうか,沖で遭難した場合は無線を
使うのか.今度はアマチュア無線を勉強して無線機を積もう.などと消極的なことを
考えながらエンジンを見て貰いました.

考えられないほどの故障.“これで良く今まで無事だったねぇ”,詳しくは書ききれま
せんが回転を伝えるゴム部分が劣化してボロボロになり殆ど繋がっていない状態だ
ったそうです.繋がっていなければプロペラは回らず空吹かし状態になるはずです.
東京湾から江ノ島までの回航途中で一度発症しましたが(2006.5.5 回航決行),あの
時に完全にゴムが剥がれていたらと思うとゾッとしました.ほぼ外海だったのですか
ら.恥はかきましたが江ノ島海岸付近とは大違い.無線の使えないあの船は太平洋
に流され,日本海流に乗って・・・.それはそれで面白かったか.






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