
あれやこれや
ついに,ボートを手放した顛末を書く段階に来てしまいました.その前に係留地につ
いて書いておかないと話が続きません.時間は遡ります.その場所を係留地としたと
ころから始めます.
正式にマリーナに保管して貰うのなら安心ですが,それだけのために年間何100万
円も使うのは馬鹿らしい.だからこそ不法係留が後を絶ちません.ところが,この不
法係留によって過去に数々の被害が引き起こされているんだそうです.例えば,流
された船が橋桁に絡まり,増水だか潮の満ち干だかによって水位が上がった時に
橋を流してしまったとか,ボート火災があったとか色々で,その度に取り締まりの話
が浮上します.でも,公式に取り締まりが行われた話は未だに聞いていません.な
ぜならあの川を生活のよりどころとしている人(釣船など)が大勢居るにもかかわら
ず(多分)全ての船が不法係留だからなのです.詳しい話は忘れてしまいましたので
正確ではありませんが,二つの法律によって縛られており,境川は少なくともその内
の一つの制限は逃れられないんだそうです(私の錯覚の可能性もありますので鵜呑
みにしないこと).だから,注意は受けても取り締まられることはなく,未だに“赤信号
みんなで渡れば恐くない”的な状態が続いているのです.
っさて,我らがアルフ2世号の係留についてです.アルフというのはロンの正式な登
録名でこの船の登録名もロンに因んでアルフ2世号としていました.なお,全くの余
談ですが,ロンは代々続いたドイツダックスフントチャンピオンの直系(孫)で私ら(桃
も)のような何処の馬の骨か分からない有象無象とは生まれが違う由緒正しい貴族
だったんですよ.
前から狙いを付けていた境川ですが,さて何処に.川沿いを何度も行ったり来たりし
て検討した結果,ここぞという場所が見つかりました.鵠沼松が丘公園の裏で,係留
する松の木も沢山生えており,不法係留には理想的な場所を見つけました.この場
所の今の状況の写真をお見せします.川岸の白い物が何れも不法係留のボート.
当時は未だ場所に余裕があり,予定地の隣に止めていた船の持ち主に挨拶するだ
けで場所を確保.安いものです.対岸は湾曲する川のやや内側なので流れが緩く,
堆積物が溜まりやすいので底が浅く,当時は1隻もいませんでしたし,こちらの公園
側でさえ密度は3分の1程度.全部合わせても10隻くらいでしょうか.この写真の怖ろ
しい数の不法係留船と比べるとまだまだ余裕でした.

不法係留地とアルフ2世号の後継船(?)
Google Mapの航空写真から取り込みました
不法係留には不法係留のテクニックがあります.大量のロープと長さ5m位のしっか
りした丸太2本が必要です.ロープの意味は簡単ですが,丸太は船の位置を保つ為
の突っ張り棒として重要なのです.そしてこの突っ張り棒にはある程度の自由度が
必要で,正にこの地は不法係留のためにあるとさえ思われるほど良くできていまし
た.河岸を整備したコンクリートのブロックに約1メート区画の凹部があり,ここに丸
太の一端がはまって蝶番の役割を果たします.文章ではよく分かりにくいので(もっ
と分かりにくい)図を入れておきます.こんな事は不法係留をする人以外には関係が
ありませんが,ボート廃棄の顛末を説明する上ではちょっと必要になるのです.前後
のロープは川の水流に抵抗するため,丸太は岸壁からの距離を保つために働いて
いる訳ですね.

上から見ると

前から見ると
こんな感じで何とか無事に係留成功.陸側のこんもりとした緑の部分が昔放映され
たテレビ映画“俺たちの朝”で有名な(2006.5.6 境川係留まで)松が丘公園の松の木
です.この公園の針金フェンスのほころびを利用して隙間を開け,そこから潜り込ん
で川岸に出て船に乗る.海に出てしまえばどこかのマリーナから出てきたようで颯爽
としている(つもりなの)ですが,それまではコソコソと情けないものがありました.今
日は係留まで.
|
|
|

|