
あれやこれや
今日はボートの続き,アルフ2世号を廃棄した顛末について書く予定でしたが,急遽
桃話に変更です.思いがけないことがあったからですが,このことは後日書きます.
犬は飼育する動物ではなく,“人とそれぞれ領分を受け持って共同生活している種
類の違う生き物”というのが真の姿なので,“餌を与える”という感覚には納得がいか
ないものがあります.でも,屁理屈を言っても始まりませんので,ここは犬の食事を
“餌”という言葉で定義することにします.同じく,飼い主という言葉も使っています
が,これもここでは犬と共同生活する人という意味です.一般的な意味とはちょっと
感覚が違ってます.
ロンの時代(昭和35年頃)は餌に関する情報は少なく,まあ,肉食だからということ
で,喜んで食べるものを好きなだけ与えていたというのが本当のところ.だから,今
から思うと反省点は多々あり,長生きさせてやれなかったことに対して胸が痛みま
す.糖尿病が元で寿命を縮めてしまったのではないかと思いますが,ロンは天寿を
全うさせてやれなかった(13歳でした)という後悔が残っています.うっかり目を離し
た隙に食卓にあったカステラを半分も平らげられてしまったりと,食べ物管理には反
省点だらけです.ロンでは食事には失敗したので,花子は食欲を十分満足させてや
れたかどうかは分かりませんが,食事の管理をしっかり行った結果,花子は推定23
歳という記録的長命犬でした.このことについても後でちょっと触れます.
人と共同生活をするようになったオオカミは自分で餌はコントロールできませんので
飼い主がしっかり面倒を見てやらねばなりません.さて今日は市販の人工餌につい
てです.
ロンの時代は人工餌はありませんでした.当然,米やパンに肉を混ぜ牛乳で煮込ん
だような混ぜご飯が主食.外国の飼育書の翻訳のような教科書しか手に入りません
ので,それだけが頼り.まあでも我々の餌と同じ店で一緒に材料を買ってきて作る
のですから,喜んで食べる訳ですね.それはそれは美味しかったのでしょう.
丁度この頃(多分)日本で初めてVO(BO?)なる人工餌が売り出されました.直径3
cm位の茶色に焼かれたクッキーのようなペレットでした.今売っているドッグフードの
ようなただの固まりではなく,正にクッキーそのもの.バラの花びらのような模様だっ
て付いています.とても良い匂いがしますので,私が偏食を売り物にしていなけれ
ば,当然私の胃の中に入るのが最初だったはずです.残念なことに私の信念の故
に試食はできませんでしたが,犬のために作られたクッキーならロンは大喜びで食う
に違いないと早速購入.何しろ兄貴と違って口に入る物は取り敢えず食べてみるガ
ッツキ者.偏食はありません.
もったいぶって鼻先に出したり引っ込めたり.ロンは食い意地が張ってますので,そ
れだけでよだれタラタラ,目はギラギラ.暫くじらすと,よだれで溢れた口で“バホバ
ホ”と,つまり“早くよこせ”と吠えはじめます.よだれの泡を撒き散らかしながら.で,
一粒を・・・.待ちに待ったVOの初めての味は・・・,“これは食い物ではない”.好き
な食べ物なら噛みもせず瞬時に飲み込むロンですが,その逆も早い.ウッという顔
をしたかと思うと,そのままペッと吐き出しました.食べ物なら何でも食べてしまうロン
が吐き出すのは初めて見ました.牛乳に浸しても肉と煮込んでも結局はダメ.要は
ロンにとってVOは食べ物ではなかったのです.
その後,VOは廃りもせず,今でもマーケットのペット用品売り場で巨大な袋が売られ
ているのを見ると,その後,余程研究して犬が食べる餌に改良されたのかも知れま
せんね.ということで当家(モモパパ)は取り敢えずドッグフードに対する強固な偏見
を持ってしまいました.あれは犬の餌を作るのを手抜きしたい,あるいは餌代を節約
したい(愛情のない)飼い主のためのものだと.この場合の“餌”と“飼い主”は本来
の意味です.
また前置きが長くなってしまいましたが,前置きだけでも未だ続きます.というか,本
題に入ると直ぐ終わってしまうかも.
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